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2011年03月11日金曜日、午後02時46分 [いつかの出来事]

2011年03月11日金曜日、午後02時46分。

地震が起きたあの時、僕は横浜駅西口近くにいました。
所用を済ませてから、ちょっと脱線。
自動車ではなく、久しぶりで電車で来ていたこともあって、駐車場の時間を気にしなくてもよい気楽さから
ちょっと寄り道してこ♪なんて、ごく軽い気持ちで、すぐ目の前にあったテナント・ビル内の3階にあるCD屋さんに立ち寄って、ジャズ・コーナーの棚を眺め始めた時でした。



あれ、なんか揺れてる?。
地震かもしれない。

ちょっと長いな。ひょっとして、どこか遠くでまた大きな地震でも起こっているんだろうか?。

だんだん強くなって来た。
CDの陳列棚が次第にカタカタと音を立て始めます。

遠くじゃない、地震は今ここで起きている!
このままここにいたら危ないかもしれない!

ただならぬ気配に包まれ早足に店外へ出ると、ぐらりと揺さぶられる強い横揺れ。
足を取られる様な感覚と、ビルのたわみさえ実感させるその揺れに
これは過去に経験したことの無い強さの地震がやって来たんだ!と感じ
誰もいないエスカレータを、よろめきながらも3階から1階まで一目散に駆け下りました。

1階に降りてもまだ強い揺れは続きます。
ビル内は半ばパニック状態になっていました。女性の悲鳴も聞こえ、テナント飲食店の従業員さんが、「ここは危険です。すぐ外へ!」と大声で叫ぶ中、夢中で、何とかビルの出口を目指しました。
ビル内店舗の照明や吊り下げられたポップ広告の激しい揺れ方から、ひょっとしたら天井が崩れ落ちるかもしれない・・・。そんな恐怖感に襲われながら。

何とかビルの出入り口まで来ましたが、今度はその出口の自動ドアの真上にある横6~70cm+縦30cmくらいの、おそらく出入り口などと記してあった電管入りの表示灯がグワングワンと、恐ろしくなるほど左右に揺さぶられていて、今にも落ちそう。

一瞬躊躇いました。どうしよう、と。
外へ出れば確実に安全と云うわけじゃない。割れたガラスが降って来る可能性だって有り得ます。

それでも、天井からコンクリの様な埃が降って来始めたのを見てしまっては選択の余地は有りません。危険だと思いつつも、もうロシアンルーレットのつもりで一気に走り抜けました。

外へ出てるのと同時くらいに、強い揺れは収まりました。
一体どれ程の時間だっただろう。
そして、周囲を見て愕然としてしまいました。
ビルの外壁らしき建材が剥落していたり、道路に大きく亀裂が入って地割れを起こしていたり、路面に埋められているタイルが隆起して互いにぶつかり、めちゃくちゃに割れていたり。
周辺のビルから逃げ出た大勢の人たちが騒然としていて、まるで過去の阪神淡路などの震災報道の中に自分が紛れ込んでしまったかの様に思えました。

一体今の地震の震度は幾つあったんだろう?。
震源は?。これはずっと云われ続けていた東海大地震?。
かつて経験したことのない大きな揺れに、様々な思いがよぎります。

僕がいたビルは、きっと築年数40年くらいは経つであろう、かなり古いビルでした。
加えて川がすぐ近くで、地盤が特に軟らかかったエリアと思われ、揺れも激しく、道路や路面の歪みや入った亀裂も大きかったようです。後から報道で知った話ですが、川を挟んだ向かい側にある老舗のボ-リング場、ハマボウルではこの地震で天井パネルが落ちて9人が負傷し、救急車で病院へ搬送されたそうですから。


大袈裟に思われるかもしれませんが、「今ここではまだ死にたくないな」って
生まれて初めて、本気で思いましたよ。


(※ 上記のyoutube画像は04月02日にnet上で見つけ、追加したものです)

今回、横浜の震度は5強でした。
もっと大きいものだろうと思っていたので、正直ちょっと意外でした。
4~5年くらい前にも震度5弱を経験していますが、あれとは比較にならないほど揺れた気がして、間違いなく震度6くらいの揺れなのかと思っていましたから。

でも、5弱と5強があれ程に違うのなら、それよりももっと大きな地震がもしもやって来るのだとしたら・・・。想像しただけでぞっとしてしまいます。


幸い、僕は怪我も何もなく、家族も皆無事でした。
家も会社も、棚の中の物が崩れて散乱したりした程度で済みました。
電車が動かず、バスにも乗れずで、クルマを取りに会社へ戻るのは断念して、横浜から直接家へ向かって1時間半ほど歩く羽目になりましたが、そんな僕はまだ恵まれていて、都内に勤める友人(女性)は銀座から5時間も掛けて徒歩帰宅。きっとヒール履きだったのでしょう、このままではとても無理だと、途中、スニーカーとリュックを買ったそうです。


そんな事より、今日も震源地の東北地方からは未曾有の被害報告が続いていて、今もTVで釜石市が為す術無く津波にのまれて、一瞬にして消滅してしまうかの様なショッキングな映像が繰り返し流されています。それがあまりにも恐ろしくって、大きなショックを受けました。なんでも、避難場所の高台まで辿り着けなくて、間に合わなくって、たくさんの人があの波に飲み込まれてしまったのだとか・・・。
今回の震災で、いったいどれ程多くの方が亡くなってしまっているのか、今の段階では想像もつきません。

福島では、今日の午後に原発近くに直下型の揺れが起きて、やはり大津波に襲われ原発が故障。
臨界事故の可能性も取り沙汰されて、近隣20kmの住民が避難するんだそう。
あまりにも驚くべき事態が次々起こるので、これから日本はどうなってしまうんだろうと不安になります。

もうこれ以上、悪いことが続けて起きないように、心から願います。


(※このエントリは、心配をして、地震直後にすぐにメールを送ってくれた友人たちへ宛てて返信した文面をblog用に編集したものです。)