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ユーロ・スターでフィレンツェへ [2006伊仏旅行]

(3月10日金曜日-①)
・・・前回のお話はこちらから→(http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-03-18

 この日は朝から生憎の冷たい雨。真冬の着支度をして8時半にホテルをチェックアウト。ボローニャ駅から鉄道(ユーロ・スター=以下ES)でフィレンツェに向かいます。これが結構大変なんです。ボローニャからフィレンツェへ電車に乗るのはこれで3度目ですが、過去2回ともスムーズに事が運んだ例しは無し、なんですから・・・。

 まず、間違いなく電車が時間通りにはやって来ません。昨年は前日に雪が降った事もあってダイヤはメチャクチャ。駅の出発到着時刻を知らせるボードには平気で5時間遅れ、8時間遅れなんてインフォメーションが出ています。欧州各地からの長距離電車がボローニャを経由してローマやヴェネチアへ向かうので致し方ないのでしょうが、こんな電車のチケットを予め買ってしまっていたらどうしちゃうんだろ?。(※後になって、この疑問は身を以て学習する事となります。)

 案の定、この日もダイヤは乱れていました。Netで調べて乗るつもりでいたESは30分遅れとなっていて、到着ホームさえまだ決まっていません。この「到着ホームが決まってない」ってのが毎度、本当にスリルたっぷりで怖いんですよねぇ~。

 ボローニャは駅の構内に入ると右手に切符売り場があって、エントランス正面中央に大きな発着ボードがあります。待合いは別にあるので、広いホールには椅子ひとつ有りません(いつも混んでいるので気付かないだけかもしれませんが、有ったとしてもそう多くは座れないはず)。乗客は自分の乗る電車のホームが決まるまで、そこに立ちつくしてボードを一心に見つめて居なくてはならないのです。この場所はツーリストが多い所ですから、当然目つきの悪いヤツもぼちぼち居たりして、荷物への警戒も怠れません。警察官も絶えず巡回しています。さっさと発着ホームさえ決まってさえくれれば、こんな場所には少しだって長居はしたくないのがみんなの本音でしょう。

 しかし、出発10分前くらいまで到着ホームが決まらないなんてコトは、ここでは全く以て普通の事なんだそう。ですから、馴れないツーリストはハラハラドキドキしっぱなしなのです。体一つならば何て事は無いんでしょうけど、大きいスーツケースをゴロゴロと転がして、懸命にホームへ駆け込んで、今度はプリモ・クラッセ(一等車※)が何両目かを探し当てて、やっとそれに乗り込み、そしてシートを自力で確保しなくてはならないのです。これは勿論、僕等だけでなくイタリア人もアメリカ人も一緒。上品な身なりの優雅な御婦人が必死の形相で文句を言いながら全速で走り抜けていく光景もここでは少しも珍しくありません。なんでこんなシステムなのかね・・・(苦笑)。

 実際、昨年は「あのう、日本の方ですよね。私フィレンツェに行きたいんですけど、何番線のどの電車にいつ乗ればいいのか、全く判らないんです」と日本人の20歳くらいの女の子に、泣きそうな声で話し掛けられました。ボローニャはフィレンツェなどと違って日本人が極端に少ないので、一人は本当に心細いんです。僕も旅慣れた友人と一緒でなければ本当にどうしていいか分からなかったかも知れませんから。因みに彼女は東京神楽坂にあるTVなどでも有名な某イタリア人シェフのお店で働いているとのことで、帰ったら一度遊びに行くね、と話していたのですが未だ実現していません。元気にしているかな?。

※僕は日本ではグリーン車に乗れるような身分ではありませんが、ESの一等はさして料金が高くない上、荷物への心配が多少なりとも軽減される意味から利用しているものです。(^^;。

 そうこうする内に、切符を買ったESが更に遅れて50分待ちになりました。

 「どうせ15分前くらいまでホームも決まらないよ。タバコが吸えるところに移動しよう」と友人が云うので僕もそれに賛成。僕はタバコは吸いませんが、この場で色んなコトに気を遣いながらハラハラしてるのも、きっと間接喫煙と同じくらい体に毒でしょうから(苦笑)。

