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新年会2007@Le Chapon [そとごはん、そとワイン]

1月7日(日曜日)
 時間が前後しまくりですが、今頃やっと1月初旬の、ずっと書きかけだったネタを。

 さて、今年も僕の外食はいつものLe Chaponhttp://www.le-chapon.com/)からスタート。この日は飲み仲間二人との新年会。

 ここ2年は大体月に3回通いのペース。それってよく考えたら、年間約36日。12ヶ月の内まるまる1ヶ月は必ずこの店で食事してるってコト。そんなにも通ってしまう理由は、美味しいものが食べられるって事は当然だけど、スタッフも含めた友人達とこの店で過ごす楽しい時間が、僕は何より好きだからなのだ。

 しかし、回数が幾らたくさんでも、僕はほとんどいつもワインを持ち込んでばかり。ちっともお店を儲けさせてあげられない(汗)。

 ・・・ってコトで、いつもいつも心から申し訳無いと思っているので、御年賀(=贖罪とも云う^^;)に僕の大好きなシャンパーニュ、ルネ・ジョリィのRJを進呈。ぜひぜひスタッフみんなで飲んで下さいな。これ、絶対に美味しいんだから!。


※↑ 手にRJを持つオーナー・シェフのO氏。しゃべりたがりで困ります(笑)。






 最初の乾杯は先ずこのシャンパーニュから。 


シャンパーニュ・ガティノワ / グラン・クリュ・アイ・トラディシオン・ブリュット
(CHANPAGNE GATINOIS / Grand Cru Ay Tradition Brut)

 顔馴染みのワイン屋さんに薦めて貰ったガティノワはアイ村に在って1696年から続く老舗のメゾン。買ってから気が付いたんだけど、ルネ・ジョリィのBdBが5位に入った雑誌BRUTUSの特集“2007年ワインの教科書”の「要注目RMシャンパン・ランキング」で50本中、15位に取り上げられていたシャンパーニュです。

 ガティノワはまるでロゼと見間違えそうな濃い色合い。ほとんどピンク掛かったゴールドとでも云っても良いくらいに、黒葡萄の皮の色が染み出てしまっているかのよう。泡立ちも力強く、味わいもコクがあってしっかりと濃い。ピノ・ノワール90%にシャルドネ10%のセパージュで、飲んだ感覚としてもほとんど完全なるブラン・ド・ノワール。チコリのホロ苦味のサラダをつまみながら頂きました。


パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー 2002

 新年会の時にはどんなワイン飲みたい?と、友人Mちんと昨年末から色々と相談した結果、この日はパヴィヨン・ルージュを飲んでみようと云うことに。手に入れたのは2002年。本当なら、まだまだ飲み頃は何年も先なんでしょうけど、ね。出来たら、予約時間の2時間くらい前に抜栓しておいて貰おうとも考えたけど、開けた直後の香りや味の変化も体験してみたくって目の前で開けて貰いました。

 栓を抜いた直後は香りもそれほど立たず。一口含むと、まさに眠れる美女。なんだかピンと来ません。それでいて、上と下のあごの水分がすーっと急速に吸い取られてくっついてしまう様なタンニンに口中が即支配されてしまいます。あちゃ~、ダメだよ、これじゃ(苦笑)。

 これはもう久々にデカンタージュをお願いしなきゃ。後半、美味しく飲めるようにちゃんと開いてくれるのかな?。暫し待ちましょう。


 テリーヌだとか、僕のblogで毎度お馴染みのメニューの写真は割愛。
 で、O氏の提案で、ほんのちょっぴりだけど面白いおつまみをもらいました。白トリュフとアンチョビのオイル漬けです。
 
 くさいもの、個性の強いもの同士の取り合わせは一体どんな味になっちゃうの~?と興味津々。でもこれが食べてみると白トリュフの風味や食感を味わうにはなんともストレートで面白い食べ方。美味しい!。野菜たくさんのサラダ仕立てにするより僕はこのままの方が好きかも知れない。そして、半分ちびちび食べたところで、今度はこれにパルミジャーノとエクストラ・ヴァージンオイルを一垂らし。うわー、これも美味しい・・・。もっとたくさん食べたいけど、こんなの気持ちが満たされるまで食べてたら確実に破産しちゃうよね(苦笑)。次の秋まで、さよならっ!、白トリュフ(^^/~。



