葉山にて -美術館と海岸通り散歩- [いつかの出来事]
前回のエントリー、秋野不矩展を観た後、ちょっと葉山を歩いてみました。本当なら同じ記事でひとまとめにするべきだと考えていたのですが、こちらはさして内容も無いオハナシ。不矩さんの絵と一緒にしてしまうと、折角の展覧会の感動が薄れてしまうような気がして、別にしました(^^;。ま、他愛のない日記のようなもの、です。
一時期ゴルフに凝っていた頃、ドライバーが使えるショート・コースが在ると云う理由で葉山にはちょくちょく遊びに来ていたのですが、ここ最近ゴルフはとんとご無沙汰。葉山からもすっかり足が遠のいてしまっていたのですが、7月にマティスとボナール展を観にこの神奈川県立近代美術館・葉山を訪れて以来、改めて葉山って好いところだなぁ~と感じ入って居ます。東京や横浜からそう遠くないのに、海もあれば山もある。こんなところの近所に別荘が持てたらなぁ~(夢のまた夢ですが・・・)。
こんなふうに、一方は緑の濃い山に接し
その反対側は美術館の敷地から、すぐに海が望めます。つくづく素晴らしいロケーションの美術館だなぁ。
(※ここまでの写真3枚は7月に撮影したものです。)
敷地内にはオブジェもちらほら。
こちらは柳原義達作『裸婦 座る-Sitting Nude』(1958)。入館料の要らないフリーのエリアに展示してあります。
展覧会を観た後で、ここのレストランでランチを食べたいなぁと思っていたのですが、オーシャン・ビューなのですごーく人気が有る様なんです。前回も今回も順番待ちで10~15人くらいの人が行列していますので、とてもじゃありませんが僕には並べません。即撤退。
それならば、海岸へでも行ってみようかな。
美術館の庭からは直接海へは近付けないので、外へ出て砂浜への小道を下りてみました。
砂浜歩くの、2年前に鎌倉行って以来かなぁ。
この日持っていたデジカメは今年5月末に買ったニコンP5100。
欲しくて欲しくて買ったクセに、普段は室内撮りに強いフジのA800と云う安いカメラばかりが重宝していて、結局あんまり撮影していないので、イマイチ特徴が未だ掴めてません。オートでのシーンモードを“海”の設定にして撮ってみたのですが、う~ん・・・、少々不自然に青くないかい?。
それと、この機種に限ったことではないでしょうが、明るい外光下ではデジカメの液晶は往々にして見えなくなってしまい役に立たなくなってしまいます。やっぱりファインダー有った方が好いですよね。
Sモードで波の動きを色々試し撮りしてみようと、波打ち際に近寄ってみます。
この時もファインダーを覗いたまま、寄せる波を見ていたのですが、この波、近いのにちょっとばかり高くないデスカ?(汗)。
うぎゃぎゃっ
※超大袈裟なイメージ画像です。
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(絶句中・・・><)。
海を甘く見ていました。
少しはちゃんと波の来る位置を観察していたワケなのですが、まさか、それまでよりもワンランク大きい波がいきなりザブンと寄せて来るなど、思いも寄らずに・・・。
こんなふうにくるぶしの上まであるサイドゴアブーツを履いていたと云うのに、完全冠水です(苦笑)。
お見苦しい写真でスミマセン。
膝下はすっかりずぶ濡れで靴の中には大量の海水と砂が・・・。仕方無くひっくり返されているボートの上で裸足になって靴下を絞りました。まさかこんなことになるなんて・・・。何より、塩水に浸かってしまった靴が大のお気に入りのアルフレッド・サージェント・・・。はにゃり~ん。
さすがに、ちょっとblue入りました。
ま、仕方が無いです。
時間は有ったので、しばらくはこのボートの上に腰掛けて、文庫本でも読んで何でもないフリをしつつ(苦笑)、靴下が少しでも乾いてくれるのを待ちましょう。
9月の平日の海は人も少なく静かなものです。幸いにしてこの時、周りにはほとんど人がいませんでした(^^;。そのせいか、恥ずかしくもなさけない失敗をやらかした直後ではありますが、どうしてだか、気持ちは次第にのほほん。こんな状況にある自分が、自分でも可笑しくって(^^。
海を眺めているウチに歌が一句浮かびました。
「湘南の 葉山の磯の白砂に われ膝濡らし 波とたわむる」(ほぼ盗作・・・爆)
いやいや、「膝そぼ濡らし 波にのまれる」の方が正解か・・・。
さて、裾は乾いてくれたし、海岸通りをもう少し歩いてから帰ろうかな。
