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ワイン日記・・・⑫サッシカイアとアンティノリ [そとごはん、そとワイン]

2月18日(日曜日)

 僕の友人の中で、間違いなく「いちばんにアルコールにいやしい」と断言しても、きっと知人のほとんどが即座に頷いてくれるだろうY氏の誕生日が21日なので、この日はちょっと早い誕生会。そうは云っても特別な趣向が有るわけではなく、至って普段通りの飲み仲間3人組で、いつも通りにLe Chaponへ。

 唯一いつもと違うのは、テーブルにサッシカイアとアンティノリのブルネロなんて、ちょっと贅沢めなワインが揃って乗っちゃってること、かな(笑)。トスカーナはボルゲリの、イタリア・ワイン好きには憧れの2大ワイナリーのワインを飲むのは僕も初めて。さてさて、どんな味がするんだろうね。






de Canteneur Brut / カントナール・ブリュット NV

 僕がこんなにシャンパン好きになる以前は、特には泡モノを積極的に飲んでいなかったY氏だけど、ここ半年くらいは僕と飲む時は「もれなくシャンパーニュ付き」になっているので、すっかり泡好きになってしまっている。たまに無いと、「今日は泡ナシか~、さびしいなー」などとヌカす始末。すっかりシャンパン・ラヴァーとして洗脳されちゃってるんだよね(笑)。

 この日は誕生日のお祝い会なので、このカントナールはY氏と非常に懇意にしているLe Chapon・O氏よりの差し入れ。ごちそうさまでーす(^^。誕生日より差し入れにかんぱーい(笑)。

 以前から詳しいことは気にせず飲んでいたこのシャンパーニュ。ヨソでは少なくとも9000~10000円オーバーでリストに載せられていることが多いのだけど、Le Chaponではとっても良心的な値付け。なんとフルボトル5800円なのだ。レストランで飲めるシャンパーニュとしてはめちゃくちゃ安いでしょう~?。

 カントナールはエペルネ市の南西約2キロのピエリー村で創設1905年に創設されたメゾンで、自社畑を12ヘクタール所有して、主に大手に製品供給をしていた他、若干量をRMとして販売していたそうだけど、2000年にフランス・ワイン界の立志伝中の成功者、ラドウセット男爵買収されて以来、徹底的に改良に取り組んでいる気鋭のシャンパン・メーカーなのだとか。※要旨『シャンパンのすべて』(山本博著)より

シャンパンのすべて

シャンパンのすべて

  • 作者: 山本 博
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/08/29
  • メディア: 単行本

 このブリュットのセパージュはシャルドネが中心で60%、残りがピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ10%の配合。すっきり爽やかでありつつ、黒葡萄のコクもちゃんと感じさせて、トータル・バランスの良い味わい。特出した個性は感じないけど、食事をしながら飲むとどんどん進んじゃう。いつの間にか、あれ、もう無いの?って感じ。これって、食中酒としてはとても大事。食べる物を選ばず楽しめちゃうってことだから。


 久し振りに色の付いたトリュフ・・・などと云ってはバチが当たる?(笑)、黒トリュフのサラダ。でもね~、白トリュフと較べたら香りにも味にも刺激が少ないなーと素直な感想を述べたら、一言「嫌われるよ」と友人に冷たく云い放たれてしまった。うん。僕もそう思うよ。間違いなくね(苦笑)。


 プーレ・ジョーヌ(黄色い鶏)のソーゼージ仕立て。
 赤毛地鶏のプーレ・ジョーヌはフランス国内では最もポピュラーで人気のある鶏肉で、黄色みを帯びた皮色でそう呼ばれているそうな。ソーセージ仕立てと云うのは棒状に巻いているからなんだけど、どっちかと云ったら鶏ハムって感じじゃない?。僕は美味しい鶏が大好きだけど、このお肉はクセも臭みなく味が濃い。O氏も「ウチはこだわって使ってますっ!」と鼻息が荒くて、僕にこのステッカーのラベルを写真に撮ってblogで使うようにとしきりに強要(笑)。



