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新しいものの方が良いとは、必ずしも限らない [PC、カメラなどデジ物のはなし]

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 7月の半ば過ぎのある日、家で使っているスキャナが突然おかしくなった。電源を入れると、ガタンガタンガタンと不快な大きな音をたてて、エラー・ランプが赤く点灯する様になってしまい、全く使えなくなってしまったのだ。




 物は、エプソンのGT-9300UFと云う2002年製のA4フラット・ベッド・モデルだ。
 この機種は、一般的なコピー機同様にガラス台に原稿を置き、下から蛍光管で光を当て、スキャン・ユニットが読み取りの為に原稿の奥から手前に上下移動する構造なのだが、そのスキャン・ユニットの移動になにやら障害が起きている様子なのだ。

 使用頻度はせいぜい月に読み取り20回くらいで、blogに載せるCDジャケットや絵画図録をスキャンする程度だった。壊れる程に使い込んでいるとはとても思えないが、もう8年も前の製品だから、そろそろ壊れてしまっても仕方無いのかなぁ。

 昨今はプリンターと一体になった複合機が随分安く販売されているので、修理に出す気はまるで起こらなかった。ちょっとネットで調べてみたら、省スペースも考えて、今度は買うならあれが好いなと目星を着けていた機種(EPSON EP-802A)は、今や18,000円程度で買えるみたいだ。僕の目の前にある既存スキャナのガラス台下の中身は恐ろしく簡単な構造に見えるのだが、それでも持ち込みで最低1万円近くは見積もられてしまうんだろう。修理か、新品購入か、較べる可くも無い。ネット・ショップから新しいスキャナ&プリンタの複合機の箱が家まで届けられたのは、注文ボタンをクリックした翌々日のことだった。


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 ところが、このEP-802Aが(僕にとっては)どうもいけなかった。プリンタとしては兎も角、スキャナ部分、特に原稿を押さえるカバー部分が安っぽ過ぎる。まるでプラスチック製の下敷きの様で、厚めの本などを読ませるには軽すぎて、そのままでは読ませたい原稿がちっとも安定してくれないのだ。店頭でしっかり製品を確認しなかった僕がいけないのだが、これにはがっかり。僕は、自分で初めて買ったPCがNEC98互換機のエプソン486マシンだったこともあって、セイコー・エプソンって会社にはずっと好意的だった。過去に購入しているスキャナやプリンタもエプソンが多い。だから、在る程度の製品レベルは黙っていたってクリアしていて当然だと信頼してたんだけどなぁ・・・[もうやだ~(悲しい顔)]


 エプソンはこの機種を、LANの使用によってどこにでも設置しやすいスマートなモデルとして売り出した。実際、TV-CMなどではリビングのラックなど、本来PC機器を置くには相応しくない場所に敢えて単体で据えて見せて、過去の機種とは全く違った使用環境に置けることを強調していた。

 ところが、実際にいざ使う段になると、スキャナがPCと離れた場所に置かれるのは、お世辞にも使い勝手が良いとは云えない。そもそも前述の様に、厚い本を載せて読み込ませる時など、スキャナがPCから離れた場所に在っては困るのだ。例えば左手で本を押さえて固定しつつ、ディスプレイ画面を見ながら右手はマウスを操作しなくてはならないケースだってある。僕の使い勝手のみで語らせて貰えば、スキャナはPCに正対する自分の体の左側に在ってくれないと、どうにも作業がしづらいのだ。その様な使用環境にする為には、結局以前のフラット・ベッド・スキャナと同じく、机の上に複合機を持って来なければいけなかった。そんな問題に突き当たって、初めて僕は、自分の使用用途・環境には、複合機でなく単体モデルのスキャナでなければいけなかったのだと気付いたってワケ。

 結局の所、ノートPCしか使わないユーザーなら兎も角、デスクトップ派の僕には「どこにでも置けるスマートな“複合機種”」は、実はそれ程自由な設置場所は初めから選べないモデルだったのかもしれない。故障による買い換えで、すぐにも替わりが欲しいと、使い勝手をそれほど熟慮せずにそそくさと購入してしまったのがいけなかったなぁ。省スペースが「売り」の複合機802Aも、机の上に常駐させたのでは、今まで以上に無駄にスペースを食う結果となって、どうにもこのままでは使う気になんてなれそうもないや・・・[ふらふら]

 こうなると、考えの足りなかった自分が悔しいし、前の機種の使い勝手がいとおしい(苦笑)。そう思い、調子の悪いGT-9300UFの原稿台ガラスを外してみることにした。プラスのドライバーでネジを数本取るだけ。あまりに単純な構造。どうせ修理には出さないと考えていたのだから、ダメ元で、自己責任でスキャン・ユニットを移動させる部分に潤滑オイルを吹いてみる。


 するとどうだろう、たったそれだけのコトで、いとも簡単に不具合が直ってしまったではないか・・・(苦笑)。


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 あれから3ヶ月程が経ったけれど、2回ばかり、またガラスを外して潤滑油を注しただけで、今もGT-9300UFは正常に動いてくれている。

 対するEP-802Aはと云えば、デスクトップのPCから離れた隣の部屋に在って、結局ほとんど使っていない。そうして、季節はこれから年末の年賀状シーズンへと向かう。メーカーにとっては、プリンタの新機種発表の時期でもある。僕の新しいプリンタ&スキャナの複合機も、洩れることなく、型落ちモデルになってしまうんだろう。


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