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久し振りにOstuへ [そとごはん、そとワイン]

2019年03月17日(日曜日)
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 13時半から上野の東京都美術館で開催中の『奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド』https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_kisounokeifu.html)を観て、そこから六本木ミッドタウンのサントリー美術館に移動して『河鍋暁斎 その手に描けぬものなし』https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_1/index.html)の日本美術の展覧会2つをはしご。ランチも摂らずに後者閉館の18時まで、きっちりと観賞したのでもうおなかはぺこぺこ・・・と云いたいところだけど、実は途中でチョコレートケーキ+赤ワインで燃料補充(^^ゞ。空きっ腹に甘い物が結構効いてしまって、なんだか食べ物が今すぐには入って行かなそうな具合(苦笑)。それならミッドタウンを出て移動しよう。少し歩いたら、きっとおなかも空き始めるだろうから(^^。




 そんなことで僕らが向かったのは千代田線・代々木公園駅から徒歩1分の位置に在るイタリアン、Ostu=オストゥ(http://www.ostu.jp/index.html)。ここのところ来ていなかったので随分と久し振りの訪問。はて、前回はいつの頃だったろう?と後で調べてみたら、なんと2017年05月以来だった[たらーっ(汗)]


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 さすがに前回訪問から1年10ヶ月も経つと色んな事柄に変化も起きるわけで、ここではいつも定番的に飲んでいたフランチャコルタのエチケット(イタリアだからエティケッタか^^;)が新しくなっていて、一瞬違った銘柄のボトルが運ばれて来たのかと思った僕は「んっ?」と声に出してしまった(^^ゞ。「そうなんですよ、ちょっとポップなイメージになったので賛否両論あるみたいですけどね」とはサービスを担当して下さるシェフの奥さまの言。

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 ↑ これが以前のエティケッタ。このキュヴェはシャルドネ100%のいわゆるブラン・ド・ブランで、かつ補糖無しのドサジッオ・ゼロ(※dosaggio=仏ドサージュ)。その辛口のイメージがシルバーのフォント使いでクールに表現されている感じがあって、僕は以前の方が製品イメージにも合っていた気がするし、高級感もこっちのが有ったと思うなぁ。あくまで私感ですが(^^ゞ。


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 料理は三月のデギュスタジオーネを注文。前菜2皿にパスタ・リゾットを2つ、更にメインを選ぶコース。

 前菜その1、うさぎ肉のガランティーノ。味のよく似ている鶏よりも柔らかい肉質で全くクセが無いので食べやすい。蒸してロール状に丸めたウサギ肉の中心にフォアグラとマスタード系のソース。

 「匂いもしないし、さっぱりしてる」とは同行友人の弁。

 そう云えば昔、今は無きル・シャポン(世田谷区奥沢6)の岡田シェフがおどけた様に顔をしかめて云ってたっけ。「日本のフレンチで提供しているウサギはほとんどが家禽養殖だもの、匂いなんてほとんどしないです。でもね、本当のジビエ時期の野ウサギさんを捌く時は結構臭うんだな、これが」なんてさ。「岡田さん、お元気かなぁ~」などと久しく会えていない知人を思い出し、懐かしさで会話はちょっとしんみり・・・。


 ところで、料理は美味しくて何ら問題が無いんだけど、門出のリキュール無しの辛口フランチャコルタとの相性は残念ながら今ひとつに感じてしまった。一緒で悪いわけじゃないけど、両者ともさっぱりし過ぎていてお互いを引き立て合ってくれないんだな。僕はこのウサギ料理にロゼか軽い赤ワイン(それも普段余り飲まないガメイだとか)が欲しくなってしまった。それが正解かどうかは、試してみない事には判りませんが(^^ゞ。


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 前菜2皿目は、この時期ならではの旬の物、ピゼッリ(グリーンピース)とヤリイカの温菜。
 

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 カルボナーラ仕立てのペンネッテ。でも、この見た目だと、どう考えても黒トリュフが主人公だよね(笑)。


 ここでもうフランチャコルタのボトルも空いてしまったので、この先は料理に合わせてお薦めの赤をバイ・ザ・グラスにて頂く。

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◆ドリアーニ / フランチェスコ・ヴェルジオ 2017((Dogliani / Francesco Versio)

 D.O.C.G.ドリアーニ(ピエモンテ)、葡萄品種はドルチェット100%。
 
 Ostuさんはピエモンテ料理。もしも自分が選んでいたら、○○の1つ覚えみたいにネッビオーロ1択のところだから、先ずドルチェットのオーダーは無いな~(^^;。でも、このワインはミディアムながら適度にフレッシュで快活な味わい。 少し甘みも感じる赤なんだけど、カルボナーラ仕立ての濃厚なパスタソースを鈍重に感じさせることもなく、すっと入って行く感じ。お薦めも「納得」でした[るんるん]


