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どうなってるの?、Matt Bianco [jazzっぽいの、好き?]

 MTVがブレイクし、コンピュータによる打ち込みサウンドの登場で劇的に音楽界が変わり始めた83年頃のブリティッシュ・ムーヴメント、ファンカラティーナから飛び出して早20数年。新たな作品を発表するたび、ジャズ、ボッサ、ラテンから果てはAORまで巧みに取り込み、切り口を変え、様々なエッセンスを溶かし込んだ良質のポップ・チューンを世に送り続けてきたマット・ビアンコ

 その彼らがこの3月、昨年のホール・ツアーに引き続き早くも再来日を果たしてくれる。またマット・ビアンコのライブに触れられるんだ!、それも今度はバーシア帯同でBlue Note公演!!と、喜んだのも束の間。なんと今回のツアーにはバーシアとダニー・ホワイトは参加しないのだという。そして代わりに参加するのは、彼らと入れ替わりにマット・ビアンコを脱退したマーク・フィッシャー。ファンとしては首をかしげたくなるような、全く以てよく分からない不思議な状態での来日公演。一体全体、どうなってるの???

Matt Bianco's official web site : http://www.emarcy.com/bianco/
Basia's unofficial funsite : http://www.basiaweb.com/

 マット・ビアンコはボーカルのマーク・ライリーが中心となって結成されたグループで、元々同じバンドに所属していたダニー・ホワイト(key)と、ティト・ポンチオーニ(b)の3人に加え、ダニーを通じて加入したバーシア(vo)の4人で構成。デビュー直前にポンチオーニが脱退したため、3人組のユニットとしてスタートした。

 1984年に1stアルバム『WHOSE SIDE ARE YOU ON?』をリリースするが、ライリーのバック・シンガー的な扱いを嫌って今度はバーシアが独立。彼女の才能に惚れ込んでいたダニーもバーシアをサポートするために共に脱退してしまう。一人になってしまったライリーは以前のバンド仲間マーク・フィッシャーをコンビに迎え、巧みにジャズやボサノヴァ・テイストを取り入れた86年作『matt bianco』で再スタートを切る。大きなヒットには至らなかったが、軽妙洒脱なダンス・チューン“YEH YEH”で目敏い音楽ファンから注目を浴びることとなり、以後彼らは二人のマークのユニットとして18年間という長きに渡り、活動を共に重ねて行くこととなるのだ。

 しかし、そのマーク・フィッシャーも2002年作『ECHOES』を最後に離脱。リフレッシュが必要になったライリーは旧友ダニーに声を掛け、久々のセッションに誘う。これが彼らを大いに触発することとなり、互いにそれぞれの音楽の相性の良さを再確認した二人はバーシアを加えてオリジナルのマット・ビアンコを再結成。2004年に最新作『MATT'S MOOD』をリリースし、翌05年には3人揃っての来日公演も果たしてくれたのは記憶に新しいところ。

 デビュー作以来の彼らのファンである僕も、昨年春の国際フォーラムでのコンサートにはワクワクしながら出向き、20年経っても決して色褪せる事のない彼らのフレッシュな音楽を存分に堪能して来た。だからこそ再来日公演決定のニュースに心躍ったのだけれど、繰り返すが今回の公演にはバーシアとダニーは帯同しない。しかも代わりが元相棒のマーク・フィッシャー。これではバンド内で何か不穏な動きがあったのか?と思わない方が不自然というものだ。「ええっ?、やっぱりバーシアとダニーはアルバム1枚を限りにまたマット・ビアンコを離れてしまったの??」。誰もがそう思ったとしても無理は無い。

 バーシアには長いブランクが有ったとは言え、ソロで築き上げた確固たるポジションが有る。世界的レベルで見ればマット・ビアンコのネーム・ヴァリューより、彼女個人のそれの方が遙かに大きいだろう。いつ、私やっぱりソロに専念するわ、と言い出しても全く不思議じゃない。実際、バーシアとダニーは現在バーシアのソロアルバム・プロジェクトの真っ只中らしい。マット・ビアンコの活動とは別に、ソロで手掛けた日本の自動車メーカーのCMソング(※参照、newnewさんの1月10日付けBlog→http://blog.so-net.ne.jp/icasa_j/2006-01-10)もすでにオンエアされている。

 ライリーとバーシア&ダニー。彼らはこれからもマット・ビアンコとして活動を共に続けていくのだろうか。それともまた別々の道へ・・・。



※過去に書いた関連Blog
Matt Bianco "JAPAN TOUR 2005"http://ilsale.at.webry.info/200504/article_3.html

Matt’s Mood

Matt’s Mood

  • アーティスト: マット・ビアンコ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
  • 発売日: 2004/05/26
  • メディア: CD


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コメント 12

yk2さん、こんばんは!
ご訪問ありがとうございました。
マット・ビアンコがこんなことになっているとは、勉強不足でした・・・。
しかし、私も1stからずっと聴いてきてる一人として、マーク・フィッシャーのサウンドも好きなので、これもありかも?
いずれにしろ、3月のライブ楽しみですねぇ。
by (2006-01-13 00:03) 

yk2

newnewさん、早速のTB、コメント&nice!ありがとうございます~。今回のブログはnewnewさんのBlog読んでから、改めてどうなってるんだろうとチェックしてみたら分かったことなのですよ。Blue Note Tokyoのスケジュール欄には未だにメンバーの詳細やら、何も入っていないんです。

