Michael Franks / WATCHING THE SNOW [jazzっぽいの、好き?]
ここのところ、随分と寒い日が続いてますね。こんなに冬らしい冬って、なんだかとっても久し振りな気がします。それどころか各地で12月としては記録的な大雪に見舞われちゃったりして大きな混乱も起きてしまっているよう。東京でも今晩の夜から明け方にかけての雨の予報が雪になるかも、だって。雪は見るのは好きですが、クルマの運転が・・・。
#雪道運転からきしダメなんです・・・(滝汗)。
・Artist : Michael Franks
・Title : "WATCHING THE SNOW"
・Release : 2003
・Label : Sleeping Gypsy
・Style : Male Vocal
(jazz/adult contemporary)
◆Michael Franks's web site : http://michaelfranks.com/
さて、今晩雪を見たい見たくないは別として、今日はこの季節に聴かないでいつ聴くの?ってアルバムをチョイスしてみました。AORファンにはお馴染み、マイケル・フランクスの2003年作品、『WATCHING THE SNOW』です。
これ、歌詞には頻繁にクリスマスって出て来るんですが、厳密に言うクリスマスアルバムではありません。クリスマスや大晦日の頃に聴きたい、いわば「冬アルバム」ってトコですかね。因みに、お馴染みのトラッドなクリスマス・ソングは一切無し。9曲全て(10曲目はヴァージョン違いの録音)がこのアルバムの為に書き下ろされたオリジナル。有り触れた、そんじょそこらの企画モノとは全く次元が違います。今さらジングル・ベルなんて・・・って食傷気味の方に是非手に取って頂きたいですね。
①マイケルの歌うボサノヴァやjazzyなナンバーはふんわりとして、暖かい室内からしんしんと降り積もる雪を、静かに穏やかに見てる感じ。ナイロン弦爪弾かれるガットギターとストリングスの組み合わせ、効果的なフルートの音色、フリューゲルホーンのソロ。マイケル・フランクス好きにはほぼ完璧な出来映えと云えるでしょう。これは大晦日のカウント・ダウンは君と二人、暖炉の前でチャーリー・パーカーでも聴きながら過ごそう。愛する人と楽しい時を過ごせるのなら、それが最高の幸せ、って曲。
②はマイケル・フランクス版の「雪やこんこん」(笑)。は歌詞に「フェルメールの絵」や「フロストの詩」と云った言葉が織り込まれているのが、いかにも学究肌のマイケルらしい。「僕の密かな楽しみは、こうして大きな窓から外の雪を眺めること。もっとたくさん降りますように。雪を見ていると、こんなにも満ち足りた気持になれるから」
京都で過ごした忘れられないクリスマスを歌った③には故・黒澤明監督の名前も。「kappamaki with wasabi / わさびの利いたカッパ巻き」にはつい、ほのぼの笑っちゃう。
④ソプラノ・サックスの甘い響きと、ゆらゆらとしたローズの優しい響きが揺れるキャンドルライトを思わせる、オトナのクリスマス・ソング。「僕が欲しい物は甘いチョコレートより・・・」。
ちょっとトボけたムードの⑤は歌詞が楽しい南国で迎えたクリスマスの思い出。「サンタは謹慎中で、彼のトナカイは結核を患ってる」だって(笑)。
⑥ピアノのリフとホーンセクションの使い方がスティーリー・ダンを思わせる曲調のジャズ・チューン。ジャズだけどAORファンは一番納得の行くナンバーなんじゃないかな。「ねぇ、見て。こんなにたくさん降る雪の中で、最初に降りて来たのは私なのよ」と一片の雪が語りかけて来る、ロマンティックでお洒落な詞はさすが、詩人・マイケル。
⑦メランコリックで美しい調べに乗せて、静かに愛する人と迎える大晦日
⑧ゆきだるまを主人公に据えたジャズ・チューン。歌詞には大晦日もクリスマスの出てこないので年が明けても楽しめます(笑)。ゆきだるまが歌う歌がまたユーモアに溢れててセンス抜群。そっか。彼は低気圧をどうやって保とうとか、世に雪ほどまで完璧な結晶は他に有り得ないとか、淋しいから隣に奥さんも作ってくれたならもっと幸せに凍ってられるのに、とか思ってるワケね(笑)。
⑨これだけ愛する雪に歌を捧げながら、最後には雪にもクリスマス・キャロルにも飽きちゃったマイケルは再度南の島に逃げ出したくなったらしい(笑)。どこまでもユーモア効いてます。
