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雨の土曜日を自宅で過ごす人のための北欧ジャズ・ヴォーカル [jazzっぽいの、好き?]

 フィーカ(Fika)って言葉、聞いたことありません?。スウェーデン語で「お茶の時間」ってことらしいんですけど、厳しく長い北欧の冬を自宅で過ごす上で、家族や恋人、気の合う仲間とお喋りを楽しむ為にお茶を用意して、キャンドルも焚いたりして、暖かく、ゆったりと過ごす生活習慣のことを指す言葉なんですって。

 今、日本はこれから梅雨に向かっているので、そんなFikaを引き合いに出すのも季節外れで場違いですが、まだもう少し、僕らは自宅で過ごす必要があるわけで、それだったら、自宅で上手に楽しくくつろぐ術を知っている北欧の国々の人たちから教わるスタイルもアリだなと、このところその手の事について書いてある本やサイトをよく眺めています。

 で、そんな時間のお供にぴったりな音楽と云ったら、それは北欧ジャズの女性ヴォーカリストたちの歌声かな、などと独断で僕はオススメしたいわけでして(^^;、あまり重くならないコンテンポラリなタイプを以下に5曲ほど、アーティスト、レコード・レーベルなどオフィシャルなものの中から選んでみました。



◆Malene Kjærgård Group / "Happy Feet" (LIVE)

 まずはデンマーク出身のヴォーカリスト、マレーネ・ケアゴーの2013年作アルバムのタイトル・チュ-ンをライブ収録動画にて。アルバムを購入した当時、この曲の軽妙な感じにかな~~~りハマって、結構な期間クルマの中でヘビー・ローテでした(^^。





◆Sidsel Storm / "This Moment"

 スウェーデン人ヴォーカリスト、シゼル・ストームの2012年作アルバム『Nothing In Between』からの1曲。ソングライティングもこなす彼女がレコーディングする楽曲はスタンダードは勿論のこと、時にモダンにフュージョン風、時にスウェーデン情緒たっぷりに子守歌風とバラエティに富んでいますが、この曲はコンテンポラリ+ちょっぴりフォーキーな味わいの仕立て。





◆Viktoria Tolstoy & Jacob Karlzon "Against All Odds"

 ヴィクトリア・トルストイと云うその名が示すとおりあのロシアの文豪の血筋、とはもう大分言い古されている枕詞で、ヴィクトリア自身はスウェーデン人。これは同郷ピアニストのヤコブ・カールソンとのデュオによる、彼女お気に入りのポップ・ナンバーのカバー集『A Moment Of Now』から、フィル・コリンズが1984年にシングルカットしてヒットさせたバラッド、『見つめてほしい』を。





◆Annekei & Something Borrowed : Burn (Ellie Goulding cover)

 ディメンジョンの増崎孝司(g)のバックアップの元で2006年に日本からデビューを飾ったアンナケイ。その後リー・リトナーの目に留まりアメリカ進出するも、ここ最近あまり話題に上らないけど、どうしてるんだろう?。僕はずっと長きにわたりリーのファンだけど、彼がプロデュースしたアルバム『Touch』(2009)に関しては断然それまでの日本制作作品の方が好みだった。アンナケイを無理矢理アメリカ人の女の子に仕立てても、ねぇ(苦笑)。自然を愛しシンプルなものを好む、穏やかだけど陰影が有ってどこか奥ゆかしい。そんな北欧的な感性って、静的なものを好む日本人の方が間違いなく理解力が有ると思うんだ。それは相性と云ってもいい。今は故国デンマークに戻って活動しているのかな?。結構好いヴォーカリストだと僕は思うし、彼女の書くオリジナルも好きだ。また日本でも歌って欲しいな。




   
◆Silje Nergaard / "Cocco Bello"

 パット・メセニーがプロデュースしたデビュー曲『Tell me where you'regoing』(1990)から数えて早30周年だそうで、ノルウェイの歌姫と呼ばれたセリア(シリエ・ネルゴール)も、彼女の歌をずっと聴き続けている同世代の僕も、結構いい歳になりました。イヤになっちゃうな(苦笑)。彼女も様々なジャンルの音楽をレコーディングしているので、近年は必ずしもジャズ的な音楽ばかりやっているわけじゃない。それでも、そのエッセンスには僕が感じることが出来る「ジャズっぽさ」が今もちゃんと通底しているから、僕はセリアの音楽から離れず、ずっと付き合ってる。今回ご紹介するのは、2017年発表のアルバム『For You a Thousand Times』から、ボッサ・タッチにアレンジされた彼女のオリジナル曲のビデオクリップを



 
 照明は暗めにして、キャンドルを焚いたりして、でもやっぱりお茶と云うよりはワインかな。生ハムとかおつまみ的なものも用意して・・・って、それじゃフィーカじゃなくてフツーにアペリテイフじゃん!との突っ込みが入りそう(笑)ですが、今、一番に足りないのが、そう云って笑い合える友人たち。今は誰も傍に居ない、会えない、って事実。淋しいし、退屈じゃのう[もうやだ~(悲しい顔)]。今更振り出しに戻るのなんて沢山なので、もう少し安心出来る様になるまでは、じっと我慢はしますけど、ね。




【追記】

 このエントリを読んでくれた友人から「ヒュッゲ(Hygge)」は知ってたけど、「フィーカ(Fika)」は知らなかったとLINEを貰いました。それって、デンマークとスウェーデンのお国言葉の違い、細かい意識の差異などは有っても近い習慣の様です。ここ日本ではヒュッゲの方が言葉としては広く知られてる(?)かもしれませんね(^^。同じく北欧の国、フィンランドでは「kahvitauko(カハヴィタウコ)」、ノルウェーには「コーシェリ(Koselig)」が同じ様な言葉に該当するそうです。はて?、でも僕はフィンランドについて書かれた物を読んでヒュッゲって言葉を知ったつもりでいたけど、どこかで混同してしまったのかな(^^;[あせあせ(飛び散る汗)]

 僕が今回言葉として「フィーカ」を選んだのは、このエントリを書くに当たってイメージしていた光景が有るんです。それは昨年末のクリスマス・グリーティング(→ https://ilsale-diary.blog.ss-blog.jp/2019-12-19)でご紹介したスウェーデンのアカペラ・ユニット、リアル・グループの”Pass Me The Jazz”のビデオ・クリップ。その中では、まだ外の明るさも残るテーブルにキャンドルが点され、ちょっとつまめるお菓子とコーヒー・ポッドが幾つも用意されていて、まさに「フィーカ」なムード。親しい友人たちを招いて親密な空間でライブを楽しんで貰う、と云ったふうな光景なのです。リンクを付けてありますので、興味がございましたらご覧になってみて下さい(^^。



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