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町田市薬師池公園にて、アヤメを見る [散歩道の景色]

10年05月16日(日曜)
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 鉄道の走る風景をカメラに収めるのを趣味にしている友人Sくんから、久方ぶりに第2回目の個展をやりますとの葉書を貰った。会場は町田市フォトサロン。緑豊かな武蔵野の原風景が残る山林の中に位置する薬師池公園内に在る施設で、彼が開いた第1回目の個展の時とも同じ場所。僕がこの公園に行くのも2回目になる。あれから何年なんだろうと調べてみたら、もう5年も経つんだねぇ。月日の過ぎるのは早いもんだ。あの時は2月で、たしか、梅はちらほらと咲いていたけど、他はまだ何も花が無い時季だった様な覚えがある。でも今回は5月。緑萌え、風薫る季節にあの山の中の公園を歩くのは、さぞや爽やかな心地がするだろう。それに、薬師池公園はたくさんの菖蒲が植えられているので有名な場所でもある。ハナショウブにはまだ少し早いんだけど、代わりにアヤメがいっぱい咲いているかもしれないんだよね。




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 と云うことで、やって来ました薬師池公園。お天気にも恵まれ、気持ちの好い散歩日和。久し振りに来たわけだけど、やっぱり広いなぁ~。

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 その広大な敷地内には、昔、灌漑に用いられていた大きな池があって、その池を中心にして菖蒲田や水車小屋、茶店、梅林、移築された古民家などが配されている。1982年に東京都によって選定された「新東京百景」にも選ばれている風光明媚な公園なのだ。

 お世辞にも交通の便が良いとは云えない場所に在るので、普段、イヴェント等が何も無い時は決してたくさんの人で賑わう様な感じではないけれど、散歩に訪れる人は少なくない。都心や横浜からの買い物客も多く訪れる南町田のアウトレット、グランベリー・モールなどからも自動車なら20~30分ほどの距離。無料の駐車場も在るし、知っていれば、ちょっとした癒しの穴場スポットだと思う。すぐ隣には牡丹園やリス園なんてのも在るしね。

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 池の端、茶店(売店)のすぐそばに結構立派な藤棚が在るのだけど、この時はもうおしまいの頃。1週間前くらいが見頃だったのかなぁ。それでも今年は天候不順で満開になるのも遅かったみたいだけど。


★ ★


 実は、ここへは本当ならもう1週間後の23日に来るつもりで、友人にもそう連絡してあった。ハナショウブが咲いていてくれたら嬉しいので、出来るだけゆっくり、個展会期の後の方にしたかったのだ。
 ところがこの日になって、翌週は他の用事が入ってしまいそうな雲行きに変わって来た。そこで予定を変更して、急遽この日の午後にクルマで駆けつけたってわけ。道路も結構混んでいて、ウチから要した時間は約1時間45分。予定より30分以上オーヴァー[ふらふら]で、時計はもう2時を回ってしまっている。
 花ってやつは、朝開いて夕方にはしぼんでしまうものも多いわけで、見るにはやはり早い時間の方が良いに越した事はないので、友人の写真展へ行く前に、その会場とは反対方向にある菖蒲田へと先ず向った。

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 すぐ目につくところに咲いていたのはキショウブ。ただ、あまりボリュームはなくって、こんな具合に数本がポツンポツンと自生しているだけ。僕が見るキショウブは大抵がこんな具合。いつも、モネ『黄色いアイリス』(国立西洋美術館蔵)みたいに、幾つも織り重なる様にして咲いているところが見たい!って思うんだけど、あの絵のイメージで咲いてる様な所ってないかなぁ。出来れば、ジヴェルニーまで行かずに日本で見られると嬉しいんだけど(^^;。

※『黄色いアイリス』の画像はこちら
→ 「モネ大回顧展を観る」 : http://ilsale-diary.blog.so-net.ne.jp/2007-05-13

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 さて、目当てにしていたアヤメも咲いていてくれた。

 咲いていてくれたには、咲いていたんだけど・・・

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 思わず、「え~っ!?、たったこれだけ?」と声に出して嘆きたくなるほど、広大な公園内にポツリポツリ。ほんの僅かのみしか咲いていない[もうやだ~(悲しい顔)]

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 この写真で見て頂ける様に、この公園には何枚も菖蒲田が在って、見頃になる6月半ばにはそれはそれは見事にたくさんのハナショウブが咲き揃うそうな。

 でも、こんなにもハナショウブが植えられているんだから、同じ仲間のアヤメも、それなりにきっとたくさん植えられているだろうと、僕は勝手な想像をし、そう決めつけていたのだ。

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 しかし現実には、物の見事にハナショウブばっかり・・・なんだねぇ(苦笑)。まぁ、全くアヤメが植えられてないワケじゃなかったから、まるっきりの見当違いでは無かったんだけど、ちょっとリサーチ不足だったなぁ[ふらふら]


★ ★ ★


 がっかりしていても仕方無いので、友人の写真展会場へ移動。公園内にあるこの建物が町田市フォトサロン。そう云えば以前来た時は、2階で秋山庄太郎氏の写真展もやっていたっけ。