SASSICAIA 2001 / サッシカイア 2001

 やっぱり、どうしたって1回は飲んでみたいスーパー・タスカンの代名詞、サッシカイア。
 グラスに注ぐと濃いガーネット色。抜栓後1時間くらい経過させたものを口に含む。そこそこに強いタンニンと、飲んだ後に鼻に抜けるミントのような爽やかなハーブ香がした。程良い酸味で甘みは少なめ。あまり肉厚な感じはしなくて、イタリア・ワインと云うよりも、確かに云われているとおりにボルドー的味わいのワイン。トスカーナの革命児と云うイメージで考えていたせいか、僕は勝手にやんちゃで元気の良いワインを想像していたけど、随分スマートで品の良いワインなんだなぁ~と云う印象を持った。

 面白いことに、そもそもサッシカイヤの先代(マリオ・インチーザ公爵)がイタリア・ワインが嫌いな人で、戦争で大好きなボルドーワインが飲めなくなってしまい、友人であるシャトー・ラフィットのロスチルト男爵に相談したところ、ラフィットのカベルネ・ソービニヨンとカベルネ・フランの苗木を分けてくれたのが、サッシカイアのそもそもの興りなのだそうだ。だからサッシカイアはスタイルのみならず品質もボルドー的なのは当たり前。当然に長熟タイプなので、この日飲んだ2001年なんて、本領発揮はまだまだ先のこと。今飲んだって美味しくはあったけど、絶対に若過ぎなんだよね、実際は・・・。



ANTINORI / Pian Delle Vigne Burunello Di Montalcino 2000

 サッシカイアに輪を掛けてスマートで品が良い味わいだったのがこのアンティノリのブルネッロ。この2銘柄は元々近い親戚筋(現当主は従兄弟同士)で、初期のサッシカイアには製造、マーケティング共にアンティノリの助力やノウハウが多く注入されていたそうだから、味わいの傾向もよく似ているのだろうか?。ブルネロ種と云えば、僕には酸味と味の力強さがイメージとしてあるのだけれど、こちらもさに非ず。ヴェルヴェットの様にスムースで、とても優しく上品な味なのだ。

 はぁ~っ。ボルゲリの貴族のテーブルに毎晩上るのは、こんな味のワインなのかもねぇ(溜め息)。

 Y氏の希望で、この日のメインはイタリア・ワインに合わせてポルペッティーノをアラビアータ・ソースで。・・・って、これって普通にイタリア料理じゃん(笑)。でもプロバンスにも似たような料理はちゃんと有るんだって。その料理の名前まで教えて貰ったのに、結局きれいさっぱり忘れてしまった(苦笑)。


 要は肉団子だから素朴な料理だけど、2つのトスカーナ・ワインを飲み較べながら食べるポルペッティーノはまた格別。美味しかった~。何より、主役のY氏も満足したみたいだし(^^。

 サッシカイアとアンティノリ。飲み較べた感想ははっきり云って、今の時点だけでなら、コストパフォーマンスを考えればサッシカイアの半額くらいで早く飲めるピアン・デッレ・ヴィーニェの断然勝ちかもしれない。でも、5年後、10年後はまた僕の評価だって違ってくるのかもしれないんだよなぁ。そう考えるとワインの味の変わりようって、本当に不思議で、そして、面白いもんだよね。


 最後は、僕が好きだからって理由でシャンティイ・クリームをたっぷり使ったデザート。でもこの日は僕の誕生日じゃないんだよ(笑)。

 シャンティイ・クリームはそもそもフランスのシャンティイ城http://www.chateaudechantilly.com/japonais/index.html)発祥らしくって、僕は現地では食べなかったけど、昨年行ったパリの気さくな庶民派レストラン、シャルティエ(※参照過去記事→http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-05-07)にも“COUPE DE CREME CHANTILLY”って、カップに盛られて来るのはこのクリームだけ!と云うユニークな名物デザートがあるのだ。

 レストランならではの8分立てのかるーい生クリームはたくさん食べても全然もたれない。3種のベリーとミントのアイス・クリームとの取り合わせで、手前にある茶色いのはミニ・エクレア。これ、毎回食べたいな~。