取り敢えず、即脱退とかそんなコトじゃないみたいに感じているんですが、じゃあ宙ぶらりんなマーク・フィッシャーの立場はどうなるの?、ですよねぇ。バーシアのとっても詳しいファンサイト(実は公式と勘違いしてました・・・(^^;))にはそれぞれがソロ活動みたいな書かれ方してるんで、今回のマット・ビアンコの来日は、そう銘打ってはいてもマーク・ライリーのソロ活動に限りなく近いものと考えた方が良いのかも知れませんね。
by yk2 (2006-01-13 00:50) 

farafel

マット・ビアンコ・・・。

yk2さんって、かなり、同世代???
by farafel (2006-01-13 04:34) 

こんばんは。
yk2さんの記事から、今回のマット・ビアンコの動向を探ってみました。
OSAKA、NAGOYA Blue Noteには、メンバーがのっていました。
企画盤らいいですが、新譜も出るそうです。
by (2006-01-14 00:04) 

yk2

farafelさんって、かなり、同世代なの???。
・・・って、よく判りませんが(笑)、僕は彼らのデビュー当時高校生ですよん。あ~歳は取りたくないモンだ(苦笑)。

そもそもfarafelさん、文章から受けた印象では最初、男性だと思ってました(^^ゞ。「・・・だ」の断定表現が多くて、「です、ます」調ほとんど使わないから。
by yk2 (2006-01-14 10:32) 

yk2

newnewさん、動向追跡調査(笑)の再TBありがとうございます。僕も名古屋BNのweb見てフィッシャー参加を知ったのですが、新曲3入り企画盤が出るのは知らなかったです。ますますよく解らない~・・・。

それにしても本件に全く触れていない日本のレコード会社のサイトのやる気の無さにちょっとイライラしちゃいます(苦笑)。あれ見たら、ファンはバーシアとダニーも来日するんだと思っちゃいますよね。
by yk2 (2006-01-14 10:40) 

ホント、ホント。
正式なアナウンス何もないんですよね。
あまり売れないものには、エネルギーかけてないって感じ。
by (2006-01-15 23:59) 

SinSin

はじめまして。
Matt Biancoがらみでネット検索していてお見かけしました。

一応、85年頃(?)の1stからMatt Biancoを聴いている者です。
90年代以降はほとんど聴くこともなかったのですが、2年前に
オリジナル・メンバーでの来日公演があったことを事後に知りました。

何たる不覚!と思い、今回の公演には何の下調べもなくに、アナウンス
と同時にチケットを購入しました。

が、今回は、ダブル・マーク・バージョンなのですね。
ちょっと悲しいですが、2nd以降のダンサブルな曲も結構好きなので、
これはこれで楽しみにしています。

BlueNoteだと、1回目と2回目の間にバーでメンバーが飲んでたりとか
する光景に出くわす、なんてことないですかねえ。
当時の2ndアルバム持って行って、できればサインもらいたいです。
by SinSin (2006-01-21 15:20) 

yk2

newnewさん:
 あれからBlue Note Tokyoの出演情報がどうUPされるのか、密かに注目してたんです。だってスケジュールのオトコ二人の写真は、マーク・ライリーとダニー・ホワイトの写真だったから・・・。結局情報上がった今もその写真使ってますね。マーク・フィッシャーの顔なんて誰も知らないよ、ってコトかいな(苦笑)。
by yk2 (2006-01-21 21:07) 

yk2

SinSinさん:
 初めまして。ご訪問頂き有り難うございます。僕やnewnewさんも1stの頃からのファンですよ。確か85年にはもう“YEH YEH!”の12インチとか出てたので、輸入盤とラグがあったとしても1stは84年だったと思いますよ。早いですね~、もう22年前だもん(苦笑)。お互い長いファンですね。

 Blue Note Tokyoは原則として1部2部は完全に入れ替えで客は外に出されてしまいます。Motion Blue yokohamaと違って同一施設内にウェイティング・バーなどが無いので、休憩時間に出演者が隣で・・・って云うのは、残念ながらほぼ無いです。でも終演後に客席に出て来て友人やファンと話していたり、CD購入者にはサイン会を、なんて時もアーティストに依っては有りますよ。ダメもとでアルバムは持参されてみては如何でしょう。もしかすると、チャンスが有るかも!。
by yk2 (2006-01-21 21:08) 

SinSin

あ、84年でしたね。失礼しました。

申し遅れましたが、私名古屋在住ですので、行くのはBlue Note NAGOYAです。あと1ヶ月少しなので、これから過去のアルバムを聴き直してリハビリします。一応アルバムは持っていこうと思います。
by SinSin (2006-01-24 09:23) 

yk2

SinSinさん、再度のコメントありがとうございます。
返事遅くなりましてすみませぬ。
名古屋ご在住だったのですね。Blue Noteに普段は僕もいちいちTOKYOって付けないもので、てっきり。早とちりでした(^^ゞ。

僕は今回は多分観ないと思いますが、よろしかったら公演後には感想などお聞かせ頂けると嬉しいと思います。
by yk2 (2006-01-26 00:24) 

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