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Wildthings "Eat" Fast [ART]

260105_ライオン.JPG

 ちぇっ。ちょっとくらいふざけてさ、馬の背中をガブッ!ってやってるのをみんなに喋っちゃったからって、あーんなふうに、それこそまるで「もういいわって云うまで、廊下に立ってなさい!」みたいな言い方すること、ないじゃんねー。ライオンが肉食なのは昨日今日に始まったわけでなし、今さら内緒みたいな顔したって、そんなの年齢6歳未満のよい子のみんなだって知ってます。ま、確かに、馬は今年の干支なんだから、新年早々不謹慎だって気はしましたけど、もう、すでにガブっ!ってやっちゃった後なんだもん、今さらどーにもならないじゃん。ふんっ!。

(注)え~っと、このタイトルは今年の新年のごあいさつに使ったジョニ・ミッチェルのもじりです(^^ゞ。大した意味は無いので「野生は早食い」とでも訳していただければ(笑)。



 とまぁ、東京国立博物館は表慶館の入り口で狛犬役をしているライオンくんの背中でぼそっと一言呟いたところで(^^、某所のコメント欄で書いたジェリコーとドラクロワの絵がなかなか見つけきれないようなので、取り敢えず、3枚、ガブ!っとやってるトコロを載せておきますね。またまた某ねーさんに「ガオ~ッ!」って叱られちゃうかもしれませんが(笑)。

ジェリコー_ライオン.jpg
◆テオドール・ジェリコー / 『白馬を襲うライオン』(1824以前) 54×65cm


ドラクロワ_ライオン.jpg
◆ウジェーヌ・ドラクロワ / 『ライオンと猪』(1853) 46.5×56.5cm

 こちらは襲われているのがイノシシ。馬をキーワードに探させちゃったかなぁ(^^ゞ。


↓お次はライオンじゃないけど、まぁイトコ(?)みたいなもんでしょ(笑)

ドラクロワ_トラ.jpg
◆ウジェーヌ・ドラクロワ / 『馬を襲うトラ』

※以上3作ともルーヴル美術館所蔵


★ ★


 ロマン主義の第1ランナー、口火を切ったとされるジェリコー(Théodore Géricault)は1791年生まれ。一方、ロマン主義の代名詞的存在の旗頭であるドラクロワは1798年生まれ。7つ年下だったドラクロワは、ジェリコーの情熱的な画風に魅せられ、憧れ、彼を自身の画業の目指すところ“道標”としていました。それは、悲惨な事件、残虐な光景を劇的なまでに描き切り、スキャンダルを巻き起こしたそれぞれの作品、敢えてここではその絵は載せませんが、『メデュース号の筏』(ジェリコー)、『キオス島の虐殺』(ドラクロワ)を並べてみても明らかです。

 ドラクロワはジェリコーが病により重篤な状況に陥り、見舞った日のことを自身の日記に書き残しています。
それは1823年12月30日火曜日のこと。

 
「彼が助かるように必死の思いで祈ったが、もはや望みは薄い。なんと変わり果ててしまったことか!。あの日彼の絵を見て興奮して帰って来たことを思い出す。特に、『歩兵士官の頭部の習作』は見事だった。忘れてはならない。道標だ。なんという鮮やかな習作!。なんという堅牢さ!。最高の技量!。力強さと情熱的な若さをもってこんなに素晴らしいものを描いた人が、今では人の助けなしにはわずかな寝返りもうてず、死んでゆくとは!。」
(『LOUVEL : ルーヴル-700年の絵画の系譜』 art lys社 日本語版より引用)


 そうしてそれから程無く、ジェリコーは翌24年01月26日、僅か32歳の若さで、無念にも天に召されてしまうのです。ドラクロワがサロンに『キオス島の虐殺』を出品したのも、同じくこの1824年のこと。その時まだ25歳の若さだった彼は、亡くなったジェリコーの意志と情熱を引き継ぐように、次々と画壇にセンセーションを巻き起こし、ロマン主義の名とともに台頭してゆくことになるのですね。




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pistacci

午年の年頭。獅子と馬とを深く考察する年となりました。
獅子に襲われる馬や猪。虎に襲われる馬。獅子の穴に入っても襲われない人。
聖人とともに描かれる獅子もいた。聖なるものの象徴とも言われるけれど。
香炉だったり座した作品の題材となったり・・・
私たちが会えるのはアフリカか檻の中だけど、キリンが食材とされていたらしいというニュースがあった。
ということは、獅子や虎はもっと身近に存在し、生存してたの?
・・・・っと つらつら、眠れなくなりました。。
by pistacci (2014-01-13 01:54) 

TaekoLovesParis

★のパート1は、短く「ガオ~ッ!」
★★のパート2、ドラクロワがジェリコーから受けた大きな影響を詳しく書いてくださっていて、面白かったです。馬好きだったジェリコーの「エプソム競馬場」の馬のスピード感はすばらしくて、ルーヴルでしばらく眺めていました。写真も撮ったので探してみます。
でも、yk2さんは、疾走する馬の躍動感よりも、ジョニ・ミッチェルのWildthings run fast の歌詞の中のeatが気になっちゃたみたいね。
お料理写真が上手なのも、それゆえでしょう。しばらく食べ物記事がないので寂しいです。

pistaさん、うまいなぁ。全部漢字に置き換えて表現。年初からこれまでの総まとめをしてくださってる(拍手)
by TaekoLovesParis (2014-01-13 02:59) 

pistacci

横レスになっちゃいますが、Taekoさん、照れちゃいます。
わたしの投げた小石が波を広げちゃったのではと思ってましたが、
今夜は早く寝られそう(笑)
yk2さん、再コメントしちゃったので追加です。
パッリーではドラクロワ美術館の近くまでは何度か行ったのに、カフェにばかり行ってしまったことを後悔してます。
サンシュルピス教会の壁画は見てきたのですが黒ずんでしまってて
良さがいまひとつ感じられなかったのでした。ではおやすみなさい(^^)
by pistacci (2014-01-13 22:24) 

