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ジャン=ジャック・エンネル / 『牧歌(Eglogue)』 [ART]

Henner_Eglogue1879.jpg
◆ジャン=ジャック・エンネル(Jean-Jacques Henner:1829-1905) / 『牧歌(Eglogue)』1879年頃
 パリ市立プチ・パレ美術館蔵

 暮れ時なのだろうか。陽光が感じられないグレイの空と暗い森。小川なのかそれとも池なのか、その水辺のほとり左右に裸身の女性が二人、スポットライトに浮き上がる様に描かれている。左に配されたその内の一人は真横を向いて野に座り、縦笛を口にしている。もう一人は、何かの構造物の一部なのだろうか、真っ直ぐに切り出された石台の様な物に左肘を乗せて頬杖を付き、そちらの方向にやや体を傾げて立っている。画面正面のこちらに向ける表情はうつむき加減の様に見えるも、特には感情が表出しているわけでもなく。彼女たちは普通の人間の女性なのだろうか。それとも森や水のニンフ(精霊)や楽園の女神として描かれているのだろうか。どこか謎めいていて情景が読めない。ちょっとミステリアスな絵だな、と思う。

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