⑩は④のReprise。こちらはアコースティック・ピアノとアップライト・ベースのデュオをバックに、さらに静謐に、しっとりと敬虔なイメージ。
さて、こんな素敵なクリスマスを迎えられたら、あなたはどんなプレゼントをお望みかな?。merry christmas
↑はマイケルのめちゃかわいい愛猫その①Lily。
01.The Way We Celebrate New Year's
02.Watching The Snow
03.Christmas in Kyoto
04.My Present
05.I Bought You a Plastic Star
06.Said the Snowflake
07.The Kiss
08.When the Snowmen sings
09.Island Christmas
10.My Present
all compositions by Michael Franks
■Michael Franks (vocal), Jay Anderson (acoustic bass), Jay Azzolina (guitar), Charles Blenzing (piano,keyboards & additional percussion), Cafe(percussion), John Clark(french horn), Chris Hunter (saxophones & flutes), Billy Kilson (drums), Romero Lubambo (guitar), Veronica Nunn(lead & backing vocal), Alex "Sasha" Sipiagin (trumpet & flugelhorn)
Produced by Chales Blenzing and Michael Franks
Arrangements and Sequencing by Chales Blenzing
この記事はnice!をつけて下さった
①newnewさんのBlog、“iCasa”の「♪大人のX'masアルバム第11弾!マイケル・フランクス/ウォッチング・ザ・スノー 」
②TahaさんのBlog、“Relaxin' Time”の「Michael Franks / Watching the Snow [2003]」にTBさせて頂いております。
なんかつい最近のような気がしてましたが、もう2年前なんですね。
AOR系ってどうしても夏!海!のイメージが強いので、こういうテイストの
アルバムって貴重です^^
ちなみに現在、新作を準備中らしいですぜ。
by 怪鳥 (2005-12-21 14:58)
AOR系はやっぱり爽やかな夏!海!のイメージなのかな~、とぽつり呟きつつ、久し振りにビル・ラバウンティとロビー・デュークのジャケットに写された顔を見る。どこが爽やかやねん・・・(苦笑)。
早くマイケルの新作聴きたいね。出来ればシンセ極力使わない、アコースティックな音がいいなぁ。
by yk2 (2005-12-21 21:24)
このシーズンあらためて聴くと、いいですね。
気持ちがリラックスできる、そんなサウンド。
新作出るんですか!
楽しみです。
by (2005-12-21 21:40)
newnewさん、はじめまして。
ご訪問、コメント&nice!ありがとうございます。
リラックス、そう!。このアルバムに一番ぴったりな言葉ですね。こんだけ字数使ったのに、たったこの一言でまとめられちゃった気がします(苦笑)。
先ほどお邪魔しましたら、このアルバムについて書かれていらっしゃったんですね。追記で本文にURL入れますのでTBさせて下さい。
by yk2 (2005-12-21 23:08)
新作が届くのは何時ごろなんでしょう?
私も長く待っております。
流行に流されずマイペースで活動してほしいアーティストです。
by taha (2005-12-24 22:47)
tahaさん:
こちらにもnice!とコメントにTB付けて下さって、ありがとうございます。
流行に左右されずマイペースで、って本当にそうですねぇ。彼の音楽を聴いていると、ほっとしたり、優しい気分になれます。こんな楽曲をいつまでも、彼のペースで送り届けて欲しいですね。
by yk2 (2005-12-25 15:15)