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Osteria Assai(オステリア・アッサイ) [そとごはん、そとワイン]

2014年11月30日(日曜日)
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 午後から上野の東京都美術館で開催中のウフィッツィ美術館展へ出掛けて、ボッティチェッリの『パラスとケンタウロス』をじっくりと鑑賞。展覧会全体について個人的な感想を述べれば、まぁ、色々と思うところはありましたが、それでもルネッサンス期フィレンツェの芸術にたくさん触れて、気分はすっかりフィオレンティーノ(fiorentino=フィレンツェっ子)。いや、もちろん晩ごはんにどこ行って何食べるか、って話ですけどね(^^ゞ。




 ってなコトで、今晩はイタリアンを食べよう!と意気込んで向かった先は、渋谷から東急本店前を通り過ぎて神泉へ向かってひたすら歩く初めてのお店、Osteria Assai(オステリア・アッサイ→http://osteriaassai.web.fc2.com/

 以前からずっと気になってたんだ、ここ。

 と云うのもね、話は数年前に遡るんだけど、丸の内の某イタリア料理店がオープンした際、当時のソネブロでお付き合いさせて頂いてた方がその店のオープニングに参画されていた関係で、開店間もない頃に食事に出掛けたことがある。このアッサイのシェフは、その時そこで腕を奮っていた方なんだ。

 それまでイタリアで修行中だったシェフは、その丸の内某イタリアンのオーナーからの求めに応じて日本に帰国。でもまぁいろいろと有った様で、そこを辞められて独立。現在はたった一人で、アッサイの厨房とサービスを切り盛りされている。

 このシェフが、確かフィレンツェでも修行されていた・・・って聞かされた微かな記憶が有って、ならば今晩こそその店へ行ってみるべし!って考えたワケなのです。


★ ★


 緩やかな坂を大分登って、進行方向右へちょっと曲がったところに、その小さなお店は在りました。

 ドアを開け店に入ると、先客としてカップルが2組。きっちり数えたわけじゃないけど、2人掛けテーブルが4つに、4人が座れるくらいのカウンター席。そのカウンターの奥がキッチン。ほんとにこぢんまりとしたお店で、内装もごくシンプル。正直に云わして貰えば、ムードとしてはちょっと素っ気ないくらいで・・・(^^ゞ。

 ちなみにオステリアってのは、イタリアにおけるレストランの種別として居酒屋風料理店の様な意味と、伝統的郷土料理を出す店をさす場合があって、こちらは後者のスタイル。少なくともワイワイがやがや賑やかに・・・って感じではアリマセン。

 手渡されたメニューにはアラカルトの品々。コースの設定は無いみたいだ。初めての訪問なので、先ずは1皿のボリュームが分からない。どんな構成で頼んだらいいですか?。と訊いてみたところ、「お二人でしたら、前菜とパスタをそれぞれがご注文なさって、メインは1品で大丈夫だと思います」とのこと。じゃ、そんな具合でいきましょうか。


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 友人が前菜としてチョイスしたアボカドとカニ肉のサラダ仕立て。ごくごくシンプルな1品で、付け合わせの野菜はピクルス。いろいろ味をみてみたい僕らはもちろん全部をシェアするつもり(^^。

 
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 一方僕が選んだのはスカンピのグリルで、ソースの様に下に敷かれているのは白ポレンタ。ごく簡単に説明しちゃえば、グリルした手長海老を白いトウモロコシを粉にしたものをお湯で溶いたお粥みたいなもんで食す・・・ってこと(^^ゞなんだけど、いやはや、想像以上に美味しかったんですよ、これが。シンプルな調理だけに、材料の選択や火加減を少しでも間違えると、ほんとにツマンナくて食えない料理になってしまいそう。だけど、こう云った前菜が美味しいと思えた時点で、この日の料理の満足度はすでに約束された様なもんなんだよねぇ、これが。


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◆Dante Rivetti / Langhe Arneis "BRICCO DORO"

 この日の最初のワインは、あえて泡を避けてイタリアらしい品種の白ワインが飲みたいな。
 本当ならば気さくなトスカーナの白、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ辺りが気分だけど、その手はリストに見当たらず。まぁ、同じトスカーナと云えども、フィレンツェとシエナは敵対してた・・・ってその昔に教えて貰っていたので、それ程拘ってもいなかったけど(^^。