 それにしても、今日はフィレンツェに着いたら更にバスでシエナに移動するわけで、電車が遅れてくれるとフィレンツェでの滞在時間が自ずと減ってしまいます。4時間くらい滞在出来ると思っていたのが、ボローニャ駅で1時間潰されてしまうのはとっても痛手。なんの為に早くホテルをチェックアウトしたのかなぁと、悲しくなってきます。これじゃお昼食べるだけで、他には何も出来ないよ(泣)。何しろ飲食店以外のお店は、またなが~いお昼休みに入ってしまうんですから・・・。

 さて、忍耐強く待ち続けてそろそろ電車到着10分前くらい。やっとホームが決まりました。よし6番線だ!、ってコトで乗車ホームへ移動。ここらは3度目なので落ち着いたもんです。でも電車が着いたら今度は一等車を探して移動しなければなりません。なにしろ、ボローニャの駅ったら一切の音声放送によるインフォメーションが殆ど無いので、全ては乗客が自助努力をしなければならないのです。今回も電車がホームへ入って来てから、どこだどこだ?の大騒ぎ。重いトランクとバッグを引きずって、やっとの事で乗り込みました。座席も確保して「ふうぅ~っ」と大きく溜息一つ。やれやれです。

 もうじき出発時刻と云う頃、客室乗務員の女性が目の前を通り過ぎようとしていたので、英語得意の友人が「一応念のため」列車の確認をしました。すると、あなた達の乗る列車はこれではありませんよ、と云うではありませんか。吃驚仰天です!?。「えええ~?、間違いなくこれ、ローマ行きだったよね」と云ってる途中で、なんと発車のベルもなくあっさりとドアが閉まって、ESは動き出してしまいました。もう半ばパニックです。どこ行っちゃうんだ、この電車は!?。

 しかし、程なく車掌さんがやって来て、きちんと説明してくれました。このESはフィレンツェまで確かに行くけれど、あなたたちが持っているチケットとは別のESなのです。でも8ユーロの追加料金を払えば電車をチェンジ出来ますよ、だって。

 信じられない・・・。

 なんと、待ってる間に、後発だったはずのESが先に到着して、それが僕等の買った切符の電車より先に出発することと変更になっていたらしいのです。後半は駅エントランスの発着ボード前に戻らず、地下道のTVモニターだけを見ていたので、それがいけなかったのだろうか・・・。いや、ちょっと待て。そもそも列車が遅れてこんなややこしいコトになっているからこそ、僕等は間違えちゃったんだ。ホーム毎にチケットに記された車両番号がインフォメーションされるワケじゃなし。ほんとに僕等が間違えて、列車運行側に過失が無かったって云えるの?。

 あーあ・・・。

 いろいろ頭の中で思ってみても、兎にも角にもこれもやっぱりイタリアです。もう、ただただ苦笑いするしかありません。ボローニャからの電車移動は、本当にいつもいろいろな経験をさせてくれます。勘弁してよ・・・、もう~。

 ESのプリモ・クラッセでの列車チェンジは8ユーロ。ほぼ、当日の換算レートで1,200円の無駄な出費が必要だったと云うコトですね。これでまたひとつイタリアでの経験値が上がりました・・・(苦笑)。


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plot

まさにそのとおり!すごーくリアル。それがイタリアの日常ですが、
日本に帰っていると何の疑問も不安も無く目的地に移動している自分に気がつきます。
イタリアにいる時は働いていた脳みそのある部分が眠ったままです。
ドアの内と外の境界が曖昧で、どこに行っても自分の部屋の延長のような緊張感の無さ。
その緩さが日本の良いところなのかな?
by plot (2006-03-19 09:51) 

yk2

そうですね、日本の交通手段はやっぱり安全で親切ですね。車内放送なんてうるさいくらいですけど、やっぱり慣れてない人にとっては有り難いものですよね。

それにしても、現地在住の方を以てしてもやっぱり色々と神経を使っていらっしゃるんですね。それじゃツーリストはなおさらです。イタリアはやっぱりいろんな意味で気が抜けないトコロなんだなぁ(笑)。
by yk2 (2006-03-21 00:25) 

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