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Antony Gormley / "Reflection" [ART]

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 東京・竹橋の国立近代美術館所蔵のアントニー・ゴームリー作『Reflection(リフレクション 反映・思索)』は、この写真を撮った2013年当時は2階皇居側の窓の傍に展示されていた。


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 バルコニーに佇み、建物の外から中を伺っている。


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 彼は2001年にやって来て、それからずっとここに立ち続けているのかな?。

 この場所に在っては、余程の暴風雨でもなければそうそう雨に直接当たる事も無いだろうけど、それでも12年の歳月が経過しているんだ。そのせいなんだろう、鋳鉄の身体には錆が生じて、後ろ姿が赤く染まっている。


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 一方建物の内側には、バルコニーの「彼」と差し向かいで、全く同じポーズをとるもう1体の「彼」がいる。

 ベランダ側からの「彼」はガラスのミラー効果で反映され、それを観る僕らは「彼」の虚像を目にしているかの様でいて、実はガラスの向こうから正対する実体も同時に重ねて見ている、と云う仕掛け。ちょっと人を食ったと云うか、トボけた妙味が有ると云うか。僕はこの時が初めてのゴームリー作品との出会いだったけど、彼の名前は確りと僕のアタマに刻み込まれた。


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 以下に神奈川県立近代美術館葉山で行われた彫刻展示プロジェクト『TWO TIMES(ふたつの時間)』(https://gormleyinhayama.blogspot.com/p/blog-page_4749.html)に寄せられたゴームリー自身のメッセージを引用、ご紹介しましょう。

 作品は、いうならば身体図<コーポグラフ>です。身体によって図が記され、その結果、時が止まるのです。

 歴史的に西欧の彫刻は、もっぱら動きに関心を払って来ました。しかし私がほめ称えたいのは、 不動と沈黙、という彫刻の特質なのです。私は、この彫刻が私たちにとっての今という時間を変化させる触媒となってほしいし、この彫刻がこれを見る私たちと、空間・時間・自然とをつなぐもの であってほしい、と願っています。

            アントニー・ゴームリー Antony Gormley






◆ゴームリーに関連する過去記事
 ・サヨナラ、カマキン(神奈川県立近代美術館・鎌倉本館):https://ilsale-diary.blog.ss-blog.jp/2016-02-07

 ・庭のオブジェ散策 / 神奈川県立近代美術館葉山: https://ilsale-diary.blog.ss-blog.jp/2019-12-30


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