 で、結局頼んだのはダンテ・リヴェッティというピエモンテの造り手のランゲ・アルネイス、ブリッコドーロと云う名の白ワイン。白い花や、爽やかなレモンピールの様な微かな苦みが余韻に残るすっきりした辛口・・・。そんなものを想像して頼んでみたんだけど、これが意外と果実味が厚くって、柑橘よりもトロピカルに近い具合。余韻として残るのは酸味よりも甘さが勝る様な味わいだった。僕が勝手に思ってたアルネイスとはちょっと違っていたかな~って印象。さらに温まって来るとフランス産以外のNWのヴィオニエみたい?って書いたら、それはあんまりアルネイスに対する誉め言葉にはならないかもなぁ(^^ゞ。けして美味しくないわけじゃないけれど、二人で1本飲むにはちょっと終盤飽きちゃったかも。それでも、スカンピとの相性は悪くなかったとも思います。


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 パスタは先ず僕がオーダーしたボッタルガのスパゲッティ。イタリアのからすみって大抵マグロなのかと僕は誤解してたけど、こちらはお馴染みボラだそう。日本のからすみと違ってねっとりしてない、さらさらとした食感。安くない食材なだけに、何を有り難がるか・・・ですが、友人は「たらこのが好きかも」だって。こらこら(笑)。僕は素直に美味しいと思いましたが、一見調理がシンプルなだけに意見は様々かも。


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◆Fattoria dei Barbi / Rosso di Montalcino 2010

 2本目のワインは、バルビのロッソ・ディ・モンタルチーノ。結局これもシエナのワインで、トスカーナではあるけどフィレンツェじゃないじゃん(苦笑)。

 バルビはブルネッロの生産者として有名で、僕も何度か買って飲んでみたけど、意外と薄めなんだよね、ちょっと薄旨系のブルゴーニュみたいに。初めて飲んだ時は、それが何かピンと来なくって物足りなく感じたんだ。でも、今は僕の好みも以前とは少し変わってきたから。このワインはそのブルネッロの弟分みたいなロッソ・ディ・モンタルチーノ。葡萄品種はブルネッロと同じサンジョヴェーゼ・グロッソで、兄貴分より短い醸造期間で出荷出来る、云わばディフュージョン・ライン。この2010年産も予想通りガーネット色した薄旨タイプで、柔らかなタンニン、口当たりに程良い酸味。レッド・チェリー。次第に白ワインに通じる様なミネラル感が出て来た(様に感じた)のがユニークに思えた。そんな事を、過去に飲んだ赤ワインから感じた経験が今までの僕にはあまり無かったから。


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 友人がチョイスしたパスタは王道のラグー・ソース。お肉好きな友人はからすみよりもやっぱりこの手が好みなようで、盛んに美味しいを連発してました(笑)。


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 メインは肉好きの友人に合わせて短角牛のタリアータを。
 グラム数は訊きませんでしたが、シェフの云っていたとおり2人で十分におなかいっぱいになるヴォリューム。牛肉は所謂口に入れた途端溶け出す様な「柔らかい」が「美味しい」の基準とされる様な肉質ではなかったけれど、旨味があって、僕は悪くないと思う。と云うより、塩加減も丁度良く、素直に美味しいと思えた。サシの多い肉より、さっぱりとした赤身系が好みの僕は、この点でかなり安上がりに済む様出来てますからね(笑)。


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 僕のドルチェは季節物でモンブラン。


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 友人のは・・・なんのジェラートだったかな。忘れちゃった(^^ゞ。


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 実はこのお店・アッサイは白トリュフをリゾットでがっつり食せることで有名らしく、僕も奥沢のル・シャポンがなくなって以来ご無沙汰なので久し振りに食べても良かったんだけど、お店に入ったと途端、まぁ白トリュフの香りがすごいことすごいこと。それは他のテーブルのオーダーの調理のために・・・だったわけなんだけど、その強い香りを嗅いでいたら、なんだかもうおなかいっぱい白トリュフを味わったかの様な気持ちになってしまったのです。同行友人もそれほど白トリュフに頓着しないようなので、この日は結局スルー。でも、食べないなら食べないで、なんだか忘れ物してきた様な気分もしちゃうんだよなぁ~(苦笑)。
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