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ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール2010 [そとごはん、そとワイン]

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 突然ですが、皆さん、今年のヌーヴォーはお飲みになりましたか?。

 ヒネクレ者の僕は、元来ブームやお祭り騒ぎにはあんまり関わりたくないタイプ(^^;・・・なハズだったんですが、2006年に初めて美味しい!と思えるボージョレ・ヌーヴォーに出会って以来(参照過去記事→ http://ilsale-diary.blog.so-net.ne.jp/2006-12-wine10
)は、ほぼ毎年、行きつけのレストランである自由が丘のLe Chaponにてお店セレクトの“今年の1本”を愉しむのが恒例となっています。それ以前は、ヌーヴォーなんてわざわざ飲むもんじゃないよね~なんて、まるで見下した様に思っていて、全く取り合わなかったのにねぇ(^^ゞ。




 今年飲んだヌーヴォーは、ボージョレ・ヴィラージュのドメーヌ・デ・デュック(Domaine des Duc Cuvee Vieille Vigne)。サンタムールと云う村で、樹齢50年以上の古木から、有機栽培で育てられ収穫した葡萄のみで作られるワイン。

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 実は2007年に飲んだヌーヴォーも、ここのワインでした。その時自分が書いた感想(参照→ http://ilsale-diary.blog.so-net.ne.jp/2007-11-28)を読み返してみると、「ドロッとした」なんて表現を使っているほど濃くて、まるで唇に口紅を感じる様な(まぁ、男性として直裁に云ってしまえば“大人の女性”と濃密なkiss[キスマーク]をしているかの様な^^;)官能的な味わいの、おおよそヌーヴォーらしからぬワインだったのです。

 で、今回の2010年のお味はどうだったかと云えば、2007年とはまた随分と違ったキャラクター。口に含むと、先ず程よい爽やかな酸味と甘さが広がり、しばらく口の中に含んだままでいると、今度は上あごの奥歯の横あたりにじんわりと、熟した果実の様なテイストが現れます。そう、ダークチェリーを思わせる味わい、ってトコかな。07年のオイリーなまでに個性的なスタイルから一変して、甘み、酸味、濃度のバランスが上手く取れている、全方位ソツの無い味わい。甘味と云うポイントにおいて、このワインがガメイ由来であることを知識として思い出させる以外は、味わいの感覚ではほとんどブルゴーニュのスタイルを思わせるものでした。


 さて、料理の方はこの時期ならでは、のヌーヴォー用メニューから。自分の過去記事を読み直してみると、ほとんどいつも一緒のメニューなんですが・・・(^^;。

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 突き出しに供されたズッキーニのピクルス。


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 皮付きのまま茹でたジャガイモに、熱してとろ~りと溶かしたモンドールをかけて。


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 セップ茸とフォアグラのオムレツは定番の大好きな一皿[わーい(嬉しい顔)]。具がちゃんと詰まっていてヴォリュームもたっぷりなのに、口に入れた瞬間がふんわり柔らかで軽いのは、やっぱりプロの作るオムレツ。美味しいんだなぁ、これが。今回のヌーヴォーとの相性もばっちり[るんるん]

 銘柄は控えませんでしたが、ここでは樽売りのボージョレ・ヌーヴォーもグラスにて1杯試してみました。こちらはドメーヌ・デ・デュックのキュヴェよりはやや酸味が効いたタイプ。これはこれで悪くないなぁ。


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 ヌーヴォーを飲みに行っていつつも、やっぱりシャンパーニュも飲みたいよね~(^^ゞ・・・ってコトで、この日は持ち込みにてヴランケン(VRANKEN)のドゥモアゼルを。

 これ、右の写真でご覧になると判って頂けると思うのですが、ショパン生誕200年の記念ボトル(http://www.vranken-japan.co.jp/blog/?p=90)なんですね。あまり輸入量も多くなく、その殆どがショパン関連のイヴェント絡みで飲食店へ納入されて、小売店にはごく僅かな量しか卸されていないんですよ~って、馴染みのワイン屋さんのセールス・トークに瞬時に飛びついてしまいました(^^;。

 ショパンだけに、“英雄ポロネーズ”の旋律を思い出させる様なキレの良い泡と、心浮き立つ晴れやかな味わい・・・な~んて云ったら、ちょっと誉めすぎかな?(笑)。セパージュはシャルドネ60+ピノ・ノワール30+ピノ・ムニエ10%ですが、シャルドネ主体の割にはコクがある、しっかりとした味わいのキュヴェですね。


