猫の給仕頭 [ART]
◆ディエゴ・ジャコメッティ / 『猫の給仕頭』 (1967)ブロンズ 松岡美術館蔵
単に、僕の美術好奇心を満たすために勝手にパリ在住特派員に任命(^^ゞしてしまっているいなちみ特派員(=inatimyさん)が、「こんなん見つけましたけど~」とばかりに、たいそう怪しげなネコ像の写真を撮って来てくれた。それは、ジャコメッティの『猫の給仕長』・・・・・・のような置物の写真(笑)。
ほぼ意匠そのまんまコピーしていながらも、全く同じはさすがに不味いと思ったのか?、ちょっと形を崩した格好なのだが、それはあまりにトホホな出来映えなので、本家・給仕頭の存在をinatimyさんにご紹介した僕としてはどうにもいたたまれなくて・・・。
(※ inatimyさんのblog記事 : 「12月のパリ散歩で見たもの」→ http://inatimy.blog.so-net.ne.jp/2010-12-06-1)
スクッと立ち上がってお皿をサーヴする姿も凛々しいこのネコくん(誰ですか、ごはんまだ~って、ねだってる様にしか見えないだなんて云うヒトは!)は、スイス出身の彫刻家・ディエゴ・ジャコメッティ(Diego Giacometti 1902-1985、写真右)の作品。
彼の生まれた家庭は芸術一家で、父ジョヴァンニは画家で、1歳年上の兄は人体を独特の細長いフォルムで構成することで知られる彫刻家・アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti →wiki)。
◆アルベルト・ジャコメッティ / 『ディエゴの胸像』(1954) ブロンズ 豊田市美術館蔵
この胸像は昨年、東京都美術館で開催された「日本の美術館名品展」にも出品されていた兄・アルベルトの作品で、展覧会にも図録にもモデルについては特に記載が無かったのでその時はそうとは気付かなかったけれど、タイトルから推測し写真と見比べてみれば、この胸像はおそらく弟ディエゴがそのモデルなんだろうと僕は勝手に想像しているのだ。
ディエゴはジュネーヴの美術工芸学校を出たのち、ロダンのアシスタント出身で著名彫刻家となっていたアントワーヌ・プールデル(Antoine Bourdelle:1861-1929 )の元で学んでいた兄アルベルトを頼りパリに出る。ジャコメッティ兄弟は1833年に装飾業者のJ・M・フランクの依頼で家具のデザインや鋳造を手掛け、およそ15年間に亘りその分野で共同制作を行った。その後アルベルトが彫刻に専念するも、ディエゴは斬新なデザインを生み出し続け、装飾彫刻の評価を高めたのだそうだ。
inatimyさんのところと僕のblogは、読んで下さる方が一部重複しているので、皆様にはちゃんとした給仕頭の姿を是非ご覧頂きたい!と思った次第です。だって、あの置物はあまりにフォルムがいい加減で、少しも可愛くないんだもの(苦笑)。
やっぱりネコの姿って、こんなふうにしなやかじゃなくっちゃ、ね~(^^。
ついでなので、以前にはSo-netフォトでスライド・ショーにしていた松岡美術館(http://www.matsuoka-museum.jp/)の作品の写真を。
「松岡美術館の動物たち」
◆ヘンリー・ムーア / 『馬』
◆セクメト女神
◆エジプト彩色木棺のハヤブサ
◆エジプト彩色木棺の羊
◆玄武岩の馬の頭部
◆ガンガーのいる門柱の羊
◆インド_タイトル不明
◆シヴァ神と神妃パールヴァティーとその足下にいるウシくん
◆青磁羊形水滴
◆景徳鎮双鳳文扁壺
◆青花魚藻文大盤
◆シャガール / 『パリ賛歌』
◆シャガール / 『赤い輪』
◆ヴァン・ドンゲン / 『葦毛の馬ノルマンディ』
◆これも作品なのかな?(^^;、駐車場の羊くん
あはは^^
ごはんまだぁ~?笑
凛とした立ち姿がかっこいいですね♪
yk2さん、寒さ厳しくなってきましたので
くれぐれも暖かくして素敵な年末をお過ごしくださいね^^
by baby_pink (2010-12-11 07:39)
あ、pinkちゃんだ♪
『猫の給仕長』・・・・のような置物の写真、
いなちみ特派員さんのお話に、ありましたね~^^
エジプトとインドの作品に、すごーく惹かれます。
駐車場の羊くんも、可愛いですね♡
by hatsu (2010-12-11 08:04)
一枚目の写真みて、あれ?これは?と思ったら、なんとInatimyさんの写真に登場していた猫には、
