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今度はバローロとターンブルを飲み比べる [そとごはん、そとワイン]

(4月9日日曜日)

 飲み友達のMちんが手持ちのバローロの栓を抜きたいのでLe Chaponへ行こうよ!と連絡をくれた。
(#はいはい、どうせまたいつもの店ですよ・・・苦笑)

 そっか、バローロかぁ~。
そう考えただけで思わず顔がにやにやしてしまう。しばらく飲んでないもんね。
返事はこの日も当然“YES!”。

 先日のオーパスワンとブルネロを飲み比べたすぐあとに、友人の誕生日でまた別のブルネロを開けて、今度はバローロ。暮らし向きはちっとも向上しないクセに、飲むワインばかりがかなりのインフレ傾向に突入してしまった模様。困ったもんだ(苦笑)。

※参照過去記事・・・「初めてのオーパスワンとブルネロを飲み比べる」→(http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-03-22

 

 手ぶらでゴチになりに行くのもなんなので、何か飲み比べ出来るようなワインを僕も1本持って行こうと思い、これでもないあれでもないと散々悩んだ末に、カリフォルニアはナパ・ヴァレイのターンブル / カベルネ・ソーヴィニョン(2000)を持って行く事にした。世間的にはそう高いワインじゃないだろうけど、僕の手持ちのワインの中ではちょっと良いヤツ。いつどんなふうに飲もうかと、ずっと楽しみに考えていたワインだ。

 どちらもなかなか個性が強そうなイメージのワインが2本。

 本来なら予め早い時間に抜栓して空気に馴染ましておきたいところだけど、そこは持ち込みの悲しいトコロでそこまで都合良くは出来てない。店に着くなり2本とも早々に抜いて貰って、どちらを先に飲み、後にすべきか飲み比べる。

 先ずは始めに、Mちん持参のMichele Chiarlohttp://www.chiarlo.it/)のBAROLO / TORTONIANO(2001)から。

 久々に味わうバローロのグラスに鼻を近づけると、目の前がパッと明るくなるような華やいだ香りが立ちこめる。う~~ん、その甘い芳香にうっとり。うっすら茶褐色がかったその赤い液体を一口含むと、思っていたような重厚さではなく、やや酸味もあるものの、程良いタンニンの柔らかい余韻が口の奥に長く残る。その味わいは、前回バルバレスコを飲んだ時にも思った、紅茶にも似たイメージ。八角のような独特のスパイシーな風味もある。この時点でも充分楽しめそうだけど、時間と共にどんなふうに変わるのかとっても楽しみだ。

 対してターンブルhttp://www.turnbullwines.com:8080/members_01.html)。

 こちらは上級クラスの畑がオーパスワンの真隣と云うことで、好事家たちにはつとに有名なワイナリー。そのブラック・ラベルは日本国内では流通が少ない事もあって、とてもレアなワインなんだそう。飲んだ人の話に依ると、好み次第ではオーパスワンより断然美味しく感じるかも・・・なんて云われるまさにカリフォルニア・ファン垂涎の銘柄なのだ。

 ま、それは上級クラスのおハナシであって、僕の持ってきた物はそんなにご立派じゃない。けれど、今やこれだって買いたくても専門店は勿論のこと、Netでもなかなか見つからなくなってしまっているのだ。故に、コイツを開ける僕の期待も弥が上にも高まってしまう。それにオーパスワンの味わいの残像がまだアタマに残っている内に味わおうって云うのも、我ながら悪くないアイディアだと思う。

 ターンブルのカベルネは濃いルビー色をしている。アルコールも高めなのかグラスにねっとりと絡み付くように「ワインの脚」が残る。ただ、香りを確かめようと試みるが、バローロの芳しい香りで鼻腔が麻痺してしまったのか、今ひとつはっきり伝わって来ない。一口含んで、鼻をつまんでから口の中に空気を入れてさらに確かめるが・・・やっぱりよく分からなかった(苦笑)。