シャトー・モンペラ・ルージュ 2004

 パヴィヨン・ルージュが開くまで、繋ぎはこのワイン。
 そう。あの、例のマンガでオーパス・ワン(2000)よりウマイと云われたヤツですよ(^^;。あんまりにも話題になっているので、O氏と話していたら「ウチの店でも取り寄せられるよ」と云うので、それじゃあ1本、と頼んでみたのです。

 ハナシの中では2001年物だったのですが、なんでも或るドイツの専門誌の評価は並み居る格付けシャトーを差し置いてその年はコヤツがNo,1だったの云々かんぬんで、CHマルゴーより上だったともわざわざ記述されております。ぢゃ、セカンドのパヴィヨンなんて到底敵わないじゃ~ん。2000円台のクセに!(笑)。因みに2004年のセパージュはメルロー80%、カベルネフラン10%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%。

 で、率直な感想ですが、少なくとも僕が飲んだ2004年に関しては肉感薄め、酸味弱め。メルローらしい優しい味わいのボルドーです。レビューでまるでフルーツ爆弾だとか、カリフォルニアのカベルネが好みの人向け、だなんて書いてあったのでジャミーなこってり系の味を想像していたので、これはちょっと意外でした。なので、少なくとも、僕も1回飲んだだけ(※参照過去記事→http://blog.so-net.ne.jp/ilsale-diary/2006-03-22)では有りますが、忘れ得ぬあのオーパス・ワン独特の味わい、タンニンの質感とは較べる意味をまるで感じられません。これはこれで美味しいワインだと思うけど、特に際だった個性は僕には見て取れなかったのです。やっぱり2001年が特別なんでしょうね。ますます飲んでみたくなりました。


 この日食べたメインの一つは丹波の子イノシシ。なんといきなり今年の干支なんか食べちゃっていいの???。でもよく考えたらトリ年に鶏食べない、なんてハナシは聞いたこと無いからいいんだよね、きっと(^^;。

 これは肉質も柔らかくてクセなんて一切無し。素晴らしく美味しいお肉でした。脂身も軽くてしつこくなく、ペロリといけちゃう。付け合わせのマロンペーストは丹波繋がりか?(笑)。

 ここでパヴィヨン・ルージュ再登板。グラスに注ぐと、さっきとは較べものにならないような好い香りが立ち上ります。隣にいたMちん曰く、「目の前にバラの花束持って来られたみたいじゃない?!」といきなり興奮気味。味の方も、あんなにも鈍重だったタンニンや全く表に出てこなかった酸味、甘みが一斉に花開いたよう。この変わり様にはさすがに吃驚しました。

 やっぱりセカンドと云えどもマルゴーはマルゴーなんですねぇ。ボルドーにしては女性的だと聞いてたけれど、まさにその通り。それも品の良い優雅な華があって、なおかつ均整が取れた美しい女(ヒト)とでも表現したら良いのかなぁ。抜栓した直後はしぶーい顔したおばあちゃんみたいで正直どうなることかと思ったけど(笑)。


 時間と共にどんどん開いて甘く美味しくなってゆくパヴィヨン・ルージュを飲んでいたら、なんだか無性にチョコレートが欲しくなってしまいました。でもこの日のデザートに在ったチョコ系デザートはチョコレート・ムースのみ。う~ん、もっとチョコレートそのものみたいな味の物の方がこのワインには合いそうなんだよねー。

 そんな僕らの顔色を察して、じゃあ、アイスクリームにチェリー・ブランデーで溶かしたチョコレート・ソースでも掛けますか、と作ってくれたのがこれ。熱加減でとても分離しやすいからと火に掛けた小鍋をテーブルまで持って来て、目の前で仕上げてくれました。おおっ、とっても大人味なチョコレート・ソース。余は満足ぢゃ(^^。