ちゃんとした本物がいたのね。
ヘンリームーアの馬は、背中をなでたい~っていう衝動に駆られます。
動物園で写生した時、動物たちの背中のラインの美しさに気付きました。
・・・ではちょっと行ってきます。
by pistacci (2010-12-12 19:40)
nice & コメント頂きありがとうございます。
◆baby_pinkさん:
ふふ、猫には「凛々しい」って言葉より、ねだったり甘えたりの方が似合いますよね(^^。
せっかくpinkさんに「寒さ厳しくなってきましたので」と温かなお言葉頂いておきながら、早速風邪をひいてしました(><)。すっごく流行ってるようで、困りますね。pinkさんもお気を付け下さいね。
◆hatsuさん:
hatsuさんがエジプトやインドのエスニックなものに惹かれるのは、ヨガを楽しまれてるせいかな?(^^。
エジプトの物はそうでもありませんが、松岡美術館はインドやカンボジアなどの石仏コレクションが充実してるんです。小さいですけど、白金に在って閑静で、ゆったり鑑賞出来るとても趣味の良い美術館です。
◆pistaさん:
いなちみ特派員は多分インテリア・ショップみたいなお店のショーウィンドウで撮影されたんだと思いますが、あの猫は足が短くて、こちらと較べるとプロポーションが悪いんですよね~(笑)。本家を知らなかったら、あれはあれで愉快なんでしょうけど。
ヘンリー・ムーアはフォルムの掴み方が独特で面白いですね。
pistaさんがこの前いらした山梨県立美術館の入り口すぐにもあったでしょ?。
>・・・ではちょっと行ってきます。
って、どこ行っちゃったの~?(笑)。
by yk2 (2010-12-13 06:45)
やっぱり本家とは、かなりかけ離れた完成度ですね~。
お店のショーウィンドーに飾られてたのは、台座がない分、足と尻尾でちゃんと立たせなきゃいけない、っていうんで、かなり太くなってましたね~。
それに比べ、猫を立たせた時の背のライン、脚の曲がってる角度、開き方まで、カッコいい。
ディエゴ・ジャコメティの観察力はすばらしいなぁ。 猫飼ってたのかな。
その後の写真集も、馬、羊、牛・・・と動物シリーズで、
街の人込みで疲れちゃった今の私にぴったりです。
青花魚藻文大盤なんて、なんだか甕(かめ)で飼ってる魚を上からのぞいたみたい。
今日もパリ、0℃ほどです・・・。
by Inatimy (2010-12-13 23:50)
このフォルム、みごとで、私も松岡にはいったとたん、目を奪われました。
頭のよさそうな切れ者のネコ。でも育ちのよさを漂わせる優雅さ。
単なる給仕でなく、頭がついて、チーフなんですよね。道理で、威厳すら
感じさせる、って思ったりしました。
フォルムの美しさ、優美さは、ヘンリームーアの馬も、ですね。
やさしい表情の馬。
猫の給仕頭の作者ディエゴの胸像を兄のA・ジャコメッティが作ってたんですね。私はアルベルトよりディエゴの作品の方が好みです。
松岡美術館は、写真撮影OK、鷹揚でいいですね。
by TaekoLovesParis (2010-12-13 23:56)
コメントのお返事がすごーく遅くなりましてごめんなさい。酒席続きでへろへろです(・・・って、云い訳にもならないけど^^ゞ)。
◆いなち・み~さま
せっかくいなちゃんが撮って来てくれたギャルソン猫くんに随分ないぢわるを云ってごめんなさい(笑)。猫の給仕頭(いなちゃんのトコのコメント欄には、僕が給仕“長”って書いちゃってたね^^ゞ)を紹介しておきながら、実際の画像は自分のblogに載せてなかったので、文句を云いつつ、こちらも良いきっかけを貰いました。それと云うのも、松岡美術館の動物たちを載せてたスライドショーがSo-netフォトの消滅で消されちゃってたから、記事にしなおしたいって、ずっと思ってたんだな(^^。
◆taekoねーさん
松岡美術館に入ると、すぐ真正面が給仕頭の特等席。一番最初にこのネコくんが迎えてくれますものね(^^。
でも、僕にはやっぱり「ごはんまだ~?」って云ってるように見えるので、彼に「威厳」は感じません(笑)。
そういや秋口にブリヂストンで観たヘンリー・ムーア展の話も、書こう書こうと思いつつ、早年末です。ねーさんがまめにご覧になった展覧会のお話を記事にされているのを、僕は自分の反省材料にしないといけないなぁ~と・・・(苦笑)。
by yk2 (2010-12-23 08:25)