SSブログ

お彼岸ランチ [そとごはん、そとワイン]

3月22日(土曜日)

2008初桜.JPG

 「東京、横浜は明日、桜が開花するでしょう」

 前日の天気予報で云っていたとおり、我が家に面する道並木の桜も、まだほんの僅かではあるけれど、花がほころんだ。良く晴れて暖かなこの土曜日は春のお彼岸。まるで当然のことのように、またもや母より津田山へお墓参りの運転手を仰せつかってしまった。なんでいつもわしやねん[exclamation]・・・と内心グチりつつ、朝早目に出掛けないとお彼岸渋滞で246が大変なことになってしまうので、9時を前にさっさと出発。それにしても、こんなにも好い日和なのに、両親とドライブ[車(セダン)]とは・・・(トホホ)。




 道は決して空いていたわけじゃないけど、何とか1時間ちょっとで到着。ここの広い墓園にはかなりの数の桜の木があって、季節にはお花見の人でそれこそ上野公園のように大賑わいになる場所なので、お彼岸+桜の開花でどうなるかと思っていたけど、花の開き具合はまだ我が家の前と同じくらい。見頃は来週の日曜なのかな。さすがに墓参抜きでの花目当ての人はまだ殆どいなかった。

 2カ所ある母方のお墓を回り、時間は11時半をちょっと過ぎたくらい。のんびりしていると今度は墓園から出ようとする車が南武線の踏切で詰まって大渋滞になってしまうので、早々に帰途についた。我々と反対に、これから墓参をしようと云う人たちの車は予想通り、可哀相なくらいに大渋滞。こう云うことは早い時間に済ませるに限りますねぇ。


 それでも、帰りの246下り線はすでに渋滞気味でトロトロ運転。まぁこれはいつものことだから仕方ないんだよね。

 僕は混雑を避ける為にさっさと脇道へ入って自宅方面へ向かいたかったのだが、昼時だからどこかで食事をしようと云う話になって、父があざみ野に行きたい店があると言い出した。え~、それじゃ渋滞してるこの道をそのまま走らなきゃいけないってコトじゃんか~!と運転の僕は不満たらたら。でも、残念ながら云って折れる様なタイプでない父とクルマの中でやりあってもいつもどおりのケンカになるだけなので、我慢ガマン。仕方が無い、したいようにしてあげましょう。


 で、着いた場所がここ

azamino_ukai.JPGDSCF1292.JPG

 なんのことはない。時々使う店(つきみ野の方ね)の系列店なのだが、あざみ野の店には行ったことがなく、来月に社用で使いたいので一度下見をしておきたかったとのこと。おかしいと思ったよ。普段行かない母方のお墓参りについて来たりして、最初っから帰りにここに寄りたかっただけなのだ。

 僕は以前にも書いたけど、どうにも父と外食をするのが得意でない。この日も当然気が乗らなかったのだけど、それでもこの門を入った先に建つ、フランスの田舎屋風の瀟洒な佇まいの建物を目の前にした途端、ちょっと心変わり。元々嫌いじゃないからね~、食べるのは(^^ゞ。



 ここは客の面前の鉄板でお肉を焼くスタイルのお店。
 案内されたのは部屋の中央にぐるりと丸く配された大きなカウンターのみの部屋だった。席数は30ほど有るだろうか。壁にはタイルがモザイク画風に貼られていて、ちょっと南仏と云うか地中海風(?)な感じ。陽光と庭の緑が目に映える明るい開放的な雰囲気がする。

 それでは先ずはグラスでシャンパンでも貰って、それを楽しみつつメニューを決めましょう。どうせ払いは自分じゃないし~[るんるん]・・・と行きたいトコだけど、ワタクシは運転なので、もちろんアルコールはNG[バッド(下向き矢印)]。つまんなくも仕方なく、ペリエを貰って我慢することに。

 ランチ・メニューは三種類のコースの中からのチョイス。簡単に書いてしまうと、メインが1品(この日は魚でイトヨリダイ)のコース(5250円)、メインが2品で魚と牛ヒレのコース(6830円)、牛サーロインがメインでガーリック・ライス付きの特選コース(8400円)。

