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シエナ発、エンポリ経由でピサへ [2006伊仏旅行]

(3月11日土曜日-③)
・・・前回のお話はこちらから→(http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-03-28

 午前中にシエナを発ち、電車でピサに向かいます。


 シエナからエンポリ経由、ピサ中央駅間の鉄道料金は6.60ユーロです。

 きっと世界で一番電車に乗るのが難しい(笑)ボローニャと違ってシエナの駅は規模も小さいし、さして迷うようなこともありません。何より乗る電車はここが始発駅なので更に安心。これなら乗る電車を間違えて追加料金を取られることもありませんね(爆)。

 車両を見ますに、特にツーリストばかりが使うような路線では無いようで、車内の様子もユーロ・スターなどとは違って至って普通の電車です。それでも僕らの周囲はやはりピサへ向かう旅行者ばかりのよう。隣に座っているアメリカ人らしき若い女の子二人は、どうもこれからピサ経由でパリ行きのようでした。さかんにフランス語会話の練習をしているのですが、やっぱり彼女たちにも発音が難しいみたい。お互いにケラケラ笑いながらダメ出しし合ってるのが端で見てて面白かったな(^^。

 ピサへの経路は、今乗っている電車でエンポリまで行ってそこから乗り換えです。1時間半くらいの列車の旅は各駅停車での~んびり。車窓から見えるのはトスカーナの赤い土で覆われた緩やかな丘、低い山並み、そして葡萄畑。寒かったボローニャと比べるとこちらは暖かで、遠目にははっきりと判らないのですが、梅や桃の類らしき木が鮮やかなピンクの花をいっぱいにつけています。ああ、ここも春になりつつあるんだなぁ、なんて思いながらその田園風景を眺めていたら、さっきまでやるせない思いでいた僕の気持ちもだんだんほぐれてきました。お天気も好かったしね。

 ところで、イタリアの電車の車中には路線図なんて気の利いたものは全く有りません。

 実は僕らは後どれくらいで乗り換え駅のエンポリに着くのかよく分かっていませんでした。だいたい1時間くらいで着くから、って程度のアバウトな情報しか持っていないのです。それでちょっと(かなり?)心配なのはエンポリからピサに向かう列車との乗り換え時間。その間僅か約10分足らず。これってダイヤの正確な日本ならばなんてコト無いんでしょうが、イタリアでこの乗り換え時間は結構チャレンジャーです(笑)。

 乗ってる電車が遅れちゃったらどうしよう・・・。
 大丈夫だよ、乗り換える電車もきっと遅れてるから。

 そんなふうに云われたって、ねえ・・・(苦笑)。
まぁ、一事が万事、そんな感じなんですよ、イタリアの鉄道は(^^;。

 そんな意地悪を云っていたのが聞こえたのでしょうか?。僕の予想に反して、電車は予定通りに乗り換え電車の出発約10分前にエンポリに到着しました。あはは、嘘みたい(笑)。ちゃんと動いてるときもあるんですね~(爆)。

 エンポリ駅は思っていたより遙かにのんびりとした田舎の風情。
電車を待つ間のホームは日差しもとても暖かで、柔らかく吹く風に乗せて線路が摩擦熱で発するような鉄の匂いがします。今の東京や横浜ではすっかりと忘れてた、昔の懐かしい駅と電車の匂い。そう云えば日本でも電車の旅行なんて、ずっとしてないものなぁ。

 それにしてもですね、エンポリって云えばセリエAのサッカー・チーム持ってるハズなんですよね。
なのにここは随分とのどかなトコなんです。正直に言って、かなり立派(?)に田舎町。駅舎もお世辞にも大きくて立派とは言えないし(^^;。

 僕がその場でこの話をすると、友人はセリエAのエンポリって、きっとイタリアの違うところにエンポリって大きな都市があるんじゃないの?だって。はぁ~、なるほどね、って僕ももしかしてそうなのかも!と本気で思っちゃいました。が、戻ってから調べましたがセリエAのエンポリはちゃーんとトスカーナ州エンポリのチームです(笑)。(※公式サイト→http://www.empolicalcio.it/