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TaekoLovesParis

この写真じゃシェフのO氏は、フランス料理の、というより、築地の、って
見えちゃう。手にしてるRJが魚に見えて、、、。なぁんて言っちゃったけど、
O氏のお料理はおいしいですよね。また食べたくなる、パリのビストロの味。
ガティノワは私も見つけたら買おうと思って、手帳に書いてあるんですよ。

白トリュフとアンチョビのオイル漬けにパルミジャーノを垂らして、、これ、
こたえられないでしょうね。。。

オーパスワンより、、とか、ドンペリより、、とかって単なる宣伝文句
ですね。値段からしてもあり得ない、でしょ。

イノシシと栗は丹波繋がり、、なるほどね~(笑)
後半で、降板させられたPavillon Rougeが休憩を経て、おいしくなった
と読んで、ひとごとながらほっとしました。
あついチョコレートソース、、さぞ、おいしかったことでしょう。
by TaekoLovesParis (2007-02-22 01:45) 

c-d-m

ご無沙汰です。
これはまた、パンチのあるワインの夕べですね。(笑)

ところで大騒ぎされたモンペラくん、
こちらは本当に評価が高かったのはリリースして間もない(確か1997がお初)頃の1998と1999.
つまり、その頃はもーっとジャミーで香りがぎゅーぎゅーに詰まったフルーツ爆弾(というよりギラギラ、ムンムンしているようなインパクト満載)ワインでした。
(ちなみに我々のつけた愛称はミスハワイ。←関東でも通じるのだろうか)
兎に角、パーカーが嫌いになる理由がどこにもないという意味では完璧なワインでしたね。
2000年位からブレンド比率も変えたりして少しマシになったようですが、彗星のごとく扱われた早く飲める分かりよいメルロ1本勝負なワインのひとつであったことは間違いないでしょう
(今より安かったし。)

ところでマルゴーとの比べ方も相当乱暴ですよね。
ポット出のシンデレラと代々輝き続く王侯貴族(没落貴族ではないことに注意)を引き合いにしてみても、本当の品格の部分は雲泥の差というものです。
若い時のモーニング娘は実に楽しいでしょうが残念ながら吉永小百合にはなれないでしょう。

若くて派手なワインはすぐに快楽を与えてくれるでしょうがピークもあっという間です。

真に魅力あるものはもどかしい程、時に忍耐を要求します。
しかしその先には桃源郷があります。

taekoさんも実によく分かっていらっしゃる(笑)
by c-d-m (2007-02-22 15:58) 

yk2

taekoさん、こんばんは。
O氏に築地だって云われてるよ、って伝えておきますね(^^;。
きっとね、「いーんです、プロヴァンスなんだから!」ってワケのわかんない理屈を99%の確立でこねるハズですから(笑)。

白トリュフのこんな食べ方知っちゃって、自分で写真見る度に思い出しちゃっていけません。もう今さら黒トリュフがちっともありがたく思えない・・・(うそ)。

オーパス・ワンより、ドンペリより、って謳い文句はきっとそのどちらも飲まない人にこそ有効なコピーなんでしょうね。僕はロジャー・グラートのカヴァ(ロゼね)は嫌いじゃないけど、逆に特別美味しい!とも思えないんですが、誰が飲んでもそこそこ美味しい、分かり易い味だからこそ、あんなふうに云われて売られてるんでしょう。云ってみれば、ドンペリは買えないけど、疑似体験出来そう、って思わせてるんですよね。

ま、商売としては、上手(苦笑)。
by yk2 (2007-02-22 21:17) 

yk2

cdmせんせ、コメントありがとうございます。
1999年はフルーツ爆弾だったんですね、モンペラくん(笑)。
ちょっと調べてみましたが、あのマンガの影響ってすごいんですね~。現在は2004年ヴィンテージ以外は買えやしないし、2001年は、売り切れだけど最終的に5000円超えで売られてたみたいですね。びっくり!。・・・ってゆーか、5000円出したら他に幾らでも選択肢有るだろーて(苦笑)。

