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Fusionはこのまま消えゆくジャンル? [jazzっぽいの、好き?]

 某大手CD-SHOPが、DVDを2枚買うと20%OFFなんてキャンペーンをやっていたので、輸入盤の音楽作品を2枚買った。その内の一枚がこのボブ・ジェームスの1985年の『LIVE AT MONTREAUX』。20年も前のライブ・パッケージだからボブはもちろん、当然にサポートのハービー・メイソンやカーク・ウェイラムもみんな若いし、ディーン・ブラウンに至っては、まるで無理矢理に似合わないヒゲをたくわえた大学生みたいな只のおにいちゃん(笑)。でも演奏はちっとも古くさくない。むしろフレッシュでありとっても楽しい。フュージョンがまだ断然輝いていたんだよね、この頃は。

Live at Montreux (Dol Amar)

Live at Montreux (Dol Amar)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2005/04/12
  • メディア: DVD
 それに較べて近頃といったら・・・。

 今年一年、面白いフュージョンやコンテンポラリ・ジャズ作品にほとんど出会えなかった。こんな傾向は数年来ずっと続いているけれど、ここまで何にも記憶に残らなかった年は珍しいと思う。このジャンルはスムース・ジャズに取り込まれてしまって、全く個性の無い、すっかりつまらないものになってしまった様な気がしてならないのだ。  自分の今年一年のBlogを改めて見直してみても、年初にドン・グルーシン『THE HANG』を好意的に取り上げているけれど、これはドンの過去の楽曲を旧友と共に再現するベスト盤的ライブ。全くの新作とは言い難い。リー・リトナー『overtime』も全く同じ趣旨の作品だ。それにどちらも媒体としてはCDではなく、DVDで映像と共に楽しんだ作品だし。

 Hang

Hang

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2004/09/14
  • メディア: DVD
アンソロジー・ライヴ~ジェントル・ソウツ・リユニオン

アンソロジー・ライヴ~ジェントル・ソウツ・リユニオン

  • 出版社/メーカー: ビデオアーツ・ミュージック
  • 発売日: 2004/12/22
  • メディア: DVD

 じゃ他にオリジナル・アルバムで何か有ったかと考えてみれば、すぐに続く作品が頭に浮かんで来ない。相変わらず出来レースのように恒例化して某音楽誌上では年間の最優秀フュージョン作品に選出されているマーカス・ミラーの作品も、勿論買って聴いたけど、僕にはほとんど何も響かなかった。アルバム1枚がそのまま1曲という大作『THE WAY  UP』を世に送り出したパット・メセニーは相変わらず尊敬に値するけれど、それでも『OFFRAMP』『THE FIRST CIRCLE』を超えて、新たに僕に訴えかけてくるものは見つけられなかった。かつてはともに誰より大好きだったアーティストだったはずなのに・・・。

  インストものが聴きたい。そう思ってショップに出向く。でも試聴してみると、買う気になれない。新作なのに、どこか以前の作品を聴いているような。そう、全く新味を感じないのだ。そのアーティスト達の以前の作品を知らなければ、初めて聴いた人はもしかしたら楽しめるのかも知れないな、などと思ってみたりもしたけれど、そんな事僕に思われた時点で、そのアーティストの音楽が如何に新鮮さを失っているかはやっぱり明らかなんだ。もうずっと同じ事の繰り返し。新しいアイディアはもう湧いて来ないのだろうか・・・。

  このジャンルのアーティストとは長いお付き合い。15~20年来買い続けているアーティストが何人もいる。大好きなプレイヤーがいっぱいいる。この先、彼らの新譜が聴けなくなって、結果、古い作品ばかりを懐かしむのはとても寂しいし当分まだ先の事と願いたい。世では大手レーベルのjazz部門閉鎖など、相変わらず厳しいアゲインストばかりが吹いては居るけれど、来年こそは誰かが、大きな転機のきっかけになるような素晴らしい作品を僕等のもとへ届けて欲しい。でないと、僕のCDコレクションはこの先、本当に女性ヴォーカルばかりになってしまいそうだよ。


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コメント 4

怪鳥

クロスオーヴァー~FUSIONとスムース・ジャズは似て非なるもの、
と思ってます。
現在進行形のスムース・ジャズはたしかに聴き易くて心地良いんだけど、
それ以上に深く訴えかけてこないんですよね。
マーカスの名が出てましたが、それに限らず大物アーティストの新作も
ここ数年はほとんどノーチェックです。
みんなスムース・ジャズ化の波に飲み込まれたかのようで、
以前の作品のように心に響いてこない・・・
音楽自体に問題があるのか、単に自分がトシ食ったのか??
by 怪鳥 (2005-12-29 04:20) 

yk2

怪鳥さん:
 そろそろPC復帰かな?。

 スムース・ジャズとFusionの差って、厳密に言えば有って無いようなものなのかもしれないけど、なんでこんなにツマラないんだろうねえ・・・。実はこの日のblogは某アーティストの2005年作が余りにも20年近く変化していないことに、悲しくなって書いたものなのですよ。昔と同じような、新しいアイディアの欠片もないサウンドでアルバムを出すことの意味は何なんだい?って本人に訊いてみたいよ。僕等も確実に年齢は重ねてるけど、Fusionやスムース・ジャズって音楽の世界の澱み方はそれ以上なのかもね。ちょっと、さみしいです。
by yk2 (2006-01-03 23:58) 

taha

スムースは、それはそれでヨイと思います。(何か作業する時はけっこうはかどります。)

しかし、自然淘汰されやすいのも当然ですね。
新しいことをしていませんもの!

その点、fusionは名うての名プレーヤーがjazz以外のジャンルのアーティストや、エッセンスを取り入れて極上の音楽に作り上げた感があります。(現状における問題はアーティストのサイドよりは売る側にあると思いますが・・)

あっ、ボブ・ジェームス以外のDVDは気に入ってます。(まだ見てませんので・・ボブさんのは、)
特にドン・グルーシンのは、オールスター出演で楽しかった!
by taha (2006-01-10 22:37) 

yk2

tahaさん、こんばんは。
tahaさんはイエロー・ジャケッツ等をお聴きになられるのでご理解頂けると思うのですが、アドリブが入るようなFusionが好みの者にとって、4分以内で理屈として曲を終わらせるフォーマットって、どう考えても・・・・・・なんですよねぇ(苦笑)。

ボブ・ジェームスのこのDVDはなかなか楽しめますよ。僕はカーク・ウェイラムのサックスが大好きなので、彼が大活躍するこのDVDがつまらなく感じるハズはハナから無いのですけれどもね(^^ゞ。
by yk2 (2006-01-12 02:22) 

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