 これが思いの外選択肢が狭くて困ってしまった。メニューは2人以上の複数人が同じものを選ばなくてはいけないシステムで、今回の様に3人で出掛けた場合、2人が同じでもう1人は別のコースを、と云ったチョイスが出来ないのだ。

 母はお昼にステーキは少々重いから、と魚がメインのコースにしたかったのだが、父は肉が食べたいので、この時点で既にどちらかが妥協しなくてはいけない。それに、どちらが好きかと云えばパンよりごはん党なので、父が選びたいコースは自ずと決まってくる。ところが僕はと云うと、このところ脂の乗ったサーロインがどうも得意でなくなってしまった(昔は大好きだったのに・・・^^;)ので、特選コースは選びたくない。つまり、3人バラバラってワケ。

 結局、サーロインが要らないと云う僕と母に父が意見を合わせるようにして、全員がヒレのコースを選ぶ事にした。そして、母は店側からの提案として、肉をイトヨリに変更して貰うことに。


 以下、小さめのカメラは持っていたけど、雰囲気的に写真を撮る気にならなかったのでコースの内容は文章のみで。

 ・スミイカのマリネ、菜の花添え
  ・・・やや厚めに切られたスミイカの刺身2枚と油菜をオリーブ・オイルとグリーンのソース(これも菜の花か?)で食べさせる

 ・サクラマスのポワレ、春キャベツ添え

 ・マッシュルームの冷たいクリーム・スープ
  ・・・ミキサーでピューレ状にしたマッシュルームをクリームでのばした冷たいスープ。本来はキャビア用の2重の容器で氷が盛られた上にスープが載せられてくるので目にも涼やか。これは美味しかった。

 ・牛ヒレ肉のソテー、アスパラとクレソン添え
  ・・・さすがに肉はす~っとナイフが通る柔らかさ・・・だったけど、フォンがベースのソースが少々水っぽく感じてしまった。まぁ、さっぱりした、と云えばそう云えない事もないけれど、せっかく鉄板で香ばしく焼いているのに、ソースがジャブジャブしてしまっていては・・・。僕は少し濃度のあるソースの方が好みなので、ねぇ。


 また、肉の代わりに母の頼んだイトヨリの三つ葉蒸しはマッシュルーム添えだそうで、マッシュルームのスープとは素材が重なってしまう。ご希望でしたらビシソワーズに変更致しましょうか?と、事前にその旨の配慮も貰えたけれど、そんなふうに気を遣ってくれるなら、それ以前にサクラマスのポワレと、さしてイメージの違わない皿である蒸し焼きにしたイトヨリを二重に取らなくてはいけない選択肢の方に気を掛けて欲しかったかなぁ。元からたくさん食べられそうもないから、と肉を避けた母は案の定これを半分以上残してしまった。当然それは、僕が「味見」と称して残さす食べたけど^^;、例えば、料金を追加するにしてもまだエビやアワビなど、せめて目先が変わるメニューへの変更を提案をして欲しかった。


 ま、なんにせよ、一滴のワインも飲まずに、こんなにもワインが欲しくなるような食事(それも両親と)をしているので、元より気持ちで楽しめてないせいだろう、この日の僕はちょっと辛口だったかもね・・・(苦笑)。


シャンパンゼリー.JPG

 デザートは2階のデザート・ラウンジに移動して楽しむシステム。
 先ずは2種のベリーの入ったシャンパン・ゼリー。さっぱりオトナ味で美味しい。だけど、さすがにシャンパーニュじゃないでしょ~、アスティみたいな味がするもん(笑)。

あまおうのミルフィーユ.JPG

 ワインが飲めないんですから、せめて甘い物くらいはちゃんと食べまっす!と云うことで、これはあまおうのミルフィーユ。これに加えて、一口サイズのプティ・フールまで付くのでおなかはもうぱんぱん。苦しくって、暫くは運転なんてしたくないかも・・・(苦笑)。


 それはそうと、陽光の明るい1階からやって来ると、こちらは随分と暗めな感じのする部屋になっている。デザート・ラウンジと云うよりラウンジ・バー(もしくは赤坂や六本木当たりのジャズ・クラブ的な雰囲気が濃い)みたいだなぁ~なんて思っていたら、夜は実際にこの場所でピアノの生演奏があったりするそうだ。壁にはオレンジ色のガラスを通した光がぼんやりと温かなガレ工房風のランプ。食後にここで音楽を聴きながら、食後酒も楽しめるらしい。それならやっぱり一度、夜に来てみなきゃね~。



