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ピサの斜塔の傾き加減に思わず笑う [2006伊仏旅行]

(3月11日土曜日-④)
・・・前回のお話はこちらから→(http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-03-29

 ピサ駅からこの日泊まる“HOTEL MINERBA”までは、タクシーで10分にも満たない、ほんの短い距離でした。その佇まいはと云うと昨日までの3日間と違って、本当にクラシックでこぢんまりとした典型的なプチ・ホテルです。タクシーが停まった瞬間に、「え、ここがそうなの?」って思わず口にしてしまったくらい。つい先ほど、数時間前にチェックアウトしたばかりのシエナのエクセルシオールと比べると、随分とギャップを感じちゃうなぁ~。

 今回のホテルの選定、予約は全てシエナ在住の知人にお願いしていたのだけど、「ピサは空港に行くためだけに立ち寄るわけで、本当に寝るだけだから」、なんて話を予めしていた所為でしょう、ほんとにそれに見合ったぴったりのホテルを探してくれたみたい。まぁ、今回の旅行中一番安いホテルなので贅沢は云えないんですけど・・・(苦笑)

 場所的にも観光スポットへは徒歩だと15分近くかかる場所。つまりはピサの斜塔からはちょっと遠いってことらしい。元よりさして興味が無かったので僕は別段気に掛かりませんでしたが、街の規模が小さいので「徒歩15分」は結構距離が有る方なんだそうです。ホテルの周りは商店なども点在しているけれど、どちらかと云えば住居も多くあるゾーンでした。日本で云うところの近隣商業地域みたいな場所かな。静かと云えば静かな所かも知れません。


 ホテルのパンフレットにあるフロントの写真です。まぁ~、なんて立派に撮れてるんでしょう(苦笑)。

 チェックイン早々参っちゃったのが、地上1階(つまりは日本の2階)に上がるのにエレベーターが無いってコト。部屋はその地上1階だったのですがこの階にはエレベーターは止まらないんだって。たまたまこの時、ちょっと事情が有って友人のトランクも僕が運ばなくてはならなかったのです。フロントにはおばちゃんがたった1人だけでポーターなんかもちろん居ません。重いトランク2つをいっぺんに持ち上げて階段を昇るのはめちゃキツかった・・・。


 同じくパンフレットより部屋の写真。僕の部屋はシングルなのでもっともっとコンパクトです(笑)。1階という事もあって窓もこんなに大きくなくて、面積にしておよそ1/4くらい。採光も良くなくて、ちょっと部屋は暗めです。年代物のクローゼットには鍵がかかるのですが、これがまるで15世紀の牢屋の鍵みたいな古めかしいヤツ。思わず手に取って笑ってしまいました。

 それにしても、くどいようですが昨日までのホテルとはえらい違いです。

 まぁ、別に建物がボロボロなわけでも室内が不潔なワケでもなし、ちょっと歴史があって(=古くって)、部屋が可愛らしくって(=狭くて)、ベッドに寝れば枕位置からすぐ壁一枚隔てて廊下だとか、シャワーがほんとに立って体一つ分のスペースしかなくて、プラスチックで出来た蛇腹のシャッター閉めてお湯を浴びてたら、あまりの狭さに何だか息苦しくなって来て、生まれて初めてシャワーで溺れそうになった(爆)とか、多少快適とは云えないかもなぁ~、なところが何点かあっただけです。安いんですから、偉そうにタラタラ文句云えた義理じゃありません。

 うん。昨日までが快適過ぎたんだよ、今晩だけだもん、こんなホテルを経験するのもイタリアならではだよ、などと自分で自分を慰めたりなんかして(^^;。そもそも、そんなに高いホテルに泊まれるような潤沢な予算で旅行しているわけじゃないし・・・。でもねでもね、よくよく考えたらシエナのエクセルシオールと約2000円しか違わないんですよね、ここ・・・(苦笑)。