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 赤タマネギのリゾット。これは以前にも食べたことがあって、正直に云うと違うもの、この店で未だ食べた事の無い様な料理を僕は頼みたかったんだけど、同行友人がリゾットを所望。この日のコースで選べたのがこれだけだった・・・と云う後ろ向きな選択理由(苦笑)。でも、食せば美味しいからそんなコトすぐに忘れちゃうけど(笑)。バルサミコが効いていてちょっと甘酸っぱい様な味わい。アルデンテに炊かれたイタリアのまあーるいお米・カルナローリの食感、好きだなぁ~[黒ハート]


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◆プロドゥットーリ・ネッビオーロ・ディ・カレーマ( Nebbiolo di Carema)

 D.O.C.カレーマ(ピエモンテ)、葡萄品種はネッビオーロ100%。

 ピエモンテのネッビオーロ種ワインと云えば最上位がバルバレスコにバローロ(ともにD.O.C.G.)、あとは少し気さくなゲンメ(D.O.C.)くらいしか知らなかった僕が、これまでなかなか飲む機会が無いけどずっと気になってるワインにガッティナーラ(ヴェルチェッリ県)がある。共に近いエリアで同じブドウを仕込みながらも、テロワール的な理由からか、バローロの特徴的要素である濃いタンニンや酸味と云う点でハッキリと個性を異にするんだそう。ネッビオーロが好きで尚かつピノノワール(=ブルゴーニュ)もお気に入りなら、是非一度試してみて欲しいと薦められた事があるのだ。

 で、このカレーマはと云うと、バローロ・バルバレスコを擁するクーネオ県の北側上部に隣接するトリノ県の北部、冷涼な気候の高地に在ってネッビオーロが栽培出来る限界点に近いと云われる、人口700人ほどの小さな集落なんだって。まぁ、僕なんかが云ってしまうと相当に乱暴かもしれませんが、例に出したガッティナーラよりも更に、所謂マイナーアペラシオン(ごめんなさい[あせあせ(飛び散る汗)])なんでしょう。

 でもね、この日試してみたこのワイン。なかなかに好きかも[ハートたち(複数ハート)]。紅茶を思わせる様なオレンジがかった透明感があって、ほどほどのタンニンも有るけど口当たりは柔らか目。酸味も決して尖ってはいない。僕なんかが飲める範囲の、特に近年主流の早飲み指向バローロなんかに較べたら(パンチの有る無しの部分で)ちょっぴり古風で繊細なイメージを持つワインだ。僕はどうもこのワインも含めて、紅茶のニュアンスを感じるワインを無条件に気に入る傾向(?)があるみたいで、その点でもこのワインは好印象だったかも[わーい(嬉しい顔)]


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◆テッレ・ディ・メラッツァーノ / カンティナート キアンティ・クラシコ
Terre Di Melazzano(http://www.terredimelazzanowine.com/) / Cantinato Chianti Clasicco


 一方友人の貰ったワイン。こちらはピエモンテを離れてトスカーナ産。キアンティ・クラシコなので当然にサンジョヴェーゼのワインではあるんだけど、そこにメルロー10%とカベルネ5%を混醸。一口味見させて貰った限りでは、こんなにタンニンがたっぷり効いたワイン久し振りに飲んだなぁ~。口の中の水分が渋みで粗方一緒に持って行かれちゃうと思うくらいにクラシックな造り。サンジョヴェーゼなのにボルドー、それも、たった5%しか入っていないはずのカベルネ主体のワインみたいな錯覚に陥りそう[たらーっ(汗)]


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 この日のメインは、これらのワインに合わせて貰った・・・ではなく、この料理に合わせて2種のお薦めを頂いた、が正確なトコか(^^、の骨付きの仔羊。ミルキーなお肉だから、あんまりタンニンが強いワインだと厳しいかなぁ・・・とは友人がグラスで貰ったキアンティに対する僕の感想。でも、当のご本人はいたく気に入った模様。人の好みはそれぞれですね(^^。


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 食後は友人はワインが残っていたのでチーズを。僕は桜風味のカタラーナ。下にはちゃんと桜の葉が敷いてあって、塩味がほんのり効いていて、ほんとに桜餅みたいで面白い[exclamation]

 これにコーヒーと、いつも最後のお楽しみジャンドューヤ(ヘーゼルナッツのチョコね^^)と小さなクッキーを頂いてこの日の晩餐もフィニィート。

 最後にマダム(イタリア料理店だとスィニョーラで良いのかしらん?^^;)から2年前にお店を移籍した元スタッフK田さんの近況などを聞かせて頂くなどして、あっと云う間にほぼラスト・ゲスト状態(毎度のことですが・・・^^ゞ)。久し振りで楽しめたし、何より美味しゅうございました[わーい(嬉しい顔)]

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