 さて、それではそろそろ帰ろうかと席を立ち、フロントにチェックに向かう。

 すると、よくよく見てみれば、すぐの階段の途中に、マティスやデュフィが描いたニースの絵がお好きだったら、これもきっと悪くは思わないだろうと思える絵が飾ってあった。そうして、その階段を降りきると、そこには仕切ガラスがあって、磨りガラスが模様になっている。これを見て僕は目黒にある東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)のホール入り口にさりげなく用いられているラリックを思い出してしまった。

 更に進むと、今度はまごう事なきラリックのガラス器が3点、ディスプレイ・ケースに収められて誇らしげに展示してあるではないか。入って来た時は庭ばかり見ていて、何故かちっとも気付かなかったんだな・・・(苦笑)。

 そんな具合に調度品、芸術品に次々感心していたら、それもそのはず、ここは箱根ガラスの森美術館も経営してるんだって。「本物」が飾ってあるのも当然ではないか。初めて知った~と驚いていたら、ウチの母に「知らなかったの?」などと、さも知ってて当たり前の様に云われてしまった。

 なんだよ、知らなかったのは僕だけかい・・・(苦笑)。


nice!(10)  コメント(13)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 10

コメント 13

shamon

こんばんは。
写真のお店は数年前までご近所でした^^;。
でも忙しくて一度も行けなかった~。
うらやましいです。

さくらもちらほら咲き始めましたね。
私もデジコンパクトを持って出かけようと思います。




by shamon (2008-03-23 18:32) 

TaekoLovesParis

yk2さんは文章がお上手なので、お店のようすがよくわかりました。
鉄板焼のUの銀座店は、ミシュランの星をとりましたね。
「箱根ガラスの森美術館」も同じ経営って、知りませんでした。
ジョエル・ロブションだって、ピザーラのフォーシーズの経営ですものね。
皆で同じものを注文しなければいけないなんて、いろんな好みの人がいるのに不親切、顧客不満足ですね。
ステーキだっていうのにワインも飲めず、運転手役でお疲れさまでした。
桜は、私の行動範囲では、まだどこも咲いていません。



by TaekoLovesParis (2008-03-24 01:39) 

Inatimy

スゴイですね。
家族の誰もが怖くって、私には運転手を頼みませんよ♪

私の母も少食なので、いつも私が母の分を半分以上食べることに。
でも、私と母の食の好みって違うので、ちょっとツライ・・・。
なので、好みの似た父と食事に出かけるのが好き♪

ふふふ、入手したSensual のCD、毎日楽しんでます♪

by Inatimy (2008-03-24 08:38) 

バニラ

ここはお店の雰囲気もそうだけど、分量もとっても上品ですよね。
お腹ぺこぺこだったら、わたし足らないかも~って思うんだけど、そうでもなかったみたいですね。 う~ん、やっぱりyk2さんもお上品?
by バニラ (2008-03-24 16:17) 

yk2

◆shamonさん :

あれま、shamonさん田園都市線沿線に住んでらしたんですか?。
なんだ~、それだったらその頃にお知り合いになってshamonさんちのワイン会でたくさん良いワインによばれたかったのに~~~(^^;。

ウチの前の桜はもう7分咲きくらいですよ。週末は満開かなぁ。

◆てんとうむしさん :

あざみ野は昔同級生が住んでいたのでよく遊びに行きましたが、何もなかった駅前がすっかりおしゃれな雰囲気に変わっていたのでびっくりしました。
by yk2 (2008-03-25 23:27) 

yk2

◆taekoねーさん :

ポルトガルから戻られてお忙しいようですね。

>鉄板焼のUの銀座店は、ミシュランの星をとりましたね。

へ~、へ~、へ~、です。これまた初めて知った。>無頓着なワタクシ^^;

ランチメニューの柔軟性の無さはちょっとびっくりしました。
だって、例えば僕とねーさんとJえもんあたりで食べに来てたら、大変でしょう、これ、決められないもん。・・・って、やっぱり店にいるときも思いましたよ(笑)。