濡れた靴はイヤだけど、どうにもなりませんから。初めから判っていましたが、さすがに小一時間くらいじゃ靴の中まではほとんど乾きませんよね。
高級別荘地で知られる葉山にだって、漁港はモチロンごく普通にあります。
ここで泊められている漁船を眺めていたら、数年前プーシキン美術館展で観た大好きなナビ派の画家、ヴァロットンのヨットの絵を思い出しました。
◆フェリックス・ヴァロットン 『海港』(1901) プーシキン美術館蔵
左の方に写っているのはここの漁港の漁師さんたち。
この時季は何が獲れるのかな。
ちなみにワタクシめは、葉山で獲れそうなサカナでしたらカワハギのお刺身が大好物。薄造りをポン酢とあさつき、もみじおろしで頂くのが大好きでございます。そう云えば、お昼を食べてないんですからさすがにおなかが空きました。
それにしても、さっきの不矩展での感動はどこへやら。おかしな1日になっちゃったなぁ(^^;。
ぅわぁ!膝下までとは、やっちゃいましたねー。
濡れた靴のアップが、ブーツと言うところが、おしゃれなyk2さんですが。
濡れた靴かわかしつつ、海岸で文庫本読む・・そんな休日もはたからみると、絵になりますよー。ご本人は、それどころじゃないでしょうが。
素敵に決めつつも、ちょっとどじ、っというところもAB型にありがちかと・・。
by pistacci (2008-10-06 10:50)
ほぉ、yk2さんはAB型なんですか。さもありなんって感じですね♪
葉山~逗子 も結構穴場?だったりしますね。
この美術館のレストラン、この間入ったときは 土曜の終わり間際だったせいもあるのか(ラストオーダーが16時) お店の人が
仲間内で固まってあれこれ客の話をしてたりするのが
まる聞こえだったり、サービスが最悪だったのです。
味は普通かな。 ただ眺めはすばらしいので それだけを
楽しむ気持ちならよろしいかと。
by バニラ (2008-10-06 19:25)
笑っちゃ悪いけど、やっぱり、これは笑わずにはいられない。
この波が、北斎の絵の波のように、ざぶ~んとやってきたのね、と
しげしげ写真を眺めました(笑)
水難にあっても騒がず、悠然と歌を詠み、バロットンの絵に思いを
馳せるとは、雅なyk2さん。
夏過ぎて 秋来にけらし 砂浜に 長靴干すてふ 男がひとり
(ちょうかほすちょう、おのこがひとり)
by TaekoLovesParis (2008-10-06 20:10)
葉山のショートコース、懐かしいです。
以前は毎年、職場のコンペがありました。
思ったより波が高くて。。。
あります、あります^^
ボートの上で裸足で読書、ステキな時間ですね。
“のほほん”としに、海へ行きたくなりました♪
*秋野不矩さんの、ローカル情報ありがとうございます。
近いうちに、有隣堂へ行ってみまーす^^
by hatsu (2008-10-07 05:58)
一瞬、大波にのまれて、流されて行っちゃったのかと思いました。
そして、美しい人魚の三姉妹に助けられ、
お礼に、yk2さんは、文庫本を読み聞かせ。
感動した三姉妹は、帰り際、大・中・小の3つのつづらを差出し、
ひとつ選ぶように、言います。
yk2さんは、どれを選んだんだろう・・・などと、そこまでストーリーだ出来上がっちゃいました。
ちなみに・・・、
小さなつづらには、新しい靴下、
中くらいのつづらには、新しいアルフレッド・サージェントの靴、
大きなつづらには、川で釣り人が使うような、胴長靴♪
by Inatimy (2008-10-07 06:37)
みなさま、ご訪問&コメントありがとうございます。
◆pistaさん :
波がザバーと来た瞬間、まさに声に出ない「ぅわぁ!」でしたよ~(苦笑)。ずっとファインダで見てたから、現実の距離感がまるで掴めなくって、気が付いたらもう膝下びっしょり・・・みたいな(汗)。
>決めつつも、ちょっとどじ、っというところもAB型にありがちかと・・。
別にカッコなんてつけてなかったのですが、確かにドジと云われても仕方無いです・・・(苦笑)。でも、これって血のせいなの~?(笑)。
◆ばにゃらさま :
ナンなんですか、また「さもありなん」って~(ーー。
そーですよそーですよ、どーせヒネクレ者や変わり者が多いと云われるAB型ですよ~・・・って、血液型を訊かれてそう答えると、大抵「あ~、そんな気がする」とかよく云われます。こちらとしては「なんだと~ぉ!」って感じですけど(笑)。
レストランはサービス最低、味普通じゃ、好いのは眺望だけじゃないですか・・・(苦笑)。どうせ混んでて入れないからいいですケドね。