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 “ショパン”と一緒に味わった魚料理はアカイサキ。


 ところで、この時友人としていた会話はと云えば、飲んでいたヴランケンのボトルの裏側に描かれていた女性の肖像について。

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 ショパンの生誕200年記念ボトルなんだから、これは誰かショパンに縁(ゆかり)の女性に違いない!ってことで、ひょっとしたらジョルジュ・サンドかな?、なんて話題で盛り上がりました(^^。でも、サンドは男装の麗人とまで呼ばれたマニッシュなタイプなので、どうもイメージが合わないのですね。実際のところは誰なんだろう?。


 後から考えてみると、シャンパーニュ自体が“ドゥモワゼル”(若い女性を示す言葉だけど、云われた方はちょっと嬉しくない意味も含んでる表現なんだって・・・笑)なので、ショパンとは関係なく、キュヴェにその名が付けられたことに由来する女性像なのかもしれません。

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ウジェーヌ・ドラクロワ / 『ショパンとサンドの肖像』

 それでも、ドラクロワに会話を絡めたりして、謎解きでたっぷり楽しめちゃったから、このボトルはフランス絵画が大好きな僕らにとって話題性充分で元が取れちゃった。買ってきて大正解だったかも[わーい(嬉しい顔)]


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 肉料理はハトのロースト。

 グラス1杯分残しておいたドメーヌ・デ・デュックは、さすがにこの料理だとちょっと軽い感じがしてしまうかな。もう少し強い、鉄分を感じさせる様なワイン(要はボルドー)が飲みたくなっちゃった(^^ゞ。


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 デザートはいつもいつものプリン+パン・プディングにキャラメルのアイスクリーム。

 
 改めて、今年も葡萄が獲れて良かったね、と感謝する日。2010年のヌーヴォーも美味しく頂きました。


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コメント 4

Inatimy

今年もヌーヴォーは飲んでいません・・・。
慌ただしさに身を任せていたら、あっという間に過ぎ去ってしまって。
でも皆さんのブログ記事で、そうなんだ、このラベルの覚えとこ、とか、こんな表現の味なんだ・・・と楽しませてもらってます。 
甘いワインの好きな私は、いつの日か、飲める日がくるのかなぁ・・・。
一枚目の写真のグラスのワイン、ルビーやガーネットの色で、キレイ♪
by Inatimy (2010-12-27 06:20) 

yk2

いなちゃん、おはよう。
こっそりとupした記事にこっそり開いておいたコメント欄に気が付いてくれてありがとね~(^^。
最近飲んだり食べたりの記事はほとんどコメント欄閉じておくんだけど、この記事はもしかしたら、偶々読んで下さった方がサンド以外のショパンの恋人の話をよくご存じだったりすると、シャンパン・ボトルに描かれた女性像の謎が解けるかも、なーんて淡い期待をしちゃってるのです(^^;。

ヌーヴォーは、自分の中に飲む意義や理由が無いなら、頑張って飲む必要は無いと思うよ(そもそも、パリにいてヌーヴォー見かける?)。特に日本だと解禁即抜栓!ってパターンなので、輸送方法は必然的に空輸。結果、その分割高なのです(苦笑)。3~4000円を超すお金を払うなら、他の選択肢もたくさん有るからねぇ。

by yk2 (2010-12-27 07:44) 

Inatimy

シャンパン・ボトルに描かれた女性像は、ショパンの恋人とは限らないのでは?
正解は分からないけれど、ショパンのお姉さんの Ludwika Chopin ルドヴィカ・ショパンかもしれないなぁ・・・なんて思ったり。
ショパンの最期を看取ったのも、遺品の整理をしたのも、彼女だそう。
画像を検索してみたら、ジョルジュ・サンドより、ボトルの像に近いかも。
・・・甘い?
by Inatimy (2010-12-28 06:36) 

yk2

いなちみぃ~さま

ふふふ、変化球が得意ないなちゃんらしく(笑)、ショパンのお姉さんで来ましたか。最期を看取ったのも、遺品の整理をしたのも、彼女だそう・・・って、パリに居るから分からないだろうけど、年末ちょうどNHKで司馬遼太郎の「坂の上の雲」がドラマでやっててね、まるで正岡子規と妹の律の関係そのものだなぁ。子規は2017年が生誕150周年だから、どこか日本酒のメーカーが子規ボトルを作ってくれたら、その後ろに律の絵が入る・・・って?(笑)。

例えばなんだけどさ、もしこのシャンパーニュを飲んで、その印象で「子犬のワルツ」を思い出したとしたら、この肖像の女性はショパンの二番目の恋人と云われるデルフィーナ・ポトツカなのかも・・・なんて想像するのが今は楽しいんだ。本当のところはどうであれ(^^。

もし、いなちゃんもパリでこのボトル見つけたら、是非ショパンを聴きながら飲んでみてね。絶対に、色々想像してみたくなると思うから。

by yk2 (2010-12-30 09:55) 

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