これが幸運への入り口になるの？

portaは「入り口」。fortunaは「運」のこと。
そっか、「ポルタ　フォルトゥーナ！」で「幸運がやって来るよ」って意味になるんだ。
イタリアではそう言うんだね。

　ワイナリー和泉屋さんの「治彦的ワイン観測日記」は以前から読ませて頂いているブログです。マニアじゃないし、そんなに高いワインは買えないし飲めないけれど、ワインが大好きな僕には読んでいるだけで楽しくなるし、ためになるブログなのです。

　今回トラックバックさせて頂いたお話は、イタリアでワインをこぼした時に言われる言葉「porta fortuna」の言い伝えを紹介するオハナシでした。

　これって僕にはちょっと身に覚えのあるハナシなのですよ。

◇

　今年の３月、シエナのエノテカ・イタリアーナを訪れました。友人がここのワイン販売部門の日本人スタッフの女性の方と顔馴染みだったからなのですが、せっかくのこんな機会です。彼女に頼めば何の心配も無しと言うことで、僕は友人と６本ずつワインを買って、日本へ送って貰うことにしました。６本ずつ計12本っていうのは、輸送コストの関係で１ダースがちょうど良かったから。

　でも意地キタナい（苦笑）僕は、どうしてももうちょっとだけ欲しくって、あと３本のワインを買って、手荷物として自分で持ち運ぶことにしたのです。

　フィレンツェからパリへ移動する日。３本のワインの内、２本はタオルや厚めのスェットシャツで巻いて割れない様に工夫してトランクに。残りの１本はちょっと重いけど手荷物のショルダーバッグに入れて運びました。

　シャルル・ドゴールからタクシーでサンジェルマン・デ・プレのホテルへ。
そしてチェックインして、部屋に入るや否やのことです。

　う～～ん。なんだか、とっても甘い匂いがする部屋なんです。
ああ～いい匂～い。やっぱりパリのホテルはどこか違うんだよね～。まるで良いワインを開けた瞬間のようだなぁ・・・。

　えっ・・・・・・・・・・・。

　まるでワインを開けた瞬間の・・・よう？・・・・・・・・・・・。

　うぎゃぎゃ～～～っ！

　ほげげ～～っ！、よりによってブルネロがあぁぁぁ～（号泣）

　どうも空港の荷物検査でトランクの中を改められたらしくて、ワインボトルに絡めてあったタオルなどが明らかに入れた時の状態と違うのです。悲しみと怒りが同時に込み上げてきましたが、イタリアで割れたのか、フランスに着いてからこうなったのか、何も証明出来るものはありません。空港からホテルに着くあいだに起きたことでは？と言われてしまえば、反論のしようもない・・・。ましてやここは言葉もまともに通じない異国の地。

　その日は日曜日。午後からオルセー美術館に一人で行って、の～んびり好きなだけ絵を観ようと思っていたのに、結局バスルームで洗濯でした・・・（泣）。

　ワインで染まると、きれいな薄むらさき色かピンクに染まるのかと思いきや、こんなきたな～い色になっちゃうんですね・・・。お気に入りのイタリアのシャツだったのに～（また号泣）

◇

　日本に帰ってから数週間後、頼んだワインが無事に送られて来ました。シエナの彼女に、お世話になったお礼のメールを送るついでに、今回の失敗談を添えたところ、こんな返事をくれました。

　「早速のメール、嬉しく拝見いたしました。　さて、フランスでは大変でしたね。　しかも、ブルネロなので、一生記憶に残ることと思います。トランクを開けたとたんに、ブルネロの香りが舞ったのでしょうか？　ちょっとした、サービスですね。

　こちらでは、ワインがひっくり返ったりしてこぼれた場合、縁起がいいんです。　そのワインを指で耳たぶの後ろにつけます。」

　慰めてくれてありがとう。

　でもね、僕はイタリア人じゃないから、ワインがこぼれてもきっと幸せになれないし、ちっとも嬉しくないんだな。だって、そのワインを指で耳たぶの後ろにつけなきゃダメだなんて話、さしてイタリア事情に詳しくもない普通の日本人の僕が知ってるワケないじゃない（苦笑）。

　せめて空輸されて来たコイツ（割ったのと同じものです）は何事もなく、無事に飲めますように・・・。porta fortuna!