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バニラ

ただいまアルコール禁止令がでているので(自分で勝手に発令してるだけで、それもいつまで持つかわからないけれど...)
デザートの山盛りのクリームにくぎ付け~♪
これだけ?食べに行きたいです。 こうして誰彼の誕生日にかこつけて?
集まって食事をする仲間がいるってすばらしいですね。
う~、お店の雰囲気なつかしい~。 
by バニラ (2007-03-11 10:06) 

TaekoLovesParis

わぁ~贅沢。いいですねぇ。
yk2さんの料理写真を見ていると、昔、母がとっていた雑誌「家庭画報」の料理ページを思い出します。佐伯義勝という料理写真家でした。かなり大きくアップして撮る、色がきれい、つやつやして見えるという今までにない感じだったんですよ。その頃は。
そういえば、肉団子って家庭料理だから、久しく食べてない、、この店はプロバンス料理だから、イタリアンに近くて、ソースアラビアータが出るんですね。フランスワインでもイタリアワインでも両方OKで、都合のいい便利な店ですね。
by TaekoLovesParis (2007-03-11 12:51) 

yk2

バニラさん、こんばんは。
アルコール禁止令発令中ですか?。
僕は今日は珍しく休肝日。いつ以来だろう?(^^;。

こう云うクリームだっぷりでフルーツを食べるのって、フランスではポピュラーな食べ方みたいですね。taekoさんとこにも出てたでしょ?。クリームが軽いのでほんとにサッパリと食べられちゃうんですよ。こうして食べると、例えばショートケーキは食後には少し重いけど、それはクリームのせいじゃなくってスポンジがあるからなんだ!って改めて気付きます。

>う~、お店の雰囲気なつかしい~。

是非是非また行ってあげて下さい。
もう白アスパラの季節ですから。
by yk2 (2007-03-12 23:01) 

yk2

taekoさん、こんばんは。
写真家さん、他人とは思えません(謎&笑)。

婦人画報はウチの母も時々読んでましたよ。
だから僕も子どもの頃から料理の写真が載ってる本を見るのが大好きでした。

それはまだ僕が2歳くらいの時のこと。
ひどい自家中毒を起こして入院。それも、かなり重症だったそうで危険な状態だったそうなんです。もちろん、何も食べられません。そのさなか、病室においてあった母の料理本に手を伸ばし、写真を手で掴んで口へ持って行く仕草をしたと云う、涙ナシには語れない(?)食い意地張ったエピソードを持ってたりします(もちろん、僕は記憶無し)。

その頃から、なるようにして、今が在るってコトでしょうか(苦笑)。
by yk2 (2007-03-12 23:18) 

シェリー

こんばんわ~
シャンパンラヴァーの輪が広がってて・・・嬉しいですね☆
フルボトル5800円でシャンパン飲めるなんてちょっと驚き。羨ましいです。
素敵なお仲間で、美味しそうな誕生日会ですね~
サッシカイヤ・・・私も一度は飲んでみたいなぁ。
てんとうむしさんの目がハートになると聞けばなおさらに!
私実ははパッケージ買いで、ワインより先にグラッパ買ってしまいました(汗)でも飲もうと想う機会ないんです・・・やっぱりまずワイン飲みたいです。
by シェリー (2007-03-13 20:28) 

plot

ご無沙汰です。
サッシカイアとブルネッロ、いいな!
日本に居る間は向こうでは見つからない新大陸ワインや日本のワインを飲もうと決めていたのだけど、我慢できなくなって昨日、家の前のサミットで安物キアンティを買ってしまいました。現地の1.5Euroの紙パックワイン並。でもホッとしてしまうのは、単にサンジョヴェーゼ中毒ってことでしょうか?
by plot (2007-03-13 22:41) 

julliez

サッシカイア、90年代半ばからはどうしてもピンと来なくて、大騒ぎされた頃と違う人のように思えてなりません。
ふつうに美味しいボルドーっぽいワイン。
(つまりイタリアっぽさが消えてつまらなくなったって事ですが)
私はイタリアワインにはイタリアっぽい色気があるワインが好きです。
中でもネッビオーロよりブルネッロの方が好きですねぇ~♪
サンジョベーゼでガブガブ楽しいイタリアンは最高です。