 しかし味の方はなかなかしっかりしたもの。ブラックベリーのような、それもジャム系の風味の熟成感。抜栓した直後だからだろうか、ちょっとピリっとした刺激がある。Mちんはかなりお気に召した模様で、これは絶対に時間を置きたいよね、と云う。こちらもそれには異論無し。意見の一致をみて、先ずはバローロから頂く事にあいなった。


 今年お初の白タンポポのサラダ。これと白アスパラを食べると「春」って気分になるよね。しゃきしゃきとほろ苦くって、食べるとなんだか食欲が増すような気さえする。さすがに重口の赤ワインには合わない気がするのでカラフェでキーンと冷えた白ワインを貰う。


 赤を楽しみたいので前菜もちょっぴりヘヴィーにフォアグラなんぞ。ソースの味が甘酸っぱく広がったところで濃厚なフォアグラが口の中で溶けて、その後味が消えない内にバローロを流し込む。うむう、めっちゃ幸せ~(^^。


 Mちんが急にパスタかリゾットが食べたいと言い出して急遽オーダー。この店の夜のメニューにはパスタもリゾットも無いのだけれど、ワガママ云いまくりだよ(^^ゞ。これは誰が食べたって、普通はパルミジャーノのリゾットだろうと思うはずなんだけど、使われているチーズはグラーナ・パダーノ。両者は素人には違いなんて全く分からないくらいに風味はそっくり。

 それにしても、これは好みが分かれる所だとは思うが、ここのリゾットはしっかりとしたアルデンテの歯応えが残されていて、芯のあるリゾットが好きな僕にはとても嬉しい。プロヴァンス料理だからベースが近い所為もあるのだろうけど、フレンチでこんなリゾットが食べられてしまうのも僕がこの店、Le Chaponが大好きな理由のひとつだ。


 で、今日のメインは奮発してフランスを代表する高級食材の去勢鶏、ブレス産シャポン。ソースにはトリュフが結構散らしてあってなかなかに豪華。しっとりと柔らかい肉質は鶏にありがちなパサつき感が全くなく、あっと云う間にペロリ。食べ終わってから失敗した~!、もっとじっくり味わえば良かった~!!・・・などと激しく後悔したりして(^^;。

 ここからはターンブルもグラスに注いで貰い、ワイン二通りを飲み比べ。バローロは当初より酸味の角が取れ、グッとスムースになった。もっと力強い男性的なバローロを予想していたけれど、どちらかと云うと飲み口は女性的で柔らかった。ただ、タンニンはほどほど主張はしていると云ったところ。

 方やターンブルはと云うと、1時間ちょっとでは足りないのか、あまり当初から変化が見られなかった。さすがにピリピリと来ていた刺激感こそ収まったが、それ以外の印象は抜栓直後と変わらない。しかし、元より熟成感はたっぷりだし酸味は控えめ。甘みも決してくどくはない。タンニンも決して強烈ではないので、とてもバランスが良いワインと云っていいのではないだろうか。オーパスワンと比べるのも何だが、値段が3分の1だったら、・・・ねえ(笑)。


 最後はターンブルを味わいつつ、デザートを。チーズという選択肢もあったけど、リゾットがチーズ味だったからね。この日お初のレモンのアイスクリームがとっても美味しかった(^^。

 いやいや、この日のワインは2本ともかなりポイント高し。そうポンポン開けられる値段じゃないけど、余所のレストランでオーダーしたらそれこそ大変。きっとこの2本で3万くらいは行っちゃう(?)かも。気軽にワインを持ち込んで料理を楽しませてくれるお店があればこそ、だよね。


RESTAURANT LE CHAPON / レストラン ル・シャポン
東京都世田谷区奥沢6-21-11
http://www.le-chapon.com/


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plot

とても素敵なお店ですね。2本のワイン、どちらも上品なラベルが印象的です。
ところで青カバ君、ウィーンにいたとすると見過ごしたか見たのを忘れているかのどちらかですね。
思い入れの差ってことでしょうか(^^;。次の機会にはしっかり確かめてきます!
by plot (2006-04-26 00:12) 

