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10年物の紹興酒 [美味しいもの]

(2月2日木曜日)

 飲み友達のY氏が10年物の紹興酒を頂戴したので一緒に飲らないかと電話をくれた。無論、嫌いじゃないので返事はYES。
 早速それじゃあと云うワケで、無理を承知で厚かましくも顔馴染みの中華料理店、奥沢(最寄り駅は自由が丘)にある香風(シャンフォン)に持ち込ませて頂いた。ホント、タチの悪い客でごめんなさい(^^ゞ。


 こちらの香風は、自由が丘(目黒区)の駅から5分弱ほど歩いて、大井町線久品仏方面に向かった踏切を奥沢(世田谷区)側に渡った場所に在って、地下と言う事も手伝って(?)、まさに穴場的なお店。外光が差す小さな庭もある店内は上の写真のとおり、すっきりとしたモダンな雰囲気。肝心の料理も勿論美味しいのでお気に入りの場所だ。

 ちょっと内輪話になるけど、この店が入っているビルはここのオーナーさんの自社物件。つまりは家賃が要らない。その所為か?、料理の値付けはとってもリーズナブルな価格に設定にされている。ワタクシのようにお財布の薄っぺらい者には何より有り難いことでございます。


 僕も一応横浜で生まれ育っているので、中華料理にはナマイキにも結構色々と好みがあったりするのだけど、それはさて置き、この香風は割合とさっぱりとしたクセの無い味つけのお店だ。
 場所柄、どうしても女性客が多いので強烈にスパイシーな味付けやコッテリとしたものよりも、穏やかな優しい塩梅のものの方がきっと受けが良いのだろう。ここの料理にはそんなふうに思える節が幾つも有るし、実際、僕の友達の評価も、オトコどもより女性たちのそれの方が高い。


 華僑の方のお店なら、北京やら広東と言ったご自身のルーツである「どこそこの地方料理」との括りが大抵は有るものだけど、こちらのオーナー日本の方。でも、厨房では台湾出身のコックさん達がずっと腕を奮っているのでやっぱり基本は台湾料理になるんだと思う。

 中華料理って一口に言っても、本当に色々だ。例えば北京、広東、四川、上海は日本でも特に有名だけど、これらの他の地方にも郷土料理のバリエーションは沢山ある。そんな中で台湾料理とは言うと、言葉としてはよく耳にするけれど、実際の内容としては何も知らなかったりする。一体どんな料理なんだろう?。

 調べてみると、台湾料理は、もともとはポリネシアン系民族が暮らしていたと言う台湾本来の土着的なものに加え、16世紀以降入植した漢民族、日本などの外来統治、中華民国建国による本土各地からの人の移入などの歴史的背景を踏まえて発展して来た、いわば中華料理のフュージョン。ベースは福建で広東のエッセンスも多く影響していると言うことらしい。


 ははぁ。元からいろんな地方、民族の味が交じり合って構成されているってワケね。

 以前、知り合いの台湾出身の在日華僑の方が言っていた。「台湾料理は食材がとっても豊富で、何でも本当に美味しいんだよ。北京だ広東だのと言ったって、日本人が食べて美味しいと思うのは、絶対に台湾の中華だと思うな」って。

 その時は、半分ただのお国自慢だと思ってたけど、イイトコ取りのフュージョンならば、あながちウソじゃなかったのかも。取り込んで自分たち風にアレンジして行くのは日本人も得意なところ。感性的にも共通するものがあるのかも知れないね



 
 さてさて、ハナシは大分脱線気味。今日は10年物の紹興酒のお話なのだ。

 先ずはチンタオ・ビールで喉を潤し、軽く前菜類をつまんだ後、早速にその「10年物」とやらの栓を抜いて貰う。

 僕はどうも飲まず嫌いだったようで、以前は紹興酒はず~っと口に合わないもんだと思い込んでいた。だから中華料理店に来て口にするのは大抵ビール。でもすぐにおなかガブガブになっちゃうんだな。だから、置いてあれば後は必ず白ワインを飲むようにしていた。

 でもこのお店で、友人が乾燥した梅を紹興酒に入れてロックでやっているのを見て、おそるおそるそれに口を付けてみたところ、何のことはない。これがとっても飲みやすくて、すこぶる美味しい。以来その飲み方がすっかり病み付き。今では普通にストレートでも飲むようになった。