by yk2 (2008-10-07 23:35)
◆taekoねーさん :
ええ、本当に情けなかったです・・・。
周りに人が居なかったのが救いです。きっとそばに誰か居たら、久々に耳にかぁ~っと血が集まるような恥ずかしさを味わったことでしょう。それでもこのねーさんの歌、あまりにさびしいやっちゃなぁ~って感じじゃないですか~?(苦笑)。長靴って、やめて下さい(笑)。
◆hatsuさま :
あ、やっぱりhatsuさんも葉山パブリック使ってましたか(^^。朝、先ず行って予約を取って、あんまりスタートまでに時間が有る様だと海岸のデニーズに行って朝ご飯、ってのがお定まりのパターン。そういや僕は遙か昔のラウンド・デビューも葉山国際だったですねぇ。今でも忘れない最初の1打は、いきなりの谷越えで、当然の様にOBでした・・・(^^;
◆Inatimyさん :
>大波にのまれて、流されて行っちゃったのかと思いました
そんなの来たら、津波ですってば(大笑い)。
>美しい人魚の三姉妹に助けられ
胴長靴なんてどこで使いますの!(またまた大笑い)。
なんでそんな展開になっちゃうのかな~、Inatimyさんったら(^^。
そう云えばね、北斎が富嶽三十六景で描いたこの神奈川沖にも浦島伝説があってね、浦島町って地名が今も残ってるんですよ。
ま、僕が選ぶのは中くらいのつづらに決まってるでしょう。
ただし三姉妹の見た目に影響されて気持ちが揺らぐ可能性は大ですけどネ・・・。その場合はつづらなんて貰わずに、ずっと帰って来なかったりして(^^ゞ。
by yk2 (2008-10-08 00:22)
すみだトリフォニーホールは招待されたのですが都合がつかず行かれませんでした。そんなに良かったですか~残念です!
by pace (2008-10-13 13:16)
美しい人魚三姉妹って、taekoさん、てんとうむしさん、Inatimyさんで物語を想像すると更にリアリティがあって愉快ですね。
yk2さんの表情やら人魚達の反応が想像するだけで面白すぎます。
この場合、贈り物の中身もそれぞれの個性で変わってきそうですが。
話がどんどん膨らんでいくのは面白いですが、お叱りを受けるかな。^^
by cru-de-meixx (2008-10-13 21:44)
ご訪問&コメント頂きありがとうございます。
◆paceさん :
今回の来日、BNはLee中心でいつものfusion系、すみだトリフォニーはDaveをメインにオーケストラ入れての“TWO WORLDS”と、きっちりコンセプト分けしてたんですかね?。僕はクラッシックに疎いので、たまにはお勉強と思って今回は後者をチョイスしてみました。良かったかどうか客観的な評価は別として、僕はDaveが主役のステージを観たことがなかったので、単純にその点で嬉しかったです。お金が余ってれば、モチロンBNも観たかったんですが・・・(涙)。
◆くろどめししょー :
ふふふ、その美しき人魚3姉妹とやらにJ太姫が入ってなくってよろしいのでしょうか?(^^)。その場合はこれでも飲んでさっさと帰りなさいなと、素っ気なくつづらを渡されるのでしょうね(笑)。で、開けてみたら中身はcdm印のJ.P.トルシュテだったりして・・・(^^;。
by yk2 (2008-10-14 01:07)
あらまぁ、お話がどんどん発展してますね。
cru-de-meixx さま、人魚三姉妹のメンバーに入れていただいて光栄ですが、yk2さんがおっしゃる通り、ここは、やっぱり、julliez さんが適役かと。 私は、つづらの中身を抱えて帰る途中のyk2 さんを陰からこっそり狙って、贈り物を横取りするオオカミ役がいいなぁ♪ Taekoさん、てんとうむしさん、julliez さんだったら、つづらの中身、素敵なものに決まってるもの。 むふふ♪
by Inatimy (2008-10-17 05:41)
夢のある展開が面白くて悪ふざけしました。
うちの相方は人魚になる事はできません。
なぜなら海の幸が敵だからです。^^
だから北東担当なのです。
この世から魚介類(というより甲殻類)なんてなくなればいいと思っているらしいので人魚なんて言ったらどうなる事やら。
と云うわけで配役には海の安全を最優先しました。
by cru-de-meixx (2008-10-19 15:02)
海の安全か・・・それを思うと、私、海老&カニ大好きだから、人魚役になったら、それこそ食べつくしちゃうかも・・・環境破壊?