 そうこうする内、乗り換え電車もほぼ定刻にやって来ました。
 再度笑っちゃいます。信じられないんだもん・・・(^^ゞ。

 こんなコトも有るんだね~なんて云いながら、何のハプニングもなく乗車します。
ま、実はエンポリからピサ中央駅間は1等車の切符を買っていながら※、ついにプリマクラッセが何両目にあるか最後まで謎のまま、ってのが有ったんですが、乗って30分で到着だし二等車もとても空いていたので、もうどうでもいいや~、です。料金も1.65ユーロだしね。ボローニャからのユーロスターで散々鍛えられてますから、もうこれくらいのコトではなーんにも驚きません(苦笑)。それにトランクを僕に任せて調べに行った友人の話だと、どうやら等級の表記が一両目にだけなかったようなのでそこがそうなのかも知れないけど、車内の雰囲気も今居る二等と少しも変わらないとの話でしたから・・・。
(※僕らが乗った電車はシエナ~エンポリ間は1等設定が有りませんでした。)

 乗ってかれこれ20分が経過。幾つかの駅を過ぎてそろそろ到着時刻も近くなってきました。はっきり云って、どこの駅を過ぎれば次がピサなのか分からないので、そろそろ降りる準備をしておかないと乗り過ごしてしまいそう。

 イタリアの電車って、路線図も無ければ車内放送も無い、ってこれまで何度も書きましたが、日本人にとって「困っちゃうもの」の極めつけなのが「駅名の入った看板」かなぁ。大概、ホームの真ん中辺りに一カ所か、せいぜい二カ所。それほど目立たずポツンと掲げてあるだけで、長い列車の後ろの方に座っていると、自分乗っている電車が今停車している駅名さえ分からないことなんてザラなんですから・・・。車内放送が毎駅必ずあって、尚かつホームでは数メートル置きに駅名が記してあるのが当たり前のところで生活している日本人には、これって絶対に考えられませんよね(苦笑)。

 僕らがトランクを手に席を立つと、やっぱり心配だったのか他のツーリスト達もそそくさと支度を始めました。そうだよね。現地の人じゃなきゃ、ここがどこかなんてまるっきり分からないものね。みんな密かに結構不安だったんだな(笑)。

 そんな下準備(?)もあって、めでたくピサで下車。無事に到着出来ました。僕の頭の中に有る街のイメージが古いのでそう思ったのかも知れませんが、ピサの駅は思ったよりもモダンで立派。今にして思えばそんな駅や列車のある光景をなんにも写真に残して来なかったなぁ~と、とても後悔しているのですが、その時は無理もなかったかなぁ。フィレンツェでは到着したばかりの気の緩んだところで、被害は無かったとはいえスリに遭いましたし、ピサは今回の旅行中、治安的には一番に気をつけなければならないところだからと、それまでに無いくらいの重警戒モードでいたのですから(苦笑)。バッグを開けてカメラを取り出そうなんて、思いもしなかったんですよね。駅前からそそくさとタクシーに乗車し、さっさとホテルへ向かってしまいました。

 さて、今日はどんなホテルかなぁ。


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yk2さん

おはようございます^^
最近のイタリアのお話が聞けて嬉しいです。
(私のは、ほら、ちょっと前の旅行の話ばかりだから ^^)
イタリアで乗ったことのあるのはユーロスターばかりなんですが、
いつも乗る時に、ホームで必ず迷います・・・。
せめて身軽ならね、楽なんですけど・・・
あいにくスーツケースを引きずりながらだと、余計不安さが増すというか^^;

