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Kost(コスト) [そとごはん、そとワイン]

2014年11月23日(日曜日)
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 その場所は自由が丘と云うよりも、東急大井町線で二子玉川方面に向かって1つ先の九品仏駅のほど近く。線路沿いの住宅街の中にぽつんと在るお店。小振りな一軒家を店舗に改装したフレンチ・レストラン、Kost(コスト: http://www.kost.jp/)へ、初めての訪問。



 以前から1度行ってみよう、行ってみたいと思っていたけれど、いつも何となく候補の1つのままで、なかなか足が向く機会がやって来ないお店って、誰にでも大抵1軒や2軒は在ると思う。ここ、Kost(コスト)は僕にとってまさにそんなお店で、きっと丸々2年くらい、ず~っと毎回「候補」のままだった。今回、ようやく初めての予約を入れてみた。

 普通、テレビや雑誌で紹介される自由が丘って「街」は主に目黒区側。大井町線の線路を南北の境と考えると、北側のエリアになる。駅改札で云うと、表玄関たる女神像のあるロータリー口の方。方や、メルサの真正面に出る南口改札を抜けると、そこは世田谷区奥沢になる。駅前からちょっと離れると、すぐに商店よりも一般住宅が増え始め、外からたくさん人がやって来る目黒区側と較べると、だいぶ落ち着いた雰囲気がする。僕は学生時代にずっとこの「自由が丘の奥沢側」でアルバイトをしていた(→ http://ilsale-diary.blog.so-net.ne.jp/2006-10-27)こともあって、馴染みも有り、賑やかな喧噪とはちょっと距離を置くこの街の雰囲気が好きなのだ。ず~っと長い間通い続けて、今もこの辺りから離れられないでいる。だから、新しいお店が出来たり、まだ入ったことのないお店って、やっぱり気になるんだな。いつか入ってみよう、って。

 このKostも、そんな奥沢に在るレストラン。
 前述のとおり一軒家を改装したお店は1階が厨房とカウンター、2階がテーブル席。カウンター席はお客で埋まっていて、2人で予約をしていた僕らは2階へと案内された。なかなかに角度が急な木造階段(^^;を昇った先のその2階も、フレンチレストランとしては随分手作り感が有って素朴な感じ。用意されていた席が、ちょっぴりお隣さんと近い気もして、やや戸惑いも。でも、僕らが若かったその昔は、自由が丘にもこんな雰囲気のカフェが幾つも在ったっけ・・・なんて思い出して、妙に懐かしい気もする。見下ろす窓の下を大井町線が通過する度、お店も一緒にガタゴトと少し揺れたりしてね(^^。


★ ★


 この日は、アラカルトのオーダーも勿論可能だけれど、①前菜の盛り合わせに始まって、②前菜2皿目(3種より選択)と、③魚のメイン(選択肢なし)を挟んで④肉料理のメインがまた好みで選べるのが魅力的に思えたシェフのおまかせコース(¥5,000 ※コースは1種類のみ。デザートとコーヒー含む)を選択してみた。

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 前菜の盛り合わせはほんの一口と云ったヴォリュームではあるけれど、8品もお皿に載って来た。イタリアンのアンティ・パスト・ミストみたいで、ちょっとずつ色々と味わえて、これは嬉しいね。緑色した野菜が春菊のサラダで隣がグリルした山芋で・・・なんて全てを順に書き出せるほどしっかり説明覚えてません(^^ゞ。でも、この中で特に印象的だったのは、キッシュのパイ生地。僕自身が最近あんまりバターを口にしないせいか、すごく風味が良く効いていて香ばしかった。もっと食べたい!。こんなちょっぴりじゃ、全く満足出来ないんですけど(笑)。


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 前菜2皿目。同行友人のチョイスした白子のポワレ焦がしバター・ソース。

 今回僕が座っていた席は背後に照明があるので、どうしても陰が出来てしまうので写真の見た目が悪いけど、実際はこんがり綺麗なキツネ色の焼き色。


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 僕は殻付き牡蠣とレンコン、ごぼう、ポワロのグラタン。味は何の問題も無く美味しいです。

 でもね、せっかくの殻付きカキの身が調理段階で既に切ってあるのは勿体ないんじゃないかなぁ。レンコンとごぼうの歯応えも、カキとの取り合わせが相性ぴったり!と云えるまででもないので、このメニューはまだ要研究って気がします。生意気云って申し訳ないですが・・・。


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 1本目のワインはクレマン・ダルザスのリーフレを。
 この辺りの泡を手頃な価格でオン・リストしてくれているのは嬉しいな。ましてやそれがリーフレならば、「本当はシャンパーニュを頼みたいけど今日は我慢して・・・」みたいな気分に全くならなくて済むし(笑)。


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 鮮魚のポワレ、ブール・ブラン・ソース。この日の魚はヒラメ。ムール貝から取ったソース合って、とても美味しい。


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 赤ワインはフランソワ・ゲと云う造り手のショレイ・レ・ボーヌ。綺麗なガーネット色したブルゴーニュ。酸味はほどほどで心地よくフルーティ。栓を抜いてすぐから親しみやすい。当初は薄ピノなのかと思いきや、徐々に味わいも膨らんでボディもほどほど有ってバランスが良い。なかなかに美味しいワインだった。


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 友人チョイスの肉料理は牛ほほ肉のとろとろ赤ワイン煮。
 写真の色がかなり悪くてあんまり美味しそうに見えないかも知れないけど(^^ゞ、少し分けて貰いましたが味は良かったですよ。


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 僕はフランス産鴨肉のロースト。赤いソースはカシス。
 この量は男性にはちょっと少ないかもね。・・・とはいえ、これがメイン2品でデザートまで含めて5,000円のコースってことを忘れちゃいけません。


 で、コースの〆のお楽しみ。ここのお店はデザートの評判がとても良いそうで。

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 友人はデザート盛り合わせ。

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 僕も盛り合わせにしたかったのに、違う物を頼むようにとの指示が有り(苦笑)、このところしばらく食べてなかったので、意識してモンブランを。

 これね、すっごく美味しかった。僕はあまりモンブランを食べないので他と比較しての話が出来ないのが申し訳ないんだけど、これの為だけにでも、すぐにももう一度リピートしたいくらい。


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 デザートを食べ終わったその後に更にプチ・フール。
 こちらKostさんのシェフの奥様が、すぐ近くでPATISSERIE R(パティスリー・エール→ http://r-okusawa.com/)と云うスイーツ店もやられているんだそうで、そちらで販売しているお菓子なんだそう。これは甘い物好きな女子には堪らないでしょう。実際、この2階席のテーブル半数が女性2人組だった。


★ ★ ★


 フレンチのお店に対して、これが誉め言葉になるのか分からないけれど、アットホームで可愛らしいお店。フレンチを食べに行く特別感みたいなものの感覚は薄いかもしれないけど、肩肘張らずリラックスして過ごせるのもまた、悪くないよね。家族での食事や、気さくな友人との集まりにはぴったりだと思う。ホール2階のスタッフがとっても若いので、サービス云々思う人があるかもかもしれないけど、真面目に気を配ってやっててくれさえすれば大丈夫(^^。

  帰り際、まだ若きシェフがドアの外まで出て送ってくれた。「いかがでしたか?」と感想を尋ねられて、お世辞抜きで「美味しかったです」と答えた。モンブランの季節はもう終わっちゃうのかもしれないけど、月替わりのおすすめメニューが新しくなったらまた再訪したいなと思わせるお店。


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