「ミスハワイ」は飛脚さんの語彙にも含まれていたようですが、少なくとも横浜地区では誰に訊いても「何のコトやらさっぱり」です~(笑)。

モンペラがモーニング娘で、マルゴーは吉永小百合ってとても分かり易い喩えですね(笑)。でも、なんだかんだ云ってモーむすも10年近く売れ続けてますから、侮れないですよ(笑)。
by yk2 (2007-02-22 21:31) 

julliez


あはは。
言っときますけど、ミスハワイなんて世代が違うので私には判りません。
でも所謂有名な下町のキャバレー(か、そのお店のオネエサンの事だった)と思います。

某マンガではロックバンドのクイーンの戦慄に例えられたけれど、
ミスハワイには大西ユカリと新世界でしょ!
なんて超有名店のソムリエ衆が例えてましたけど。

確かに今風のワインの代表ですもんね。
ラベルデザインにも醸造にもマーケティングにもお金をと力をかけたワイン。
(表ラベルに名前以外の記載が無くて、裏には必要な情報が全て記載されているスタイルの走りです。)
アメリカに負けたくなかったボルドーの新興産地「気合のワイン」です。

だから最初は凄く「受け」が悪くて外国向けワインと言われてました。
日本でも2003年は殆ど入っていないはずですが、04はプリムールで確か完売したワインです。
私は2001より1998~9のほうが印象的でした。
多分2000年以降、こういうスタイルのワインがイッパイ出てきたからかな。


ちなみに、このワインも10年位なら大丈夫。
でも20年後~50年後、シンデレラたちは女王様になれるのでしょうか。
ロランのかけた魔法が解けてモトの灰被り姫に戻るのでしょうか。
by julliez (2007-02-22 21:56) 

yk2

julliezさん、こんばんは。

>ミスハワイには大西ユカリと新世界でしょ!

大西ユカリってだれやねんっ???って余計分からないので、ついには検索しちゃいましたよ、まったく(苦笑)。憂歌団・木村氏と二人で歌ってるトコ、1度だけTVで見たことあるかも、・・・ってモンペラ2001はそんなんかい(笑)。

今風ワインの代表ねぇ。
次はじゃぁ、ペトリュス飲めないからプピーユ飲んでおこうっと(^^ゞ。
#コイツはニューオリンズらしいし(笑)。

それにしてもjulliさん、「灰被り」とは時代がかってますね。
今時じゃ、ドイツの古い民間メルヘン研究してるようなおじいちゃん教授しか云わないよー(笑)。
by yk2 (2007-02-22 23:37) 

julliez


きゃー。
灰被りはヤバいんですか。
確かにそこだけ強調すると花咲爺さんの世界ですねぇ。
(私の周囲はそんな表現が大好きなクラシックな人ばっかり。)
でもこのフレーズは右岸のシンデレラを語る時にはお約束なので、つい・・・。

確かに大西ユカリ嬢とて、シティー派のyk2さんには想像出来ない組み合わせかもです。^^;

モンペラがカルチャークラブとしたらプピーユはデヴィッド・ボウイって所でしょうか。(色んな意味で)


モンペラ2001はクイーンのフレディマーキュリー。
これにて一件落着。
by julliez (2007-02-23 00:48) 

yk2

ヤバくはないけど、ハタチくらいのオンナノコは圧倒的に、多分95%以上(根拠無し)は云わないでしょう(笑)。だって、「灰被り姫」で出てるのは相当古い本か、もしくは童話にしていない(ちょっとおどろおどろしい)民間伝承のお話が基本の本のどちらかでしょう?。後者だと、いぢわるお姉さんたちが小さなガラスの靴に合わせて無理に足の一部を切り落とした、なんて内容なんだよねー。こわっ。

でもアメリカ(もちろんディズニー)や日本は特にグリムを子ども向けに改編しちゃってる国って話だから、ヨーロッパでなら「シンデレラ」より「灰被り姫」の方がきっとスタンダードなのかも。フランスではどうなんだか、訊いて来て下さいな。

ボーイ・ジョージとボウイとフレディー・マーキュリーって、みんなある意味一緒じゃん(爆)。
by yk2 (2007-02-23 01:27) 

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