イタリア時間って不思議ですよね。
昔、読んだ椎名誠の本の中に、
「ドイツ、スイスでは定刻通りに通過している電車が
なぜかイタリアに入ると、とたんに狂いだす」
って言ってたのがあって、その頃は幼かったので(?)
いまいち実感がなかったんですけどね。
悪名高きイタリアの鉄道(笑)
ラテン系の国だからの一言で許されるんでしょうかね。

でも、おかげで駅の印象は旅行した国で一番心に残ってますよ♪
きっとそれはyk2さんも・・・・^^

続き楽しみにしてますね。
by (2006-04-01 11:32) 

yk2

Lahiriさん、おはようございます。

やっぱりユーロスターで迷わされましたか(^^。
イタリアの駅で重いトランク引きずって、駆け足でホーム移動して、やっと着いたと思ったら、あー切符を承認器に通すの忘れた~、なんてドタバタするのも
思い返せば結構それはそれで楽しい思い出になるのかも知れ・・・なくないか(苦笑)。

ドイツやスイスは行ったことはありませんが、お国柄なんでしょうね、時間にも厳格そうな雰囲気してます。同じイタリアでもアルプスの方の国境近く、本当の北の方はまた人の気質も違うのかなぁ?。

>ラテン系の国だからの一言で許されるんでしょうかね。

ずっと現地に暮らす人はそうやって長い目で見て諦めるしかないのでしょうが、旅行者にはとっては僅か1時間でも貴重な時間。ですからちょっと遣りきれなくなる時もありますよね~。

>でも、おかげで駅の印象は旅行した国で一番心に残ってますよ♪

あはは。でもあんまり良い印象じゃないから覚えてるんでしょ?(笑)。

>きっとそれはyk2さんも・・・・^^

印象で行くと、僕はパリのメトロの改札の方が嫌いですね~。カルネ、過去2回くらい無駄にしてます・・・(^^;。今年も一番最初に改札通る時はちょっぴりドキドキしてたりして(苦笑)。
by yk2 (2006-04-02 11:27) 

farafel

yk2さん、こんにちは。

イタリアの鉄道に私もハラハラさせられたこと、あります。
予定より30分も遅れてしまい。
乗り継ぎしたい列車がその日最後の便だったこともあり、かなり焦り、車掌さんに相談すると「だーいじょうぶですよー」とにっこり。
何を根拠に?と焦りつづけましたが、結果は本当に大丈夫でした。

ピサに行ったときは、すーっと発車され、外に出ていた家族とはぐれました。次の駅までだったのでよかったのですが。

駅名の看板。まったく乗客に不親切ですね。でも慣れてくると、いたれりつくせりの日本が「やりすぎかも?」とも思えてくるのが不思議です。
by farafel (2006-04-02 17:57) 

yk2

farafelさん、こんばんは。

日本人が思い惑う、「何を根拠に?・・・」って感覚がイタリアの人はもう麻痺してる、と云うか鉄道の時間に関しては生来無いのかも知れませんね。それが当たり前なんだもん(^^;。でもそう考えると、さすがに飛行機は時間通りに運航されてるんだから、本当は何とかなるんじゃないの?とも思っちゃいますけどね(苦笑)。

>ピサに行ったときは、すーっと発車され、外に出ていた家族とはぐれました。
>次の駅までだったのでよかったのですが
イタリアの電車はまだ平気かなぁ、なんて思ってるとシュ~って静かにドアが閉まっちゃいますから本当に怖いですよね。今は携帯とかも有るから何とか連絡もすぐに取れるかも知れないけど、一昔前なら思い切り焦っちゃいそうですね、こう云うケース。長距離列車でどちらかが切符を持ってなかったりしたら最悪だ(笑)。

>いたれりつくせりの日本が「やりすぎかも?」とも思えてくるのが不思議です。

今は電車の全てのドアの上に次の駅がどこか、どちら側のドアが開くのかインフォメーションが出るくらいですからねぇ。確かに過剰サービスと云えばそうなのかなぁ。ま、日本の鉄道はユーザー・フレンドリー第一ということで。
by yk2 (2006-04-02 21:37) 

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