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Le Chapon、開店5周年記念メニューの夕べ [そとごはん、そとワイン]

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 4月末、いつもの決まったメンバーたちで友人Yの誕生祝いをする。

 同級生ばかり5人で、年4回、それぞれの誕生月の1、4、7(この月は2人分)、10月に会って食事をするのだが、場所は何故か必ず自由が丘のプロヴァンス料理店、Le Chaponでと決まっている。フレンチと云っても、気取らず気さくなムードの店なので肩肘張る必要もなく、みんな居心地が良いらしい。

 当初、僕は単に店を紹介しただけだったのに、いつの間にやらメンバーに組み込まれて、ワインの調達だ何だと、何故だか世話人の様な役回りをさせられるようになってしまった。ここでの誕生日の会も今年の4月で丸2年間。さすがに、いつも同じ店ばかりで飽きないの?と前回会った時に訊いてみたんだけど、メンバーたる4人の同級生達は口を揃えて「私たちは誰かさんと違って、多くても年に4回しか来られないしんだから全然心配ないよ。間隔も春夏秋冬に上手くばらけてるし、今度は何を食べようか、いつもとっても楽しみにしてるから。」と笑いながら云う。

 それなら良いんだけどさ。
 でも、ずっと同じお店で同じメンバーだもん、たまにはいつもと違った、何か目先の変わる趣向が欲しいかも・・・。





 この誕生日会の日程が決まる少し前の或る日、僕は別の友人とやっぱりLe Chaponで食事をしていた。いつもながらに僕らのテーブルに遊びに来ておしゃべりをしていたオーナー・シェフのO氏が、突然思い出したように「あ、そうだ!、yk2さんにまだお渡ししてなかったですね。はい、これ」と、1通の封筒を持参し僕に手渡した。何の案内状?と尋ねながらその場ですぐに開封すると、そこには「開店5周年記念謝恩祝賀月間」とあり、記念メニューが記されていた。それは、僕の食欲中枢を刺激するに充分な材料名がずらりと並ぶ結構な内容で、しかも謝恩メニューなのでとっても嬉しい価格設定が成されているではないか。

 「これは絶対食べたいね~」
 「4月いっぱい予約を受けますので、是非!」

 そこでふと、Yの誕生日会のことを思い出した。
 そうだ。たまにはこう云うのをみんなで一緒に頼むのも悪くないかも!、と。

 数日後、みんなにメニューを載せたメールを送ると全員一致で即OK。ついでに、普段この会が有る日は愛娘ちゃんの子守が義務付けられているBの旦那、Hちゃんが行きたい行きたい!とダダをこね参戦表明のオマケ付き。Hちゃんには今年の新年会でお世話になっていて人柄も分かってるし、何てったってマンネリ解消が今回の秘めたる目標なワケですから(笑)、新しいメンバーは大歓迎(^^v。

 最初から最後まで、みんなで同じ料理を味わう。
 いつもは思い思いにそれぞれが自分が食べたいメニューを頼んでいるけど、たまにはこう云うのも悪くないよね。食べ物の好き嫌いが激しい某葡萄組の会合では有り得ないから・・・(笑)。




 さて、そして当日。
 残念ながら1人が風邪でダウンしてしまったので、結局5人になってしまったけど、みんな特別メニューなので食べる気満々。

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[バー]食前酒

 謝恩メニューは、先ずアペリティフから。
 クレマンや他のスパークリング・ワインではなく、ちゃ~んとシャンパーニュを注いだグラスにブルーキュラソを足したカクテルでスタート。普段ならシャンパーニュは何も足さずにそのまま味わいたいものだけど、偶にこうしたのを飲むのも悪くないデスな。見た目からして綺麗だから、気分が華やぐ気がする。みんなにおめでとう~[ぴかぴか(新しい)]と乾杯して貰ったこの日の主役も、思わず表情ニッコニコ[わーい(嬉しい顔)]

[レストラン]アミューズ・グールにはフォワグラのムースをカナペで一口。
 Le Chaponのフォアグラのムースは、軽やかでほんわり甘く、パンがあれば幾らでも食べられちゃうものだけど、この日はホントに一口分だけ。>好きなので、ちと物足りない(^^;。


