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ジャン=ジャック・エンネル / 『牧歌(Eglogue)』 [ART]

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◆ジャン=ジャック・エンネル(Jean-Jacques Henner:1829-1905) / 『牧歌(Eglogue)』1879年頃
 パリ市立プチ・パレ美術館蔵

 暮れ時なのだろうか。陽光が感じられないグレイの空と暗い森。小川なのかそれとも池なのか、その水辺のほとり左右に裸身の女性が二人、スポットライトに浮き上がる様に描かれている。左に配されたその内の一人は真横を向いて野に座り、縦笛を口にしている。もう一人は、何かの構造物の一部なのだろうか、真っ直ぐに切り出された石台の様な物に左肘を乗せて頬杖を付き、そちらの方向にやや体を傾げて立っている。画面正面のこちらに向ける表情はうつむき加減の様に見えるも、特には感情が表出しているわけでもなく。彼女たちは普通の人間の女性なのだろうか。それとも森や水のニンフ(精霊)や楽園の女神として描かれているのだろうか。どこか謎めいていて情景が読めない。ちょっとミステリアスな絵だな、と思う。

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Antony Gormley / "Reflection" [ART]

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 東京・竹橋の国立近代美術館所蔵のアントニー・ゴームリー作『Reflection(リフレクション 反映・思索)』は、この写真を撮った2013年当時は2階皇居側の窓の傍に展示されていた。


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ラファエッロの『ゲッセマネの祈り』とシャヴァンヌとマルタンと [ART]

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◆ラファエッロ・サンツィオ(Rafaello Sanzio :1483-1520) / 『ゲッセマネの祈り』 (1504年頃)
 メトロポリタン美術館蔵

 2022年に乃木坂の国立新美術館で開催されたメトロポリタン美術館展。当時は新型コロナの流行未だ衰えずと云った具合で、僕も外出は必要最低限。特に電車など公共交通機関を使って出掛けるなど極力避けていた様な時期だった。それでも、どうしても電車で都内へ出向かなくてはいけない用事が出来て、どうせ出掛けるなら序でだ、折角だから、その時にやっていたこの展覧会を観に行こうと考えた。幾つか他にも候補が有った中でこの展覧会を選んだ理由は、ラファエッロ(ラファエロ・サンティ)のこの絵を、実際に自分の目で間近から眺めてみたかったから。
 

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行く年(2023年の大晦日に) [ART]

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◆山尾侶之 / 海士玉採図石菖鉢(あまたまとりずせきしょうばち:1873=明治06年)  銅鋳製 東京国立博物館蔵

 2023年もあっと云う間に大晦日。
 去りゆく卯年に因んで、鉢を支えて懸命に踏ん張る[手(グー)]ウサギの図。・・・なんですが、この写真だと支えてると云うよりもぶら下がってる様にしか見えない?(^^;。



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杉浦非水の年賀状とイソップ寓話のウサギとカエル [ART]

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 僕はこれからですが、早い方なら既に準備をすっかり終えて居られるかもしれませんね。12月も中旬ですから、もう来年の年賀状の事を考えなくてはいけない時期です。とは云っても、未だ葉書さえ買っていませんけど(^^;。

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December(祈りとルート・ブリュク ) [ART]

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 何だかついこの間まで夏が終わらないままでずっと続いていた様な気がしていたのに、いつの間にやら、もう12月の声。今年のカレンダーも最後の1枚を残すだけ。何だか、まるで実感湧かないなぁ・・・。それでも、年内に1回会おうよみたいなお誘いも立て続けに幾つか入って来たりして、否が応でも年末を意識せざるを得なくなる。気が付いたら、あっと云う間にクリスマスだなんてふうになっちゃうんだろうな。


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L'Absinthe(アブサント) / エドガー・ドガ [ART]

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◆エドガー・ドガ / 『アブサント』(1875-76)オルセー美術館蔵 
※上に掲載した絵の画像には、人物を中心としたトリミングを施してあり、絵の一部をカットしています

 物憂げな女は何を思うのか、力無く肩を落とし、どこを見るともなく虚ろな眼差しを下向きに送っている。同席する、お世辞にも品の良い紳士には思えない身なりの男の視線も隣の彼女に向けられてはいない。別の事に心を囚われているのか、それとも何かを物色しているのか、ギラついた視線でパイプを燻らせる。二人は一体どう云う関係性で1つのテーブルを共にしているのだろう。向かって左のテーブルには水が入っているのだろうガラスのフラスコが置かれ、女のすぐ手元には黄色味を帯びた乳白色の飲み物が入ったグラスが置かれている。これがこの絵のタイトルの由来ともなっている酒、アブサントだ。


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翼を持つライオン [ART]

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 ふと思い出した、2005年に旅した際にオルセー美術館で撮った1枚の写真。猛々しいライオンの横で、ご夫婦らしき年配のお二人が仲睦まじく座って居られる光景。

 この時の僕は、当初、ただこの彫刻作品だけを撮影するつもりでファインダーを覘いた。でも、こんな会話が聞こえてきそうな気がし始めて、お二人を入れた構図で写真を撮りたくなった。

 「大きい美術館だねぇ、何がどこに飾ってあるのか、まるで分からんよ」。収蔵品リストと睨めっこするご主人の隣で奥さんが呟く。「こんなにも広いと疲れちゃうわねぇ」・・・なんてね(^^。


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丑牛ウシうし / 絵画に描かれた牛集めてみました^^ [ART]

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 今年もブログ用新年のご挨拶に干支絡みの絵を使おうと、候補にすべく牛の絵を幾つか選んで眺めていました。で、思ったんです。牛の描かれている絵って、そのほとんどが長閑で平和なんですよね~。見てると穏やかな気持ちになれるんです。過去これまでは、牛の絵を見てそんなふうに思うことなんて余りなかったんですが、これってやっぱり新型コロナ渦の影響が僕の気持ちに作用しているのかなぁ[もうやだ~(悲しい顔)]。癒やしが欲しい??。

 そんなことを考えていたら、何だかもっとたくさん牛の絵を眺めてみたくなりました。せっかくだから、気に入ったものをブログに並べてみようかな(^^。


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タグ:印象派
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庭のオブジェ散策 / 神奈川県立近代美術館葉山 [ART]

2019年12月21日(土曜日)
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 京急の快速と、たとえ自分で運転していなくてもあの海岸通りの細い道路のすれ違いには毎々ひやひやさせられる(^^;バスを乗り継いで、久し振りにやって来たのは神奈川県立近代美術館・葉山館



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