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Chuck Loeb Live@Cotton Club [jazzっぽいの、好き?]

2009年11月14日(土曜)
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 友人と上野で絵を観た帰り、丸の内に立ち寄ってと食事をしていた時のこと。ひょんなことから、すぐそばに在るジャズ・クラブのCotton Clubがオープンしてもう4周年なんだって、と云う話になった。友人は未だ訪れた事が無いので1度行ってみたいと云い、話の流れとして、いつの間にやら僕が案内係をする事と相成った。その友人はそこそこジャズやフュージョン系の音楽も嗜む人なのだが、プログラム選びは一切僕の好みに任せると云う。その上で色々と検討してみた結果、スムース・ジャズ系の超売れっ子・プロデューサーとして名を馳せた、ギタリストのチャック・ローブの公演を観てみない?と提案してみる事にした。チャックは自己名義のソロ・アルバムを何枚もリリースしている歴としたレコーディング・アーティストだが、前述のようにプロデューサー業やセッション・ギタリストなど、スタジオ方としての仕事量の方が圧倒的に多い人なので、一般的なネームヴァリューはちょっぴり地味目。果たしてどうだろうかと思いつつ、友人に打診してみると、チャックの事は全く知らないけれど、それで一向に構わないとの返事(苦笑)・・・。まあ、実力的には間違い有りませんから(^^;。



 僕がチャック・ローブの演奏をライブで観るのは2度目。しかし前回は彼が主役のステージではなく、ボブ・ジェイムズ(kyb)がアルバム『JOY RIDE』をリリースした後に行った1999年のBLUE NOTE Tokyoでのショーでだった。チャックはそのアルバムに2曲(①,TAKE ME THERE ④,SWINGSET)の楽曲提供をし、同時にそれらのプロデュースも行っていたので、ツアーでの起用自体は順当なものではあったのだが、観る側の僕にとっては、それほど魅力的な人選とは映らなかった。

ジョイ・ライド

ジョイ・ライド

  • アーティスト: ボブ・ジェームス,チャック・ローブ,キム・ウォーターズ,ボニー・ジェームス,ウィル・リー,アレックス・アル,リチャード・ボナ,レニー・カストロ,ティム・ハインツ,ノーマン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1999/09/08
  • メディア: CD




 それまでの僕がチャックに対して持っていたイメージは、スムース・ジャズ系の売れっ子プロデューサーとしての顔が主で、ムードの好いトラックを制作するセンスは間違いなく持っているのかも知れないけど、ギタリストとしては特に個性を持たない、ハッキリ云ってしまえばあまり面白味のないプレイヤーなのだと思っていた。まぁ、それはチャックに対してだけではなく、全くインプロヴァイズすることなく、メロディーのみを聴かせてあっさり短く演奏を終わらせてしまうスムース・ジャズと云う音楽形態のフォーマット自体に感じていた不満だったのだけれど。

 ところが、ボブのライブで観たチャックは想像とは全然違っていた。そりゃ、彼が主役のショーではないのだから、主役、それもコンテンポラリ・ジャズ界の巨匠であるボブ・ジェイムズを差し置いてしゃしゃり出る事は無かったけれど、基本、端正でありながらも要所要所ではなかなかに熱いパフォーマンスを見せてくれたのだった。

 な~んだ、ライブじゃかなり熱を入れて弾きまくるんじゃないか。普段のレコーディングは、羊の皮をすっぽり被って絶対にラジオ・ステーションがO.A.してくれやすいフォーマットからハミ出さないようにしてただけなんだ。思ってたよりも遙かにジャジーで、良いギタリストではないか。まぁ、単に僕が聴いてみていないだけで、80年代後半のチャックは超技巧派職人集団のSTEPSに籍を置いていた位なのだから、テクニックが有るのはハナから当然のことなんだけど。



 しかし、これで僕がチャックの大ファンになったかと云うと、そう簡単でもなかった。なんでも起用にこなしてしまえるが故だろうか、彼のソロアルバムを聴いても、ああ、そこそこ良いアルバムだね、嫌いじゃないねとは思えるのだけど、どこか誰々風に聴こえてしまうのだ。全くパット・メセニーのようであったり、節々でカールトンやリトナーを思い出してしまったり。結局はこれがチャック・ローブのサウンドだ!と云う個性が掴めず、アーティストとしての彼の印象は薄いものにずっと留まってしまった儘だった。ただ、そうは云いつつ彼のアルバムは、新譜が出る度僕のクルマのCDチェンジャーの中にしっかり納められてはいたのだけど。

Presence

Presence

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Heads Up International
  • 発売日: 2007/01/23
  • メディア: CD


 で、今回のチャックはと云えばドラムとベースとのトリオ構成で、彼の音楽にフュージョンやスムース・ジャズ以外が想像できなかった僕にはあまりに意外な方向性。ストレートアヘッドなジャズトリオはシンプルで悪くない。かと云って、自分が聴きに行ったライブとしては、もうちょっとNY的な都会派、コンテンポラリな方向も・・・と欲張ってしまうのは無いものねだりなんだろうか?。まぁ、チャック自身もスムース一辺倒のアメリカ・シーンでいい加減飽きちゃってるのかもしれないね、実際のトコ(^^;。



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