TaekoLovesParis

yk2さん、こんばんは。
ワインはよく飲んでいるのだけれど、なかなか覚えられなくて、、。
ここに出てきた名前、全部知りませんでした。
でもオーパスワンというのは同僚が「ハワイで120$だった、安いよ~」
と言ってたので、え?120$で安い?とびっくりして、名前覚えてました。
その地続き、隣の畑のターンブルですね。オボエトコウ

オードブルにホワイトアスパラ、メインにプレス産のシャポンって、、、この
季節にオーダーしたいくみあわせ。今日はアスパラじゃなくて白タンポポですか。写真つきでおいしそう。このお店、ワイン持ち込み1000円っていうのが、
いいですね。
by TaekoLovesParis (2006-04-26 01:47) 

こんにちは^^

あ~、このお店懐かしい・・・(一度行ったきりなのに  笑)
美味しそうなメニューが目白押しですね。
ふ~ん、こんなのもあったのね・・・。
ホワイトアスパラだけは、嫌って程食べたんですけど・・・えへへ。

ワインのエンゲル係数が高くなるの、すっごく分かります。
最近は控えてるけど、仕事を辞める前あたりから
金銭感覚が狂いだしました(笑)
でも味のよしあしが・・・というか、好きっていう味はあるんですが、
上手く伝えられないんですよね、誰か上手く説明してほしい・・・。
カリフォルニアワインは、未踏のワインです。
やまざきよりも、最近ひいきにしているワイン屋さんの方に、
ボルドーのワインが美味しかったって伝えたら、
「それならしばらくボルドーを追求するのも1つの手ですね」って
言われて、それ以来自分で選ぶ時はボルドーだったりします。
でも追求するって、ボルドーはあまりにも膨大で・・・>_<
by (2006-04-26 17:21) 

yk2

plotさん、こんばんは。
BAROLOって書いてあるだけでもう、上品なカンジと決め込んでしまうワタクシです(^^;。

ここは気楽な店なのですよ~。いつか機会が有ったら美味しいワイン持ち込んでご一緒したいですね!。

ウィーンの青カバはちょっと雰囲気また違うんですよね。レプリカはどこのものより高いです。真剣に欲しいんですが・・・多分行って直にこの目で見ても買えないだろうなぁ。
by yk2 (2006-04-26 22:28) 

yk2

taekoさん、こんばんは。

僕もよそのレストランで飲んだ時はよっぽど印象に残ったワインかじゃないと、写真でも撮ってない限りはコロッと忘れちゃいますよ。でも自分で買ったワインは手元に滞留する時間がそこそこありますからね。

>このお店、ワイン持ち込み1000円っていうのが、いいですね。

そうなんですよ~。だからよそに行けなくなっちゃってるんです。
だってレストランのワインの値段って、小売単価の三倍くらいは普通に付いてますから。1万円出したって所詮は小売り3000円程度。そんなの、うやうやしくソムリエさんにサーブして貰うようなワインでもないでしょう・・・みたいな気分になっちゃってるんですよねぇ・・・。

ま、ワインでお店を儲けさせてあげられない分、代わりに回数多く通ってるというワケです(^^。
by yk2 (2006-04-26 22:48) 

yk2

Lahiriさん、こんばんは。
これ、Lahiriさんが行った次の日の話ですよ。

ホワイトアスパラ、嫌ってほど食べたの!?。
って、Lahiriさんが云うからには本当に相当数を食べたんだろうと想像中(笑)。

でもね、本当にLahiriさんがわざわざ行かれるんだと分かっていたら、もっとお節介焼いてあげたかったんだなぁ。せっかくだから色々楽しんで貰いたかったし。

ワインはいろんな楽しみ方があって好いと思うから、Lahiriさんがボルドーが好きでそればっかり楽しんでるのも、それはそれでいいと思うけど、これからどうせフランスに住むんだから、あっち行ったらそれこそフランス・ワインばかりだよ~。日本に居る内にいろんな味と出会っておいて、その記憶を持ってフランスのワインを現地で楽しむのも悪くないと思います。