Inatimy

ジェリコーのは白馬だから余計に噛まれてる部分がリアルに見えますねぇ。 血が滲んで今にも引きちぎられそうな肉・・・あぁ痛そう・・・。 ドラクロワのライオンの餌食はイノシシだったんだ~。 てっきり馬だとばかり。 で、この馬を襲ってるトラの絵しか分からなくて。

でも3枚の絵を前に私には今一つ納得できないのが尻尾。 どれも下がって巻いてる。 尻尾にも力が入るからまっすぐ伸びたり、反り返ってちょっぴり上向きなんじゃないのかしら、と思うのだけれど・・・。

おや? ・・・トラとライオンってパリでたくさん見たような・・・と記憶をたどると、蘇るオーギュスト・カンのブロンズ像が。 テュイルリー公園には雄雌ライオンがイノシシと闘ってる"Lion et lionne se disputant un sanglier"、2頭のトラに襲われてるサイの"Rhinocéros attaqué par deux tigres"、トラに瀕死の状態にされたワニの"Tigre terrassant un crocodile"、子にクジャク持参の雌トラの"Tigresse apportant un paon à ses petits"、リュクサンブール公園にはダチョウが餌食になった"Lion de Nubie et sa proie"・・・と、オーギュスト・カンだけでもライオンの獲物になった動物シリーズ、出来そうですよね。
by Inatimy (2014-01-14 07:46) 

yk2

寒い日が続きますね。ナントカは風邪引かない・・・って云いますけど、ワタクシ何故だか一昨日から熱っぽく、カラダの節々は怠くて喉もやられて咳っぽい。相当流行ってるみたいなので、どこからか貰っちゃったかも(><)。みなさまもくれぐれもご自愛下さいませ。

◆pistaさん:

pistaさんのコメントを読ませて頂き、今回は僕がオチョーシに乗ってしまったために、ちょっとハラハラさせてしまったなぁ~と反省してます。「面白いですか?」なんて、誰かさんがまるで八つ当たりするよーなコメントするのも、オトナとして如何なものかと思うんですが~(※実際のご本人にはそんなつもり全くなかったと知ってて書く、いぢ悪なワタクシです・・・笑)。

ってなことで、この写真、ストックで持ってたの?ってご質問ですが、今回のこの記事は、国立博物館のライオンくんを誰かさんの弟分の様に見立てて、どうしたって一言つぶやいておかなきゃ!と云うコンセプトの下、この背中が撮りたくて、わざわざ現地まで撮影に出向いたわけなんですよ~(・・・わざわざ、は「うそ」です^^;)。彼らは狛犬役なので入り口の左右に2頭鎮座しているおわけですが、向かって左(今回のライオンくん)は口をつむんでちょっとツンデレ系の表情で、まるで「ふんっ!」と云ってるかの様。対して右は口を開けていて、今にもガブっ!っと行きそうな表情。だから、今回写真にない方がたえ・・・(以下自粛)。

そうそう、pistaさん、「獅子や虎が身近に」ってコメントに読書かれてるんで思い出したんですけど、昔、ギニアのサンコンさんがTVで話してたんです。ギニアはアフリカの国なので、ライオンは当たり前にいるらしい(?)のですが、真顔のサンコンさんは野生のライオンを見たことがある!って人には1人も会ったことがないって云うんですね。なぜなら、ライオンに出くわした人はみんな食べられちゃうから・・・ですって。僕、思わず爆笑しちゃったんですが、これってネタだったのかな?(笑)。


◆taekoねーさん:

第1部へのniceならぬ「ガォ~!」頂き、ありがとうございます(笑)。

『エプソム競馬場』の、まるで弾丸かロケットの様にかっ飛んでるマニエリスムな馬の姿も大変魅力的(=ツッコミどころ満載?^^;)だったんですが、僕が持ってる画集では2ページにまたがって掲載されているので、前エントリでは使えませんでした。

"wildthings run fast"のもじりですが、あの歌でのジョニは、「オトコは野生みたいなもんだから、手懐けたつもりが懐かない」って歌ってると思うんですよ。だから、「野生(※この場合はライオンでも虎でも^^;)がガブッ!ってやっちゃうのは止められない」って意味で・・・(笑)。


◆いなちみ~さま:

ドラクロワの絵、やっぱり馬で探しちゃった?。ごめんね~、イノシシだったんだ~(^^。いなちゃんとねーさんとの会話がすっかり“虎”で固まっちゃてたので、これはやっぱり画像で見せとかなきゃ・・・って思ってね(笑)。

力んだ時のしっぽの形状ですが、僕はもう随分長くネコがいない暮らしなので、勢いつけてガブッ!ってやってる時のしっぽがどうなってるか、思い出せないよ~(笑)。いなちゃんは、トラチちゃん思い出しちゃった?。

パリやヨーロッパの街中では結構ライオンっている(?)もんだよね。以前から撮り溜めてるいなちゃんのの写真からピックアップして、特集企画してみない?。taekoねーさんが笑って許してくれる範囲内で(笑)。

by yk2 (2014-01-18 18:22) 

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