いっそのこと、人魚2人姉妹にして、cru-du-meixx さまが、人魚のお兄さま役に・・・これもまた、つづらの中身が楽しみ♪
by Inatimy (2008-10-20 01:10)
◆Inatimyさん :
ふふ、僕もオオカミ・キャラに近いですから、そう簡単にはつづらは渡さないですよ~(笑)。葡萄組のメンバーのつづらはやっぱりワインかな。僕が好きな味とInatimyさんが好きなのが上手く折り合うといいんですけどね(^^。
今日は、上野で琳派展を観て来たのですが、鴨の絵が数点あって、それを見るたびInatimyさん&kamoさんのことをを思い浮かべてましたよ。で、晩ごはんは鴨でなくウズラを食べました(^^;。
◆くろどめししょー :
せんせ、今晩は初めて“くろどめ”以外のラミー、Les Frionnesの1999を飲みました。当初は酸がきついなぁ~と思っていたのですが、これを白レバーのパテに合わせたら印象一変。なんとまぁ美味しいことか!。くろどめのオトナのkiss味には敵いませんが、やはりラミーの基礎的ポテンシャルの高さは恐るべし、ですね。幸せな時間でございました。
>なぜなら海の幸が敵だからです。^^
敵じゃ無くって、人魚は海の幸とは仲間だから食べられないんでしょう(^^。
まぁ、関西弁で笑いを取りたがる人魚ってゆーのも、基本的にやっぱりヘン?(笑)。
by yk2 (2008-10-20 01:24)
ほー。99はまだ酸がキツイと感じたのですか。
色んな憶測が出来ますが割愛。
それなりに造り手も意図しているらしいので。
99は10年位待っても良かったかも。
特にフリオンヌとアン・ラミリーは看板商品だからオトナのキスの醍醐味はコレにあり、なのです。
ちなみにクロデュメスは超マイナーなアペラシオンでこれらの看板やましてやピュリニィに隣接するダンデシアンにはとうてい霞んで適いますまい。
伊達と酔狂なお遊びで楽しむレベルのアペラシオンワインです。
ラミーもいいけど、サントーバンの名手に君臨するジル・ブトンはかなりの逸品です。
とてもクラシックな造りなのでyk2さんのお好みじゃ無いと思います。
(きっとアニエス・パケのオーセイ・デュレスの白あたりがお好みに近いだろうな)
蛇足ながら、clos du meixなるアペラシオンは他にもイッパイありますので私の引用元はボーヌじゃなくてニュイの方。
白じゃなくて赤の銘醸地。^^
by cru-de-meixx (2008-10-20 02:06)
cdmせんせ、こんばんは。
この時、酸がきついと感じたのはおそらく僕の方のコンディションにも多分に原因が有ったと思います。と云うのも、この日はお昼抜きで13時過ぎから19時まで歩きっぱなし。実際かなりの空腹で、疲れ気味だったこともあって、かなり糖分を欲していたのです。そこにいきなり流し込んだので、ちょっと酸っぱいなぁ~、もっと甘さが欲しいなぁ~と脳が訴えてたんだと思うのですね。で、白レバーのパテがフォアグラのムースのような甘みを持っていたので、そちらを食べた途端に味覚が落ち着いたようで、一気にラミーが美味しく思えたようです。これは同席していた方も全く同じ反応でした。
>クロデュメスは超マイナーなアペラシオンでこれらの看板やましてや
>ピュリニィに隣接するダンデシアンにはとうてい霞んで適いますまい。
似たよーなことをJ太くんも以前云っていましたが、それでも一番最初に飲ませて頂いたclos du meix2002は衝撃的に美味しかったですよ。きっと、せんせから差し入れて頂いたと云う嬉しさや高揚感も手伝っていたとは思われますが、あの口の中の粘膜をくすぐられる様な快感は忘れられないですもん。その先の高みへは追々のんびりとで良いのですよ(^^;。
それでも新しいお題が出たので次回試してみますね。アニエス・パケはたまたま飲んでみたいなと思ってた分です。ジル・ブトンと一緒に飲んでみると、せんせの仰る事が一層理解しやすいかもしれませんね。で、〆は赤の“くろどめ”と(^^v。
by yk2 (2008-10-21 22:56)