 しかし、今日の相手は10年物である。なんか、10年って聞くだけでちょっとすごそうではないか。

 僕は紹興酒はようやく飲めるようになっただけで、全く以て詳しくないから、それがどれほどの物か判らない。

 でもね、しかしだよ、この陶製の如何にもな容器を見る限りは、かなり良さげなものではないか。それにこれをY氏に下さったのは、直木賞候補にも名を連ねた作家のK先生の奥様でらっしゃる。きっと、否、絶対に良い物に違いない・・・と、期待も膨らんで行く。


 グラスに注ぐ。香りをかぐ。少し回して、空気に馴染ませてみる。見た目の色や濃度、粘性に気が付くような相違点は見当たらない。ほんのひとくち、口に含んでみる。

 むむむ・・・。

 ハッキリ云って、よく分からない・・・・・・(苦笑)。
 だって余りにサッパリしてて、普段飲んでいる3年物の瓶出しのヤツと大差無いんだもん(^^ゞ。

 それではと、最後のグラスは飲み干さずに残しておいて、いつも貰っているヤツと飲み比べてみた。それでも両者の個性に際立った大きな違いは見つけられない。やっぱり中国四千年だけあって、10年くらいじゃまだまだ・・・ってコトなのかいな。



 
 その時はこう思ったのだけど、実はこれ、僕が無知であって全くに勘違いしていたらしい。

 先ず第一に、紹興酒というのは内容物全部が同じ年数のお酒100%であるとは限らないらしい。大概は色々な年を経ているものをブレンドしていて、「~年物」と謳うには、全体の60%がその年数のものなら許されるそう。そしてブレンドする割合が多いと雑味が発生して、口当たりとしてどっしりとしたものになるらしい。逆を言えば、ピュアならよりスッキリしているものなんだとか。だから、「あんまりにもサッパリしている」のはブレンドの少ない、雑味のないお酒だったら、至極当たり前のコトらしいのだ。

 そして第二に、紹興酒は熟成させればさせるほどアルコール度数が下がって、スッキリした味わいになって来るらしい。てっきり水分が減って濃度が高くなり、液体もトロリと粘度が高まり味もコッテリとして来るものだとばかり勝手に思い込んでいた。

 こんな逆方向の思い込みが有っては、せっかくの10年物の正当な真価が僕に見出せるワケがないのである。飲む前に、きちんと調べて正しい知識仕込んでおくべきだったなぁ・・・。

 しかしまぁ、これに懲りずに次回はこの知識を踏まえた上で、その内に20年物や30年物を是非とも試してみたいモンでございます。やっぱり食べ物、飲み物は口に入れてみない事には真実は何にもわからないのだ(おおげさ?)。K先生、奥様ごちそうさまでした。でも、今回は猫に小判、豚に真珠な状態だったみたいですね。ちょっと勿体無かったかも・・・(苦笑)。

紹興酒に関する情報はこちらを参考にさせて頂きました。
興南貿易株式会社:http://www5.ocn.ne.jp/~konantrg/items/index.html


香風(シャンフォン)
東京都世田谷区奥沢6-33-14
シーランドビル B1
営業時間/11:30~14:00、17:00~23:00
月曜定休
ぐるなびURL:http://r.gnavi.co.jp/a058900/


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コメント 2

farafel

yk2さん、こんにちは。

紹興酒。
そんなことだったのですね。
知らなかった。
よく「甕入り」のとか、レストランでありますよね。
あれもミックスなのでしょうか?
余ったの、どんどん足してたりして(それはないでしょうね)。

中華に赤ワインが好きですが、「おいしい紹興酒、あります」といわれると、グラッときます。味は全然わからないんですが。なぜか。
by farafel (2006-02-21 17:39) 

yk2

farafelさん、こんばんは。

紹興酒。
こんなことだったみたいです(笑)。

ブレンド比率は当然その時の出来に依るのでしょうけれど、例えば10年物が60%+5年物40%くらいの混合で商品が「10年物」として認められるなんて、随分と大ざっぱと云うか、製造側にあまりに甘いですよねぇ。極端なハナシ、もしワインでバローロ60%にキャンティが40%でも商品はバローロと称していいだなんて、絶対に有り得っこないですもんね。でも日本にはアルコール添加酒があるからエラそうなコト云えないか・・・(苦笑)。

飲食店にある瓶(甕)出し紹興酒はどんな状態でストックされているのか、そう云えば見たことないです。今度お店で聞いてみます。継ぎ足してるのかなぁ(笑)。

それにしても、紹興酒は香醋に負けないくらい必須アミノ酸がたっぷりなんですって。体に良いならもっとたくさん飲も~っと(^^。
by yk2 (2006-02-21 23:44) 

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