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jazzっぽいclassicとclassic風味のjazzと [jazzっぽいの、好き?]

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 手持ちのCDからのチョイスで、ジャズ・プレイヤーの演奏するクラシックとクラシック演奏者がプレイするジャズっぽい楽曲を集めてプレイ・リストを作成してみました。収録タイムはいつもどおりCD-R1枚分(80分)に収まる曲数にて。youtubeは全てアーティストの公式チャンネルまたはトピックチャンネルにて構成しています。

01. Thomas Enhco / ”Kinderszenen op. 15" About foreign lands and peoples
02. Cæcilie Norby with Lars Danielsson / "The Dead Princess"
03. Duo Jatekok / "Points on Jazz for Two Pianos: IV. Fugue"
04. Bria Skonberg / "Gymnopedie"
05. Baptiste Trotignon / "SARABANDE" From Partita in C minor
06. Lisa Batiashvili / " Adios Nonino"
07. Ulf Wakenius / "Gnossienne"
08. Viktoria Tolstoy & Jacob Karlzon / "NORTHERN STAR"
09. Claudio Filippini / "K 135"
10. Claudio Filippini / "Impro K 135"
11. Lee Ritenour & Dave Grusin / " "PAVANE, Op. 50"
12. Alice Sara Ott / "Rêverie, L 68"
13. Stacey Kent / "DOUBLE RAINBOW"
14. Quatuor Ébène / "LIBERTANGO"
15. Yaron Herman / "Blossom (Var. 1)"
16. Elizabeth Shepherd / "Sicilienne"




◆Thomas Enhco / ”Kinderszenen op. 15" About foreign lands and peoples (Composer: Robert Alexander Schumann)
[CD]収録アルバム:『SOMEDAY MY PRINCE WILL COME』(2009)

 今回のエントリの趣向を思いついて、久しぶりにトーマス・エンコのピアノを聴く。デビュー以来、続く作品の中でも本道のジャズに加え、エッセンス的にクラシックの楽曲を織り交ぜてレコーディングしているトーマスなのだが、僕の記憶の中ではやはり日本でのデビュー・アルバム、『Someday My Prince Will Come』の冒頭1曲目に据えられていたこのシューマンが思い出深い。柔らかで愛らしい旋律。当時は殆どクラシックに縁が無かった僕でも、素直に聴き入ってしまう瑞々しいピアノの音色。ここ日本ではこのところ彼に関する情報が少ない様だけど、最近のトーマスはどうしてるんだろう?。

 少し検索してみると、このところ日本のレコード会社からの作品リリースは行われておらず、輸入盤のみの展開になってしまっているみたいだ。それでも相変わらずジャズとクラシックを股に掛けて活躍している模様。2019年にはソニー・クラシカルに移籍、レーベル第一弾となる『Thirty』をリリースしているそうで、僕は未聴ながらそこから思うに、もしかすると今の彼の音楽はより一層クラシック的なアプローチが増しているのかな、なんてふうにも想像している。

・関連過去記事 → (https://ilsale-diary.blog.ss-blog.jp/2011-09-27





◆Cæcilie Norby with Lars Danielsson / "THE DEAD PRINCESS" (Composer: Maurice Ravel)
[CD]収録アルバム:『ARABESQUE』(2010)

 このモーリス・ラベルの名曲『亡き王女のためのパヴァーヌ』がお好きな方は、誰でもきっとロマンチックでストレートに美しいものがお好みなんだと想像している。それを踏まえて、デンマークのジャズ・ディーヴァ、セシリア・ノービーのこのヴァージョン。好き嫌いが大きく分かれそうだなぁ~なんて、ついつい余計な心配をしてしまう。彼女の声がかなりハスキーだからなぁ(^^;。

 僕はセシリアの音楽を1995年に発売された日本デビュー作以来ずっと聴き続けているので、お洒落で颯爽としたカッコイイ当時のイメージを今もず~っと持ち続けている。けれども、最近の彼女のパフォーマンスはやや演劇掛かったアプローチが増している風にも思えて、その表現力の豊かさと声の質から、つい、おとぎ話に出て来る「魔女」の様にも思えてしまう時が有ると正直に告白しておきます。「おまえが程良く太ったら、この大鍋で煮て食べちゃうぞ」・・・みたいな(笑)、なんて書いたら、間違いなくら怒られちゃいそうだけど(^^ゞ。





◆Duo Jatekok / "Points on Jazz for Two Pianos: IV. Fugue" (Composer: Dave Brubeck)
[CD]収録アルバム:『LES BOYS (Poulenc, Trotignon, Brubeck)』(2018)





