夏時間の庭園美術館 [思ったこと感じたこと]
君は何を見ている?
空をじっと見つめる瞳のその先に
君は何を思っている?
いつの間にか、複雑に絡み合ってしまった何かを
無理矢理にほどこうとしてみても
そのパズルは簡単には解けそうもない
やがて疲れて
そこから背を向けてみたくなる
膝を抱えて過ごす
寂しい、夏の夕暮れ
悲しみを背にしてもたれたまま、真っ暗な夜もこうしてひとりで迎えるつもり?
心を閉ざしていないで、ほんの少しでいいから
その場所から振り返って、辺りを見渡してごらん
君が向けた背中に
そっと寄り添ってくれている誰かがいるかもしれないよ
足下に咲いていた、夏の花
名前も知らない小さな花だけど
丸くて愛らしく、とてもきれいな色をしているね
でも、自分から見ようと思わなければ
目に映ることもないままに通り過ぎて、ずっと出逢わなかったかもしれない
カナカナカナカナ
カナカナカナカナ
聴こえる?
ヒグラシが鳴いているね
ただただ、そっと過ぎてゆく
静かな、夏の夕暮れ