コメント 8

こんにちは。
大変お気の毒でした。外国の荷物検査は結構手荒くて、出張帰りの大事なウィスキーをやられたことがあります。
せめて、教えていただいたように、おまじないで幸運を分けてもらうしかないですねぇ。
ボージョレーですが、1本縁起担ぎに飲んでみました。が、やはり、美味しくない．．．￥1000の国産無添加ワインの方がよっぽど美味しいって。
失敗したなぁ．．．
by ゆー。 (2005-11-22 16:13) 

ゆー。さん：
　こちらにもコメント下さってありがとうございます。
いや、もうこれはほんとに笑いバナシになってますんで、もう（笑）。冗談抜きに、と～っても良い香りがしたんですよ～。そりゃそうですよね、普段飲むのに使うグラスの口の何倍もの面積にワインが広がってたんですから（苦笑）。

　ボージョレは、先週Motion Blue yokohamaに行った折、グラスワインをオーダーしたら「本日はヌーヴォーになりますが」と言われたので、つい「じゃ、ギネス下さい」って即答してしまいました（笑）。１杯くらい飲んでも良かったかな～。
by yk2 (2005-11-22 23:43) 

こんばんは (^.^)
うわ～っ　このおハナシ、写真付きだとますます悲劇的ですねぇ…
これじゃ慰めの言葉もありませんなぁ (^.^;
でも、部屋中にワインのとっても良い香りなんて、考えようによってはなかなか
貴重な経験だったかも（慰めになっていませんね）。

ワインのボトルをトランクに入れて預けるというのはやっぱり危険だと思い
ますよ ((((((^_^;)
どんなに厳重に梱包しても、自分の目の届かないところでトランク自体が
どういう扱いを受けているかわかりませんからね。
そういう私も今年ドイツへ行った時、お土産にうっかり陶製のビアジョッキ
（ミニチュア）を２つも買ってしまい、心配しながらずっと持ち歩くハメに遭い
ました　（苦笑）

空輸したワインは無事でよかった！
割れちゃったワインの分までゆっくりじっくり味わえるといいですね♪
by なんちゃってトライリンガル (2005-11-24 21:29) 

なんトラさま：
　えへへ。写真が有るから笑い話になるのです。
僕の環境では、Biglobeじゃ写真が１枚しか貼れなかったから、こんなネタをブログに書こうなんて思わなかったんですが、和泉屋さんのブログがたまたま「ポルタ・フォルトゥーナ」のお話だったもので、じゃ、書いてみようかな～、なんてね。
　
　無事なワインは「最低でもクリスマスくらいまでは置いておいて下さい」と云われてるので、まだ飲みません～。お金の蓄えはないけど、ワインの貯え（爆）は他にも結構有りますので・・・（＾＾；。
by yk2 (2005-11-24 23:14) 

気の毒な話なのに、なぜか笑いが。。しかも笑いはYシャツのすぞ模様を見たときに最高潮に達しました。
by TaekoLovesParis (2006-06-26 00:22) 

taekoさん、どっから辿ってこんな昔のトコ見に来たんでしょう（苦笑）。

あのね、でもトランクいっぱいに広がるブルネロの香りったらすごいですよ～。確かにあれは貴重な経験かも。二度としたくないけど・・・。

って云いつつ、内緒にしてたけど、昨年の夏に実は家の玄関前でもう１本割ってたりして・・・（苦笑）。
by yk2 (2006-06-26 21:07) 

あぁ・・・（ToT)辛すぎる・・・光景。
シャンパンの吹きこぼれのときは、その後拭いたタオルを
とりあえず香りだけでも・・・と未練がましく嗅いでしまう私です(汗）
でもですね・・・シエナの彼女のお話。私好きです。（実際私が割った直後の本人だったらそんな余裕ないでしょうけど・・・笑）
私も次から吹きこぼれたシャンパンは耳たぶの後ろにつけることにします！
yk2さん2度目のときはそうされましたか？？
私だったらそんな素敵な慰め方できないだろうな。
お気に入りのグラスを割ってしまったときの素敵なおまじないも・・・
シエナの彼女に教えてほしいなぁ(笑）
by シェリー (2006-09-04 12:15) 

シェリーさん、こちらにもコメント頂きありがとうございます。
噴きこぼれたシャンパンを拭いたタオルの匂いを嗅いじゃう気持ち、痛いほど分かります（笑）。

シエナのＫちゃんはとーってもほわーんとしておっとりした女性なので、普通の人とリズムが違うのです。普通、「ちょっとしたサービスですね」は云わないでしょう～。確かに一生忘れないよ、部屋に立ちこめたあの香りは（苦笑）。

でもね、この話がきっかけでplotさんと実際にお会い出来たんですよ。だから、ワイン割るのも悪いことばっかりじゃない・・・んだけど、やっぱりブルネロはどうしたって割るのはイヤですよね・・・（苦笑）。

２回目の時もポルタ・フォルトゥーナ！っておまじないはまだ知らなかったんだけど、ワインはちょっぴり指先につけて耳たぶにやりました（＾＾。その日はそうすると縁起がいいんだって、ってハナシをしながら、みんなに慰められつつごはんを食べたっけ・・・（笑）。

グラスを割った時はやっぱり何かあるのかなぁ～。今度メールで訊いておきますね。
by yk2 (2006-09-05 00:42)