◆Bria Skonberg / "Gymnopedie" (Composer: Erik Satie)
[CD]収録アルバム:『SO IS THE DAY』(2012)

 陽気なサッチモ的南部フィーリングを満々に湛えて、2014年にポニー・キャニオンからの2枚組アルバム『イントロデューシング』で日本のジャズ・ファン達にもお披露目された女性トランペッター&ヴォーカリスト、ブリア・スコンバーグ。この時の2枚組は実は本国アメリカでは2012年にリリースされたデビュー作『SO IS THE DAY』と2作目の『IN TO YOUR OWN』(2014)を2in1にまとめたCD作品だった。そのデビュー作に、ジョニ・ミッチェルの『Big Yellow Taxi』をノリノリでカバーしたそのあとに1曲のみ、毛色が全く違うというか、意表を衝く選曲でサティが録音されている。初めてこのブリア版『ジムノペディ』を耳にした時には思わず「えっ!?」と声に出してしまった記憶があるもの(^^。パーカッションのソロパートから導かれるビッグバンド・スタイル。ラテン風味も感じる異色のサティ。中間部のアドリブ・パートなど見事にジャズとして仕上がっていて、僕はこのアレンジ、大好きだ。





◆Baptiste Trotignon / "SARABANDE" From Partita in C minor (Composer:Johann Sebastian Bach / Baptiste Trotignon )
[CD]収録アルバム:『YOU'VE CHANGED』(2019)

 1999年デビュー作が日本の澤野工房から紹介された頃(2003年)にはフランスのイケメン・ジャズ・ピアニストと持て囃されたバティスト・トロティニョン。今も相変わらずのイケオヂであることには間違いはないけれど、近影はこのジャケ写より更に随分落ち着いたふう(^^ゞに見えたりもするけど、1974年生まれで今年丁度50歳になる彼は、最近では自身のルーツ的ジャンルであるクラシック方面でも活躍が目覚ましく、22年には全編オーケストラ編成作の『ANIMA』をリリースするなど、ジャズ以外のリスナーの耳目も集めている。ここで紹介させて頂いているのは2019年発表のアルバム『YOU'VE CHANGED』に収められた儚げで美しい旋律のバッハの小品を。





◆Lisa Batiashvili / " Adios Nonino" (Coposer: Piazzolla)
[CD]収録アルバム:『CITY LIGHTS』(2020)





◆Ulf Wakenius / "Gnossienne" (Composer: Erik Satie
[CD]収録アルバム:『MOMENTO MAGICO』(2014)





◆Viktoria Tolstoy & Jacob Karlzon / "NORTHERN STAR" (Composer: Gabriel Fauré "Après un rêve")
[CD]収録アルバム:『A MOMENT OF NOW』(2013)





◆Claudio Filippini / "K 135" (Composer: Domenico Scarlatti )


◆Claudio Filippini / "Impro K 135" (Composer: Claudio Filippini )
[CD]収録アルバム:『OVERFLYING』(2016)※2曲とも

 ここでは同じピアニストのソロ曲を2つ続けて。イタリアの俊英クラウディオ・フィリッピーニが同郷イタリアのバロック期に活躍した作曲家ドメニコ・スカルラッティ(Scarlatti, Domenico:1685-1757)の楽曲を原曲のままクラシックの手法でと、彼が自由に膨らませたジャズ・インプロヴィゼーションにて弾き分けているもの。

 スカルラッティは僕にとってはほとんど馴染みの無い音楽家でしたが、大好きなアーティストである”プロフェッサー”、ボブ・ジェームスが1988年に『The Scarlatti Dialogues』のタイトルでコンピュータを駆使し演奏したスカルラッティ作品集をリリースしているのでCDにて購入、その名を知るところとなりました。





◆Lee Ritenour & Dave Grusin / " "PAVANE, Op. 50" (Composer: Gabriel Fauré:)
[CD]収録アルバム:『AMPARO』(2011)





◆Alice Sara Ott / "Rêverie, L 68" (Composer: Claude Debussy)
[CD]収録アルバム:『NIGHTFALL』(2018)





◆Stacey Kent / "DOUBLE RAINBOW" (Composer: Antonio Carlos Jobim)
[CD]収録アルバム:『I KNOW I DREAM 〜The Orchestral Sessions』(2017)