僕はね、前はフランスのワインって、高い割には美味しいのに当たらないし、ピノなんて本当に薄く感じて好きじゃなかったけど、ここ1年くらいでだいぶ好みが変わりました。変わった、って云うより広くなったよ。楽しめる幅が広がる、って云うのは、何にしても嬉しいものです。
by yk2 (2006-04-26 23:05) 

アイコンとスキンが変わりましたね!
フランスで他国のワインを選べる範囲はとても限られます。
都会の大きなワインショップならアリでしょうが日本ほどではありません。
パリなら別ですけど・・・。
イタリアワインも長い間ご無沙汰です。
by (2006-04-27 00:53) 

yk2

bizouxさん、nice&コメントありがとうございます。
ちょっと気分転換でブログスキンもアイコンも変えてみたのですが、自分の目が一番馴れません・・・(苦笑)。

確かにイタリアでもパリでも、僕が訪れた普通のお店ではその国以外の輸入ワインはなかなか見あたらなかったですね。

アルザスの人達もきっとそうでしょうが、自分のところに“おらが村のワイン”があるのに、わざわざよそのワインなんて飲まないよ、ってのが普通の感覚なんでしょうか?。他の食品と違って、ワインって生産地のプライドがよりいっそう高いような気がします。
by yk2 (2006-04-27 22:41) 

ポコmom

ごちそうさまと思わず口をついてでました!
青カバの写真転載させてもらいました。ありがとうございます。
それから思いもかけないリンクありがとうございます。ビックリです。
フランスパンをこよなく愛しているので、ワインとチーズは必修です。(パン屋としてもね)、でチーズはアドバイザーの勉強をして詳しいのですが、ワインはお金がかかりすぎて中途半端に勉強して今にいたります。懐かしい名前がポンポンでてきますね。
食べたり飲んだりもいいのだけどちゃんと、運動してますか? 合気道家としてはちと気になります。(笑)
http://plaza.rakuten.co.jp/cotton12/diary/200604270000/
by ポコmom (2006-04-27 23:03) 

cuvee-juliez

最近のバローロやバルバレスコはパワフルなクラシックな造りとよりエレガントで華やかな造りに分かれるようですね。
飲み頃が結構早いタイプに需要があるようで、世界的に流れは同じようですねー。
いやはや、お料理もワインも美味しそうで、ご馳走様でした♪
by cuvee-juliez (2006-04-27 23:44) 

yk2

ポコmomさん、こんばんは。
チーズ・アドバイザーの勉強もなさってるんですね。
この日リゾットで食べたグラーナ・パダーノって、以前もここで食後に食べたのですがてっきりパルミジャーノだと思ってたチーズです。なんでも生産地も重なるのでとってもややこしいらしいですね。勉強するとこんなのの違いも分かるようになるんでしょうか?。

ワインは僕だって普段は1000円くらいのばかりですよ。家で飲むのは基本的に2000円くらいまで。ビールがぶがぶたくさん飲む人よはり経済的だと、自分では思ってますけどね(^^。

運動、全然してないなぁ・・・(滝汗)。
by yk2 (2006-04-28 01:10) 

yk2

clos-du-meixさん、コメント&nice!ありがとうございます。

僕が飲める範囲の物で行くと、どうしても長熟向きのハイクラスなものを飲んだ事がないせいでしょうが、バローロを飲んでもバルバレスコを飲んでも、どうもネッビオーロってこうだよね、って云うのが掴めません。確かにタンニンは濃い方なのかも知れませんが、毎々表情が全然違うので正直云って戸惑います。今回のも予想に反してどちらかと言えば柔らかなイメージでしたし。

>飲み頃が結構早いタイプに需要があるようで、世界的に流れは
>同じようですね

イタリアでワイン販売に携わる知人が嘆いてました。今は一番大事な顧客がアメリカだから、彼らに分かりやすい、飲みやすいものじゃなければ商売にならない。ワインが市場にリリースされた時点で、即、パーカー氏に点数を付けられて勝負が着いちゃうんです、って。「将来は良くなるかも知れないが、今は80点台」なんて書かれちゃうと途端に・・・らしいですもんねぇ。
by yk2 (2006-04-28 01:50) 

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