 その代わりと云っては何ですが、フロントのおばちゃん、おじさんがとっても親切で話し好き。多少の事はこの人達の笑顔と愛想の良さで帳消しになってたかも知れません。

 例によって友人が晩ご飯を食べるとしたら、この近くではどこに行ったらいいのかな?、と訊いてみると、おばちゃん、よくぞ訊いてくれましたとばかりに巻き舌の英語で思いっきり熱弁開始(笑)。地図の斜塔の近所のエリアに丸く印を付けながら、「ここら辺は旅行者向けで高くて美味しくないから絶対にダメよ。こっちのエリア(アルノ川の南側)にしておきなさい。地元の人はみんなこの辺りに行くのよ。中でも私のお気に入りはここにあるレストラン、“ガリレオ”なの。ガリレオよ、ガ・リ・レ・オ!。ここにお行きなさいな!」と数分間にわたり延々力説されてしまいました。わかりましたわかりました、そこに行きますってば(笑)。

 そのまま黙って聞いていたら、いつまでも延々と話が続きそうなので、切りの良いところでおばちゃんに有り難うを云って街へ出掛ける事にしました。ピサ観光なんて気持ちとしてはどうでも良かったのだけど、なんせ時間はこの時点でまだ14時です。狭いホテルでダラダラ過ごすのはあまりにも勿体無い。今回の旅行でイタリアで過ごせるのはもうこの日が最後なのだから、楽しまなきゃ!。

 時間はたっぷりあるし、斜塔まで歩く事にしました。晴れていたので暖かいかなぁと思ってコートを置いて来てしまったけれど、思いの外風が冷たかったです。川が近かったせいかな。


 歩いて5分程行くと、すぐにアルノ川に出ました。箱形をした建物がポンポンと同じように揃って並んでいるせいでしょうか、同じ川沿いに同じように古くから栄えた街なのに、フィレンツェとは随分景色が違うものだなぁなどと、カメラのファインダーを覗きながら思います。


 この橋(ponte di Mezzo)を渡ると、そこからはさっきフロントのおばちゃんが話していた観光エリア。Borgo Strettoは差詰め門前町商店街と云った趣。友人は江ノ島みたいだと云ってたけど、僕には浅草みたいに思えたよ(^^。土曜日だからだろうか、蚤の市みたいな露店がずーっと出ていてなかなか賑やかです。そうそう、ここからはちょっと治安警戒もしておかないとね。


 ホテルのパンフレットにあるイラストのピサ・マップ。ほんとに城壁に囲まれた小さな街です。斜塔しか無いなんて云っちゃ悪いけど、この地図見る限りは、やっぱりそうだよなぁ・・・(^^;。地図中、赤い線で囲んであるのがホテルで、青い線が文中で辿っているエリアです。

 更に5分程歩いてVIA OBERDAN、VIA CARDUCCIと云う二つの通りを真っ直ぐ抜けると、今度は城壁が現れました。バス停もここにあるみたい。手前は古い遺跡のようだけど、写真に撮っただけで何であるかは知らなかったりして(^^ゞ。地図の通りに左方向に曲がります。

 ここまで来ると周りには道に沿ってカフェなんかは所々あるものの、また住宅街のような雰囲気。そろそろのハズなんだけどなぁ~、と正面空を見上げた途端、それは出現しました!。


 思わず12倍ズームにて撮影(^^。


 全然期待してなかったクセに、その現実の傾き加減を知ったら思わず嬉しくなってしまいました。だってこんなにも傾いてるとは思わなかったんですもん。すごいすごい~(笑)。


 いや~、やっぱりボローニャの斜塔がイマイチ知名度が低いワケですね。これじゃ、勝負になりません。これ程の傾斜度とはまるで予想してませんでしたから。これなら記念に昇ってもいいかなぁ~なんて柄にもなく思っちゃったのですが、昇るのには事前に予約が必要だそうで断念。ちょっと残念だったかも。

 それにしても、緑の芝生と青い空に映える真っ白な大理石の大聖堂はなんとも美しいものでした。12世紀頃には既にこんな建物が設計され、実際に建築されていたのだと思うと、当時の人達の英知、技術は素晴らしいものだったんだなぁと感嘆してしまいます。今のように機材も無い時代に、どうやってあんな上の方まで石材積めたんだろう・・・。考えれば考える程不思議ですね。