 このページにて紹介する楽曲の内、どうしてこの曲(DOBLE RAINBOE=CHILDREN’S GAMES)がクラシック音楽と関係が有るの?、といぶかしく思われる方もいらっしゃるでしょうね(^^ゞ。この曲の作曲者はボサノヴァの父とも呼ばれるアントニオ・カルロス・ジョビンです。彼はドビュッシーを敬愛し、多大な音楽的影響を受けていると隠さず公言していました。そんな事も有り、幾つかのジョビンの楽曲にはドビュッシー作品を思い起こさせるメロディー、フレーズが存在します。「あ、このメロディってきっとたぶん・・・」。僕は彼の音楽を聴きながらそんな発見をする度に、ジョビンがどのドビュッシーがお気に入りだったのかを知れた様な気持ちになって、それがちょっと嬉しかったりします。逆にも云うと、ジョビンが好きだったんだろうなと思えたから、僕は『夢(Rêverie)』がお気に入りのドビュッシー作品になった、とも云えるかな(^^。





◆Quatuor Ébène / "LIBERTANGO" (Compser: Astor Piazzolla)
[CD]収録アルバム:『BRAZIL』(2014)

 フランスの弦楽四重奏楽団・クワテュオール・エベーヌ(Quatuor Ébène)は基盤をクラシックに置きながら、様々なジャンルの音楽をクロスオーヴァー。「ハイドン、ベートーヴェンやバルトークを演奏する時でさえ、即興的なアプローチを常に頭に思い描いている」と云う彼らの2014年作『BRAZIL』を僕が手にする事になったのは、1つ上でも紹介しているジャズ・シンガーのステイシー・ケントがゲスト参加、後にノーベル文学賞を受賞するカズオ・イジクロが作詞を手掛けた『THE ICE HOTEL』などをレコーディングしていることが切っ掛けだった。アルバムはブラジルがテーマとの事ながら、何故だかステイシー(※英国在住米国人だが仏語が堪能でフランスでも人気がある)を起用してマイケル・ジャクソンの『I Can't Help It』をカヴァーするなど、あまり深く拘ってはいないとみえて(笑)、こちらも何故だか(^^;同じ南米アルゼンチンが生んだ大作曲家・アストル・ピアソラのこの超有名曲も同アルバムにて演奏している。





◆Yaron Herman / "Blossom (Var. 1)" (Composer: Yaron Herman)
[CD]収録アルバム:『VARIATIONS -Piano Solo-』(2006)

 ジャズ・ピアニストとしてだけではなく、最近は彼自身の経験を元に『創造力は眠っているだけだ』(プレジデント社)と題された自己啓発書でも注目されるヤロン・ヘルマンはイスラエル出身(1981年生)でパリを拠点として活躍している。2006年にピアノ・ソロ・アルバムの『VARIATIONS』で日本デビュー。叙情的でありながら抑制の効いた甘美な演奏で注目を集めた。そのアルバムでは冒頭のガーシュインの『SUMMER TIME』から続く、同曲のヴァリエイションとしての『Blossom (Var. 1)』が幻想的なまでに美しく、ちょっと季節が外れてる(?)けど、春に、それも”開花期”ではなく、散りゆくサクラの季節に、僕はこの曲でのヤロンのピアノが無性に聴きたくなる。





◆Elizabeth Shepherd / "Sicilienne" (Composer: Gabriel Fauré)
[CD]収録アルバム:『PARKDALE』(2008)

 今回のエントリをアップする切っ掛けは、19世紀にフランスで活動していた画家のジャン=ジャック・エンネルの作品『牧歌』を見ると、僕はドビュッシーの『牧神たちの午後』と『ペレアスとメリザンド』を同時に思い浮かべると、友人のtaekoLoveparisさんのblog(https://taekoparis.blog.ss-blog.jp/2024-02-17-1)にコメントを入れさせて貰ったのがコトの始まり。

 ところが、taekoねーさんが僕のそのコメントを読んで思い出したのは、同じメーテルリンクの著作『ペレアスとメリザンド』から着想を得てはいても、ドビュッシーじゃない別の方(笑)。彼のオペラ化に先行する形で歌劇用に作曲されたガブリエル・フォーレの『シチリエンヌ』だったそう。人それぞれだな~と笑ってしまったところで、昔に丸の内のコットン・クラブにご一緒した折に聴いたエリザベス・シェパードが2008年にリリースしたアルバム『PARKDALE』にて歌っているこのヴァージョンを紹介させて頂いた次第。

 因みに、上でリー・リトナー&デイヴ・グル-シンの演奏でもフォーレのパヴァーヌを紹介していますが、その曲が収録されているアルバム『AMPARO』でもこの曲『シチリエンヌ』は演奏されていて、僕はとっても気に入っているヴァージョンなのですが、今回は、全て購入したもの・手持ちのCDからのみ選んで、かつ、同じ楽曲は演奏者が違っても2度は使わない、って自己シバリにて選んで居ります(^^;。



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