ところであの「センセー」の高いシャンパン本をまさか買ってしまったんですか?
by julliez (2007-03-14 00:04) 

yk2

シェリーさん、こんばんは。

ふふ、5800円でフル・ボトル安いでしょ?。
実際どう考えても普通は有り得ない値付けだと思います。某シャンパン情報通さん(笑)も「そんな値段で出しちゃってるんですか!?」とお店で驚いてましたから。

サッシカイヤのグラッパ!。それもパッケージ買い・・・ってシェリーさんのことだから、ひょっとしてオリジナルのグラッパ専用グラス付きのやつ?(笑)。実は僕が欲しかったりして・・・(^^;。

グラッパ、いーじゃないですか、普通に食後に飲めば~。
僕はね、ちょっとイレギュラーかも知れないけど、バニラのアイスクリーム食べながら飲むのが好き。温かいアップルパイが一緒(要はアップルコブラ)だとさらにうれしいかなー(^^。
by yk2 (2007-03-15 02:28) 

yk2

洋一さん、こんばんは。
ようやく絵も仕上がって一段落されたところでしょうか?。お疲れ様でした。

>我慢できなくなって昨日、家の前のサミットで安物キアンティを
>買ってしまいました

それって、サンジョベーゼ禁断症状ってヤツでしょうか?。
すっかり身も心もトスカーナの人になってしまったんですね(^^;。

洋一さんさえお暇なら、いつでもお付き合いしますよ~、ブルネッロ持って。
さすがにサッシカイアは買わなきゃ無いけど、ルピカイアかブランカイアのイル・ブル、もしくはアンティノリのティニャネロでしたら待機させてますから、洋一さんと一緒ならどれでも開けちゃいますけど~(笑)。
by yk2 (2007-03-15 02:52) 

yk2

julliさん、こんばんは。
90年代半ばからは普通の人なの?、サッシカイア??。
確かにこれ、知らずに飲んだらイタリアのワインだとは思えないかなぁ。ボルドー、だよねぇ。普通じゃなかった頃のを飲んでみたいけど、値段も普通じゃなくなっちゃってるよね、きっと(苦笑)。

>中でもネッビオーロよりブルネッロの方が好きですねぇ~♪

最近飲んでるイタリア・ワインはバローロもブルネッロも、どちらかと云うと優しくて柔らかい口当たりのワインが多くて、たまにはjulliさんが好まないような強いイタリアンに当たりたいなぁ~と密かに思うワタクシです(^^ゞ。

本は、シェリーさんには「高い~!」って云っちゃってたクセに結局買っちゃいましたが、何か?(笑)。
by yk2 (2007-03-15 03:04) 

yk2

manbouさん、あのね~(苦笑)。
そりゃ飲まない日だって有りますってば!。
ま、この日は前日飲み過ぎたから、単に欲しなかっただけだけど・・・(^^;。

>今夜は飲まないゾと、決めていたのに・・・

・・・ってコトは、飲んじゃったワケね(笑)。
by yk2 (2007-03-15 03:11) 

yk2

罪着セラレシ杯ヲ慰メ、君ヲ惑ワス甘キ葡萄酒モケッシテ憎マズ、誓イヲ破リ口ヅケタmanbouヲコソ戒メ給ヘ(笑)。
by yk2 (2007-03-15 12:36) 

シェリー

正解です。なんで解ったんだろう(笑)
グラスセットのグラッパ。あのGoldの缶に一目ぼれで
気がつくと買っていました(笑)
アイスとグラッパいつかかっこよく試してみます~
by シェリー (2007-03-16 00:39) 

yk2

あれ~、manbouさん「うぎゃ・・・っっっ」だなんて、なにかバチでも当たっちゃいました?(大笑い)。
by yk2 (2007-03-16 06:56) 

yk2

シェリーさん、やっぱりね~。
だって、今でもあれ、欲しいんですもん(笑)。

アイスとグラッパはね、家で食べるなら、かっこよくなんて少しも気にしないで、片手にアイスでスプーン口にくわえたまま、パジャマで映画見てるよーなリラックスしたもので良いんじゃないかと思いますよー(^^。
by yk2 (2007-03-16 07:05) 

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