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[レストラン]たらば蟹とラングスティーヌのサラダ

 たらば蟹をさっぱり目のマヨネーズ風味のドレッシング・ソースで和えたものを、やはりこちらもカナペにて。そしてラングスティーヌ、スカンピ、アカザエビ[るんるん][ハートたち(複数ハート)]。たらばのソースでラングスティーヌをって、カニでエビを食べるみたいで面白かったかも。甲殻類好きには堪らないサラダ。

※アカザエビはラングスティーヌの和名、スカンピはイタリア名で同じ種のものです


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[バー]◆エイドシック モノポール BLUETOP BRUT NV

 本日のシャンパーニュは、ここのところ割合店頭で多く見掛ける様になって来た黄色とブルーのパッケージ、ブランケン・エイドシック社のBLUETOP。日本では今一つピンと来ないけど、実はポメリーなども傘下に治める世界第2位の巨大シャンパン・メーカーなんだって。セパージュはピノ・ノワール70%、ピノ・ムニエ10%、シャルドネ20%と黒葡萄中心。コクがありつつクリーミーな泡で、同じグループ内で較べるなら、スタンダード・クラスのポメリーよりこちらの方が好きかも。・・・とか云いつつ、同時に飲んだら違うこと云うかも知れないけれど(^^;。


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[レストラン]エスカルゴのバイヨンヌの生ハム包み入りバスク豚のピエのクロケット

 これは一体どんな料理なのだろうと出て来るまで興味津々だったけど(だって豚足のコロッケにエスカルゴ入りだよ・・・笑)、実際出て来たお皿はこのとおり、見た目ごくシンプルなクロケット。右は切って中身を見てみました、の図。バイヨンヌに塩気があるので、さっぱりとしたグリーンのソース(パセリ?)が良く合う。ただ、さらりと食べてしまったので、バスク豚の“pied”は正直云うと今一つよく分からなかったかも・・・(汗)。この日はお店も満席だったので忙しく、Oシェフに話を聞こうにも聞けず仕舞いだったしねぇ・・・。


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[バー]◆Domaine Chevrot / Bourgogne Rose Sakura 2007

 お花見の季節はとうに過ぎちゃっていたけど、この日の2本目には少々理由があってドメーヌ・シュヴロのロゼ、Sakuraを選んでみた。バイヨンヌ入りのクロケットにロゼを合わせたかったのもあるんだけど、実はこの日初参加のHちゃんとB夫妻の可愛い愛娘ちゃんの名前がSakuraちゃんなのだ。このピノ・ノワール100%のロゼも、フレッシュなサクランボのように爽やかでほんのりした甘さが心地良く愛らしいワイン。決して高価じゃなく、お手頃なプライスのワインだけど、二人ともとても喜んで飲んでくれたので僕も満足。Bは「このボトルは捨てられないわ!」と云って、家まで瓶を持って帰った(笑)。


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[レストラン]ブルターニュ産のオマール海老のビスク

 さて、今回一番どうしようかと悩んだのがオマール海老のビスクに合わせるワイン。いかにも濃厚そうなオマールのビスクに負けないのは、どんな味わいのワインだろう?。手持ちに1本、早々に飲みたい大好きなサントーバン、ユベール・ラミーがあるんだけど、今回はどうもピンと来ない。シャブリ?、あんまり酸味が強いのもなぁ・・・。アルザスになら有るだろうか?と相談したい知人の顔が頭に浮かぶけど、どうせフランス北部の人間は魚介類とワインの相性なんて深く考えてません、食べないもん!とか云われそうなので、自重。そもそもエビ・アレルギーの人にするハナシじゃないよな~[爆弾](笑)。メンバー的にはドンナ・フガータでもOKなんだけど、今回は“気分”としてイタリア・ワインには行きたくないし・・・。


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[バー]◆CHAPOUTIER Deschants Saint Joseph Blanc / Mシャプティエ デシャン サン・ジョセフ・ブラン2002

