Sphinxはなんと問う? [ART]
菱田春草の展覧会を観に出掛けた国立近代美術館(http://www.momat.go.jp/)の入り口脇に、高さ2.5~3メートル程もあるでしょうか、かくもややこしい体勢にて座する大きな女性のオブジェが1体。なんなんざんしょね、これは一体全体???。
世の中には、いろんな意見や価値観が在って然るべきなので、ここでこのオブジェに対する僕の感想は特には要らないでしょう。ただ、好きか嫌いかと2択で問われれば、あんまり好きな部類じゃないかなぁ・・・。ゴメンナサイ(^^ゞ。現代アートに疎い僕が、美術館に入る前の僅かな時間にほんのちょっと見たくらいでは、その価値、面白味はまるで理解出来ませんでしたと、正直に申し上げておきましょう。
アートとは、見て、姿形そのままを素直に受け容れれば良いのだ・・・とは常に思ってはいるのですが、現代アートは僕にはどうにも難解で苦手です。結局このオブジェも、後からタイトルを見て、初めて作者の意図を知ることとなったわけですが、『スフィンクス』なんですって。これが・・・(^^;。
同行の友人曰く、「ヨガでもやってるのかしらん?。それでいてスフィンクスだなんて、オイディプスは?」。
友人の口からオイディプスとの名前が出て来たそのわけは、もちろん、ドミニク・アングルの絵が意識の中にあるからです。
このややこしいポーズの女性はスフィンクスなのか。
さすれば、僕が「なんだこれ?」と感じているのはまさに作者の思うつぼであり、スフィンクスたる彼女は鑑賞者の僕に不可解なポーズで謎を突きつけているわけなんだね。
◆ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(1780-1867) / 『スフィンクスの謎を解くオイディプス』(1808) ルーヴル美術館蔵 ※上図は作品の1部分です。
スフィンクスは、旅の途中のオイディプスの目の前に突如現れて謎解きを仕掛けます。
「朝は4本足で歩き、やがて昼には2本足となり、夜には3本足となるものとは何か」。
この謎掛けに答えられなければ、オイディプスはこの場で即座にスフィンクスによって命を奪われてしまう運命なのです。
答を見つけなければ、今ここで命を奪われてしまう!・・・っコトで、僕もオイディプスよろしく考えてみたりするワケですが、アングルの絵に描かれたギリシャ神話の顛末は既に知ってるのでそのままではツマラナイでしょ。ですから、もし僕がこの21世紀の新しいスフィンクスの眼前でオイディプスになろうとするのなら、先ずはこのオブジェに相応しい「なぞなぞ」のお題から考えなくっちゃね(笑)。ライオンの体を持つわけで無く、翼があるわけでもない、この際どいビキニ姿のおねいさん(^^;は、僕らに、一体どんななぞなぞを仕掛けて来てるんだろうと思う?。
てな事で、暫しオブジェの前で友人となぞなぞを考えます。
ヨガか。ではではひとつ尋ねよう。
「それでは旅人よ、答えてたもれ。私が今とってるポーズは何のポーズでしょう?」。
僕は、ヨガのポーズにはいろいろと名前が付いているので、それを念頭に措いて友人に謎掛けを出してみたつもりでした。ほら、白鳥のポーズだとかって、あるでしょう?。もしも、実際にこのスフィンクスのややこしいポーズにも名前が有るのなら、それはなぞなぞでも何でもなくなってしまうワケなんだけど、そこはあくまで洒落でね(^^。
そもそも、僕はヨガのポーズなんてほとんど知らないものですから、ハナからここで真面目な正解なんて全く期待していないのです。会話上、どんなユーモア有る答が返ってくるのかな~?、って面白がっていただけなんだもの(^^。
友人は、即座に自信満々の顔つきにて答えました。
「なんのポーズって、ヨガのポーズ」
・・・・・・。
いや、ですからね、一口にヨガって云ってもさ~・・・・。
もういいや・・・(苦笑^^;)。