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 僕より7つも年下の友人Sくんとは、今を遡ること11年ほど、まだインターネットにダイヤル・アップで接続していた様な頃に、と或る“和AOR系”(そう思ってる人は少ないかも知れないけど・・・^^;)アーティストのファン・サイトのBBSで知り合った。初めは知り合いの知り合い、みたいなワンクッション置いた関係だったけど、ある時六本木のSTB139に観に行った、ギタリスト・松原正樹のライブ会場内で偶然にも鉢合わせ。それがきっかけで、お互いがギター・フュージョンが好きだと知って意気投合した。
 それから月日も年齢も随分重ねて(苦笑)、その頃の友人とも最近ではあまり会うこともなくなってしまったけど、彼とは年に1~2回は必ず一緒にライブを観たりお酒を飲んだりを続けている。数ある音楽のジャンルの中でもフュージョンってのは極めて愛好者が少数派の、云ってみれば絶滅危惧種みたいな音楽(苦笑)。だから、僕にとってはSくんは、共通の音楽の話題でお酒が飲める貴重な友人の1人なのだ。

 そんな彼が撮る写真は、鉄道の走る風景。単なる鉄道写真ではなくて、四季折々の美しい風景の中を走る鉄道を捉えたもの。桜が舞う季節に、見渡す限り一面の黄色い蕎麦の花の向こうに、紅く染まった秋の山で、雪が降り積む銀世界の中で、それらの風景に溶け込む様に列車が走っている瞬間を切り取って来た写真なのだ。単なる電車の写真じゃ、僕は「てっちゃん」じゃないので困っちゃうかもしれないけど(^^ゞ、彼の写真は、美しい日本の四季をちゃんと感じさせてくれる鉄道写真なんだな。
 僕は例えば絵を描くにしても、子どもの頃から題材は「人」ばかり。どうも風景画を描くのが苦手で、ちっとも上手くならなかった。そのせいか、写真でさえ今でも風景が綺麗に撮れなかったりする(苦笑)。だから、綺麗な風景写真を撮る人って、すごく羨ましいんだよねぇ・・・。この日も佳い写真を見せて貰いました。ハナから取り組み方の次元が全く違うけど(^^;、僕もお勉強せねば、ね[あせあせ(飛び散る汗)]

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 日曜日だけあって、代わる代わるSくんの友人たちも訪ねて来る。僕ばかりの相手をさせるわけにもいかないので、この日は早々に退散する事に。
 時間はこの時点で3時を少し回ったくらい。再び公園散策に向かう。前回は寒い季節で、あんまりノンビリ歩いたわけじゃなかったから、今日はもう少し、いろいろ歩き回ってみようと思うのだ。

 そんな事で、この太鼓橋を渡って池の向こう側へ出てみよう。


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 しばらくそのまま歩いて行くと、木立の色が随分濃くなって来た。緩やかな坂道を登ってゆくと、やがて山の傾斜に沿って階段が現れる。

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 それを登った先に在ったのは巨大な銀杏の木。そしてその更に奥にはお堂が建っていた。

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 このお堂が薬師池のその名の由来たる、野津田薬師と呼ばれる薬師堂。薬師堂のほとりの池だから薬師池って名前が付いたわけ。

 戦国時代、この周辺は後北条家の領地で、北条氏照が支配していた。でも、このお堂はそれよりも遙か昔の天平年間(729-749)に行基に依って開基されたそうで、とても歴史有る薬師堂なのだ。但し、現在のこの建物は明治16年(1883)の再建。池は17世紀に耕作地を潰して溜池を作ったのがその始まりと考えられているそうな。

 一応、ワタクシも自分と身内周辺の健康を祈願させて頂きました(^^。


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 この薬師堂のそばから、すぐ近隣にある牡丹園へと抜けられるらしいけど、今年はもう牡丹の花はおしまい。そちらへは向かわず、元来た道を下って再び池のほとりに戻って来た。この近辺には古民家が移築されていて内部が見学出来る。

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 こちらは多摩ニュータウンが建設される際にこちらへ移築された(昭和50年 / 1975)旧永井家住宅。多摩丘陵にて代々農業を営んでいた家で、その構造には神奈川県の古民家と類似点が多いらしい・・・って、昔はどちらも武蔵の国だもんね。

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 一方こちらは旧萩野家住宅。萩野家は笠間藩の医家を出自として、幕末まで町田の農村部で医家を務めていた家柄だそうな。農村部に在ったとはいえ、上の永井家などの農家の造りと比較すると、だいぶ町屋風に近い造りになってるんだって。

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 ここでは家の前に植えられていたモミジがまるで秋の風情で真っ赤に染まっていた。ただ、秋と違って周囲には黄色い落ち葉などが全く無いから、目に映る色は赤と背景の緑のみ。補色同士だから極端なんだよね。

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 ただ、こんなふうに撮影すると、かなり秋っぽいかな。ちょっと季節感おかしくなっちゃう?(笑)。


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 すぐそばに、前回気が付かなかった萬葉草花苑と云う植物園風の庭があったのだけれど、この時時計は既に4時を回っていて、もうすぐ入り口が閉められてしまう時間らしい。ありゃりゃ[ふらふら]

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 少しだけ覗いてみると、あらら、ここにまた少しだけど、アヤメが咲いているじゃないか!。もっと早く来れていたら良かったのに・・・。

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 そこに一輪だけ、花に綾模様の入っていないタイプのアヤメが咲いていた(※これはイチハツですね^^ゞ)。こんなのが、もっとたくさん見たかったんだけどなぁ・・・(^^;。

◆薬師池公園(東京都町田市野津田町3270)
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisetsu/park/park01/



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