 で、散々悩んで結局選んだのはマルサンヌ100%、シャプティエのデシャン。

 以前、ガスパチョと一緒にこのワイン(ヴィンテージは失念)を飲んだ時、生ニンニクの強く残る後味に負けないアルコール感と、ちょっと独特なミネラル感のある、酸味が抑えられた蜂蜜っぽい風味に感心したことがあったのだけど、どうやら色々調べてみるとコート・デュ・ローヌのマルサンヌは殻付きのカニ、エビのエキスと合わせても相性が良いらしいのだ。このワインをリピートしたかったのも有るけど、実際はマルサンヌのワインって、知ってる限り飲んだことがあるのは、実はこのワインたった1種だけだったりして・・・(^^ゞ。

 実際にオマールのビスクに合わせてみての感想も上々[手(チョキ)]。決してクセが無いとはいえないオマールの頭部から出たエキスとも喧嘩しない。実売3000円くらいの白ワインなんだけど、僕は人間が安上がりに出来ているのか(苦笑)、この2002年はとても美味しく感じた。普段ローヌの白をあまり飲まないせいだろうか、僕の中では丁度1年前に飲んで強い印象が残っているVilla SparinaのGavi、"Monte Rotondo"と同じくらい個性的な味わいのワインに思えた。是非、また何度でも飲んでみたい白ワインの1つかも。


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[レストラン]ホタテ貝のエスカロップ、グリーンオリーヴとバジルの香り


[バー]ここに口直しのグラニテを挟んでメインへ。


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[レストラン]◆松阪牛サーロイン ローストのエギュイエット

 サーロインが得意でない僕もこのお肉は納得。舌の上でサシの脂がスッと溶けるので口当たりが軽い!。


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[バー]◆CAPUTO Zicorra Aglianico Terre del Volturno / カプート・ジコッラ アリアニコ ・テッレ・デル・ヴォルトゥルノ(カンパーニャ)

 メインに合わせる赤ワインのセレクトは、仕事でもイタリア・ワインを扱っておられるHちゃんにお願いした。但し、予算は予め主婦チーム向けに抑えめに決められているので、大体実売価格5000円くらいまでの物で、との条件付き。
 黒っぽいガーネット。色程の濃縮感はなく、やや甘みはあるも諄くはなく口当たりは柔らかい。粘性は緩くて、アルコール感、タンニンともにそれほど強くはない。個人的にはやや酸味に欠ける気もするけれど(最近の僕はサンジョヴェーゼばかり飲んでいるせいだろう)、ローストしたお肉にはとても良く合うと思うワイン。モチロン、美味しかったですよ。


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 デザートはメレンゲをスポンジ状に固めてカスタード・ソースに泳がせたものにキャラメル・ソース。
 おなか具合に余裕が有りさえすれば、デザートはこの他にも普段どおりに好きなだけ盛り合わせが貰えたけれど、みんなここまででおなかいっぱい。さすがにもう食べられません[ふらふら]

 今回のメニューはこれで税込み8000円。内容考えたら、とってもお値打ち。みんなもかなり満足してくれたみたい。

 おんなじ料理を食べて、みんなで美味しかったね、って思うのも、たまには悪くなかったでしょ?。


Restaurant Le Chapon(ル・シャポン)




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TaekoLovesParis

yk2さん、おはよう。
なんで、この記事に気づいたかというと、私の記事数とyk2さんの記事数が同じ172だったんですよ。で、私は、173になって、ちょっとうれしかったのに、ここを見たら、173になってた、っていうわけ。

シェリーさんのところで見て、「Sakuraっていうシャンパンがあるのね~。来年のさくらの季節には!」とメモったSakuraが、ここにも登場。
しかもお嬢ちゃまのお名前にちなんでのセレクトとは、気が利いてますね~。
ブルーキュラソでのグリーンぽい色のシャンパンカクテル、初めて見ました。おしゃれですね。
昨晩、TVで見た、サミットの特別晩餐会のメニューに負けないくらい
豪華なメニューでしたね。あちらもウニペーストのカナッペではじまって、
毛蟹のビスクスープ、子羊のグリルにこういう色のソースでした。




by TaekoLovesParis (2008-07-08 07:38) 

yk2

taekoさん、すごーい。
よく見つけましたね、夜中にUPしたその翌朝にだなんて、誰も見ないだろうと思ってました(^^;。

そうか~、現在173対173なんですねぇ~(爆笑)。
下書きはまだまだたくさんあるんですけどねぇ・・・、なかなか書き切らないんだなぁ(苦笑)。これも例によって書き始めてから時間が随分経っちゃってるのでこんな形でここっそりUP。ま、僕のblogではよくあるパターンですね・・・(^^;。読んで頂いて感謝です。