ま、お嫌いなものはございませんか?、ってちゃんと訊いてくれてましたけどね。

◆inatimyさん :

so-net、まだちょっとおかしいですね。今inatimyさんのとこにコメント書いたのに、upしたら何にも・・・ないっ!。蹴られてしまったようです(泣)。
また後でチャレンジしてみますね。

inatimyさんの運転はそんなに怖いのですか?(笑)。

Sensual のCD、いいなぁ。本気でうらやましい。
前のアルバムも試聴してみましたが、新しい方のが全然良いですね。さすがにオランダから取り寄せるのは大変だし、HMVで入荷してくれないかなぁ~。

◆バニラさん :

おや、ばにゃらさん、行ったコトあるんですね~。デートでですか?(にやにや)

確かに量は多くないんですが、パンもブリオッシュとバゲット食べてましたしねぇ。でも前菜は立派なお皿にイカがたった二きれ・・・。これにはなんだかな~、とは思いましたけどね。

でも、普段からお昼はそんなにたくさんは食べませんよー。夜も、ワインがなかったらそんなにたくさんは要らないかも。


by yk2 (2008-03-25 23:51) 

バニラ

まぁ、yk2さん 大人をからかうものではありませんことよ。
デートだったら きっと胸がいっぱいで これでも充分でしょう!
でもワインがメインで食事が決まっていくってところがさすがyk2さんですね。
by バニラ (2008-03-26 19:54) 

yk2

バニラさん、きっとそんなに変わらないと思いますよ~(笑)。

量に関しては、僕はお昼からから魚も肉もだなんてコースの取り方はほとんどしないので、先入観として1皿多い、って気持ちがあったかもしれませんね。でも、普通は女性もそうじゃありません???。

>でもワインがメインで食事が決まっていく

だって、飲めないんだったらフレンチやイタリアンなんて出来たら行きたくないですよ~(^^;。
by yk2 (2008-03-27 21:52) 

pistacci

桜があちこち見事ですね~♪
yk2さんの気持ちはよそに、ほほえましいな~と、読ませていただきました。
親子だからこそ、の食事風景。
そんな時代もあったっけ、なんて、思い出しました。

by pistacci (2008-03-28 16:34) 

pace

つきみ野のお店は歩いていけるんですけどね(笑)
by pace (2008-03-29 01:14) 

yk2

◆pistacciさん :

pistaさんはお花見されましたか?。
ウチの前の桜には、朝早くはいろんな鳥がやって来てすごく賑やかなんですよ~。あれって蜜を啄んでるのかなぁ?。

家族での食事は、少しも微笑ましいことなど無いのですよ。
落ち着かないったらありゃしない(苦笑)。

◆paceさん :

そうですか、お近くなんですね。
by yk2 (2008-03-30 23:37) 

pistacci

お弁当や飲み物持ってのお花見って、機会がないですね~。
たぶん、じっさいには、風がやだー、とか、さむいーとか、思っちゃうので^^;;;
それとね。想い出に変わると、ほほえましぃ~って思えるの。
かといって想い出に変わったほうがいいかっていうと、そんなこと、ないしね。
みんな、そんな道をとおるのかもね。

どころで”モディ”の映画、近所になくって、ちょっと探してるの。
見たら、記事にしますね。
by pistacci (2008-04-05 01:18) 

yk2

◆pistacciさん :

桜ももう終わりですね~。
満開も良いのですが、はらはらと雪のように散る様を眺めるのもなかなか風流なもので、今日は自宅で、柄にもなく「もののあはれ」なんて言葉を思い浮かべながら名残の花見としゃれ込みました。・・・って、窓から外を眺めて明るいウチからロゼ・ワイン飲んでたたけですが・・・(^^ゞ。

モディの『真実の愛』見つかりませんか。
Tsutayaさんならどこのお店でも大概は置いてあるんだろうとタカをくくってましたが・・・^^;。

思い出に変わると・・・、そうなんでしょうね。
ウチはまだ現在進行形なので、お互いに思い遣りよりもまだ、我が儘が勝るようです(苦笑)。

by yk2 (2008-04-06 22:08) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0