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念願の1本の、本当の味は・・・ [そとごはん、そとワイン]

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 今年の4月、ここ数年の間ずっと飲んでみたかったシャンパーニュを漸く口にする事が出来た。マニアなワイン・ラヴァーにしてみたら、それはなんて事の無い値段の1本だろうけど、僕にはちょっと贅沢で過分なキュヴェ。




 せっかくなんだから、今回はちゃんとにblogに記録を残しておこうと予め考えて、しっかり味の印象を記憶しておこうと思っていたのに、飲み始めたら当初のそんな思いはどこへやら。じっくり味わったつもりが、気持ち好く酔っ払って味の記憶など綺麗サッパリ飛んでしまった(^^;。「美味しく飲んだ」と云う、まるで役に立たない感覚以外、ほぼな~んにも覚えていない(苦笑)。そんなんじゃ記事になど到底出来るハズもなく、撮ったボトルの写真も、カメラからPCに移しただけで改めて見てみる事も無く放ったらかし。それから丸2ヶ月が過ぎてしまって、そのシャンパーニュを飲んだ事さえも忘れかけていた。

 それを昨日になって急に思い出させられたのは、その同じキュヴェを、フランスはサンセール在住の友人が「バーベキューで飲んだよ~、それもマグナム[黒ハート]で」と自慢げに彼女のblogに写真入り載せたから。うがーーー[ちっ(怒った顔)]

 羨ましいのと、それが稀少なマグナムで悔しい[パンチ]のとで、久し振りにメールしてみることにした。

 すると、いつになく素早い返信が戻って来る。「待ってました!(笑)」だって。ちぇっ、やっぱり思惑通りに、まんまと釣られちゃったよ。絶対に僕が反応するって、確信して書いたってワケね(苦笑)。

 それと云うのも、このシャンパーニュの生産者である若き現ご当主君は、そもそもこのサンセール在住の彼女の友人。僕がこの造り手を知ったのも、「間違いなく美味しいから、いつか1度飲んでみて!」と、彼女から薦められたからだった。


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 相当に霞んでしまっている、思い切り頼りない味の記憶を無理矢理に辿って、飲んだ時の印象をワインのプロである彼女に伝える。残念ながら、ワインの味わいをきちんと伝える為の語彙は、ほとんど思い浮かばなかったけれど。

 「美味しかったけど、普通のシャンパーニュとは明らかに違ってた。(一緒に飲んだ共通の)友人は結構戸惑ってたよ。想像していたのとは違ってたみたい(笑)。メゾン中では最上位クラスのキュヴェってことで、結構繊細で上品な味わいを想像していたみたいなんだけど、ね。ここでちゃんと印象を説明出来ないのがもどかしいんだけど、そのボトル個体のせいもあったのかなぁ、何か、ワインとは違った酒質のお酒のニュアンスが僕には感じられたんだ。そう、数滴ブランデーが混じってるかのような、ワインよりちょっと強い味が。僕はそれを個性的でいいな、って思ったんだけど。」


 すると、彼女からの返信には、思い掛けない事が書いてあった。

 「ルフレダンタンはきっとボトルが熱劣化していたのではないかな?と思われます。フレッシュでコクがあって美味しいシャンパンですよ。ワインに近い凝縮感のある味だけど、そんなに変わった味わいじゃないので、多分そう思います。」

 勘弁してよ~(T T)[あせあせ(飛び散る汗)]

 ワインのブショネ率には諸説あるけれど、約5%。20本開けたら1本はブショネに当たる確立だとも言われる。今回は嫌なカビ臭のする明らかなブショネとは全く違ったけれど、出荷されたワインが輸送中もしくは保存中に急激な温度変化を受けた場合に起こる熱劣化も、ブショネと同様にワイン好きには頭の痛い問題だ。

 このシャンパーニュを手に入れたのは今年の3月のこと。そして飲んだのは4月21日。この時期の東京・横浜でワインが凍結する様な温度にまで気温が下がることは有り得ない。かと云って、反対に暑さでワインが吹きこぼれる危険が発生すると云われる気温の目安、25度以上の夏日も未だ一度も無かった。配送も温度管理されたクール便で取り寄せているのに、どうして~・・・[もうやだ~(悲しい顔)]


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 熱劣化の影響がどうあれ、飲んだその時に美味しいと感じたなら、それで構わないだろうと思われる向きも在るかもしれない。でも、それはこのキュヴェ本来の味わいを僕が知らないから、そう思えたこと。やはり正常な物を味わってないことには、僕はこのシャンパーニュの本当の味わいを知っているとは、どうしたって云いがたいではないか。

 よりによって、心から本当に楽しみにしていた特別なキュヴェでこんな事が起きてしまうんだから、こんなワインを僕に振り分ける神様も随分残酷でイジワルだ。どうせなら、何度も繰り返し飲める様なスタンダード・クラスのキュヴェでならば、比較のしようも有るだろうに。

 ある程度、いや、僕好みのクエン酸系の味わいでいて、コクがたっぷりと有って、実際とても美味しかったから、今でもあれが本当に熱劣化していたボトルであったのか、俄には信じがたい気もしてしまう。

 それでも、ワインのプロである友人がワインについて語る時の言葉は、いつだって真摯で確かなもの。悔しいけど、結局はもう1回同じシャンパーニュを飲んでみて、本当の味を確かめてみなくっちゃ、ってコトなんだろうね。こんな事に遭遇して自分のワイン経験値が上がるのは、実に嬉しくないコトだけど・・・(苦笑)。



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