Sakuraはね、シェリーさんが氷バケツで冷やしてたからそう思っちゃうのも全く無理も無いんですが(笑)、泡物じゃないんですよ。普通のロゼワイン。ピノ100%なのでしっかりとした飲み応えがありますよ。機会があったらお試し下さいませ。これからの季節はよく冷えたロゼが美味しいですからね~。

O亭の特別メニュー、次回はぜひぜひご一緒しましょう。問題が有るとすれば、J太くんですが・・・(笑)。
by yk2 (2008-07-09 07:10) 

Inatimy

ふらふら~っと来てみたら、みつけちゃいました♪
“甲殻類好きには堪らないサラダ”が魅力的。 
これひとつで、おとなしくなりそう。
3本で30ユーロの予算で、ドイツ側の国境町まで仕入れに行く私は、もっと安上がりに出来てるかも~♪

あ、そうそう、坂角のえびせん・・・うちの猫のトラチ、「八楽」や「さくさく日記」は、そばで食べてても見向きもしなかったのに、一番海老が濃厚そうな「ゆかり」の袋(しかも外袋)をキッチンで開けた瞬間、居間で寝てたはずのトラチがやってきて、にゃーにゃー、鳴き始めました・・・。 個別包装の内袋を開けて食べる時には、じっと真横で待機。 視線に負けたKamoさんが、粉にして、あげてました・・・。 
ふふ、皆で、楽しめましたよ♪
by Inatimy (2008-07-21 05:59) 

yk2

Inatimyさん、いらっしゃいまし。

これひとつでおとなしくなりそうですかぁ~?。
海老の風味自体はやっぱりオマールのビスクの方が濃厚ですよ~(笑)。

3本30ユーロと云っても、オランダはガソリンが日本より更に高いから、それも含めたら結構高くなっちゃいますね。それにInatimyさんちは大抵ハーフでそのくらいでしょ?。安上がりなのはおんなじくらいかな(^^。

坂角のえびせん
結局、トラチちゃんにあげたのはInatimyさんでなく、やっぱりkamoさんだったのですね(ある意味予想どーり^^)。でもトラチちゃんも含めて皆さんで楽しんで頂けたようでなによりでした。

それでも、エビ大好きな飼い主さんとネコちゃんには、詰め合わせよりも“ゆかり”オンリーの方が良かったかな?(笑)。
by yk2 (2008-07-22 21:25) 

julliez

sakura の発案者のかおりさんは本当にだんなを支えて・・というよりお尻を叩いてウマく手綱を引いている頭のよい素敵な女性です。
彼女がいなければ日本人がマランジェを知る事は無かったでしょう。
ブルゴーニュのドメーヌに嫁いだ女性達は皆凄い頑張り屋さんばかりのような気がします。
男性も沢山頑張っているのですがイマイチ地味な存在です。

アルザスには魚介類にピッタリなワインを造っている日本でも有名な生産者がいますよ。^^
そりゃあもう、日本人好みの滋味なワインです。

ちなみに、シャプティエはシャンパン進出するそうですよ。
どんなシャンパンになるのか若干怖いです。
by julliez (2008-07-24 01:41) 

yk2

julliezouちゃま、お忙しい中ご訪問感謝です。

かおりさんのお話は去年のNHK-BSのブルゴーニュ特集で見て知りました。素敵なご夫婦ですよね。Sakuraは如何にもお花見シーズンの日本市場に特化って匂いがプンプンだなぁ、って最初はちょっと冷めてみてたんだけど、ワインがちゃんとに美味しいので売れてるのもなるほど納得。

>そりゃあもう、日本人好みの滋味なワインです

それ、今度教えておいてね。

>ちなみに、シャプティエはシャンパン進出するそうですよ。

へ~、そうなんだ。
つい最近やっと『モンドヴィーノ』を観たばかりなので、なんだかイメージ重ねちゃうなぁ(^^;。

by yk2 (2008-07-26 00:16) 

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