 思いの外、ピサの斜塔は楽しかったのですが、やはりこの街では観るべきものが限られているのに加えて、同行している僕の友人はこう云った建築物とか、文化的なもの、芸術的なもの全般にま~ったく興味が無い人(苦笑)。もし、大聖堂の中などに見学に入ったとしても、すぐに退屈しちゃうのは目に見えてます。付き合わせる方が間違ってるよ、って他の友人にも云われちゃうくらいだしね(苦笑)。仕方ない、おなかも減ってるみたいだし、移動して何か食べましょうか。

 それではと、ホテルの方面へ戻ります。

 よく考えたらこの日はランチを取ってないので無理もなかったのですが、さっきあれ程フロントのおばちゃんに、高くて美味しくないんだから、観光エリアでは食べちゃダメよと云われていたにも関わらず、飲食店の前を通る度に「ここは?」「じゃこっちは?」とこっちの顔色を伺います。そんなにおなか空いてるんかい・・・。

 ほんとに食べることに関して我慢利かない人なんですよ(苦笑)。

 あんまりにも「ここは?、ここは?」って云うので、仕方なく、まだ「観光エリア」の中なのではありますが、バールに入ってパニーニと赤ワインをグラスで貰って一休みしました。もう3時半なので、この時間にいっぱい食べちゃうと夜に響きますから、あくまでも軽くです。何てったって今晩はイタリア最後の晩ごはんだもん。美味しく食べたいですからね。

 ホテルへの帰り道、フロントのおばさんに教えて貰ったリストランテ/ピッツェリアの「ガリレオ」の場所もしっかり確認。スタッフが夜の仕込みで店内にいたので、ついでに予約も済ませました。用意万端です。

 それじゃ、また19時半に来ますから、よろしくね。


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こんにちは!
食べ過ぎてばかりいるLahiriです(笑)
間食をお友達のせいにしちゃって、やだなぁ~、
自分ばっかり小食ぶっちゃって~、
yk2さんも、本当はお腹ペコペコだったんじゃないんですか ^^?

ところで、ピサの斜塔は行ったことがないんですが、
とてもきれいな場所ですね。
アルノ川付近も、フィレンツェよりきれいな感じですが、
雰囲気そんなに違います?
でも何より、フィレンツェだったら建物の間からドゥオモが覗いて見えるのに、
こちらでは、斜塔。
なんだか微笑ましい写真でした ^^
ぜひ行ってみたい場所になりましたよ。

それでは、yk2さんの食べっぷり、楽しみに待ってます。

あ、あとタイトルいいですね ^^
by (2006-04-06 17:37) 

yk2

Lahiriさん、こんばんは。

>間食をお友達のせいにしちゃって、やだなぁ~、
>自分ばっかり小食ぶっちゃって~、

今Lahiriさんのblogで「ごめんなさい」って書いて来たばかりなんですが、僕らはその3時過ぎの食事が「お昼ごはん」です(笑)。ブランチも取ってなければおやつでもありませんからね~(^^。

この日、なんでおなかがあんまり空いてなかったかと云うと、Blogにまだ後回しにして書いてないシエナでの晩ご飯でめちゃくちゃおなかいっぱいだったんです。少し飲み過ぎが続いて胃が疲れてたんでしょうねぇ(苦笑)。ランチ1回食べられなくて勿体無かったかな。

ピサは期待してなかった分、結構楽しかったです。実物見るとやっぱり笑っちゃうと思いますよ、あの傾斜度だもん。もし機会が有れば訪れてみて下さい。1日滞在出来れば充分に楽しめると思いますよ。その代わり、ちゃんと斜塔に昇ったり聖堂は見学しないと時間もて余しちゃいますけどね(笑)。

夜はね、しっかり食べてますから!。
by yk2 (2006-04-07 01:33) 

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