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初めてのワイン・サロン / ウマニ・ロンキ社ワインの夕べ [そとごはん、そとワイン]

 先月の事なので、もう少し前の話になってしまうのですが、生産者さんを交えてのワインサロンと云うものに初めて参加して来ました。

 ワインは大好きだけど、真面目に勉強する様な固っ苦しい会はご免だし、そもそもサロンだなんて柄じゃないし、僕みたいな不釣り合いなヤツが出掛ける様なもんじゃないよなぁと、初めはかなり及び腰(苦笑)。それでも、お誘い下さった方の「思うよりずっとカジュアルで楽しいですし、何より結構飲めておなかいっぱいになっちゃうんですよ」とのお言葉(特に後半^^;)に背中を押されて、ま、人生何事も経験だ!(?)、と出掛けてみることにしました。但し、やっぱり1人では少々居心地が心配だったので、もうお一方を無理矢理道連れに巻き込みましたが・・・(笑)。


◆写真左、Jorio Montepulciano d'Abruzzo / D.O.C. (ヨーリオ モンテプルチアーノ・ダブルッツオ)
◆右、Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico 2006 / D.O.C. (ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ・クラッシコ)





 この日はイタリア中部の都市、マルケ州に本拠を構えるUMANI RONCHI / ウマニ・ロンキ社のワインが主役。

 名前を聞いても最初はピンと来なかったのですが、このロゴマークには見覚えがあるよ!・・・って、当たり前。偶然にもその1週間前に家でカサル・ディ・セッラって白を飲んだばかりだったんですよ(笑)。

 因みに左の写真はまた別のワイン、サン・ロレンツォ。これを飲んだのは、もう2年くらい前のこと。都内に在るイタリア人シェフ(トスカーナ出身)の営む人気店での事でした。僕でも知っている聖人と同じ名前がつけられていた事と、特出したところは無いんだけど、味のバランスが取れていて、尚かつとてもコストパフォーマンスが好いな、カジュアルなイタリアンを楽しむにはピッタリのワインだな、と思ったのでよく覚えていたのです。

 そっか、今日は飲んだことある造り手さんのワイン会だったワケね、と思うと急に僕の親近感も増して来たりして・・・(^^;



 
 それにしてもマルケ州って、どこ?。

 地図を見てみると、西にフィレンツェの在るトスカーナ州、北にボローニャのエミリア=ロマーナ州と接したアドリア海沿岸の都市。そうそう、エミリア=ロマーナとの境界には、F1グランプリ(2007年を最後に取り止め)や切手で有名な世界で5番目に小さい国家、サンマリノ共和国もちょこんと挟まってるんですね。

 少し調べてみると、マルケ州にはウルビーノと云うルネッサンス期の重要都市が在って、ここでもその歴史と美術について触れようと思ったのですが、書き始めたらあまりに長く脱線(笑)。そもそもウマニ・ロンキ社とはあまり関連がないし、それこそ収拾が着かないので別の記事として書き直したいと思います(^^;。





 さて、今回の会場となるお店は過去数回訪れた事のある某イタリアン・レストラン。でも、前に来た時は誰と一緒だっただろう・・・?って、ちょっと考えないとすぐには思い出せないくらい久し振り。おそらく3~4年振り?かなぁ。

 先ず前菜に合わせて供されたのは、変形ボトル(Fantasia)が印象的な白ワイン、ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ・クラッシコ2006(写真top右)から。

 当日は弱いけど雨が降ったり止んだりして蒸していたので、こんなガラスのお皿で供されるアンティパスト・ミストがとても目に涼やかです。

 ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージと云う聞き慣れないD.O.C.ワインはマルケのアンコーナ県とマチェーラ県に跨った地域で生産され、イエージとはこのワインの名の由来にもなった町の名前。ヴェルデッキオ種を主体として作られ、その他のブドウが15%まで加えられることもあるそう。生産者氏(なかなかハンサムな若旦那だったよ・・・笑)の解説に因ると、フレッシュな中にもアーモンドを思わせるほろ苦さがアフターに残るのが特徴なんだって。確かに強くは無いけど邪魔にならない苦みがほんのり口の中に残る。それは理解出来るんだけど、その例えがアーモンドとはねぇ・・・。うーん、分かりました?と道連れさんと顔を見合わせるも、二人して苦笑い(^^ゞ。


 お次はパスタ。当日はきちんと1品1品説明が書かれたメニューが在ったのですが持って帰って来なかったのでちゃんと説明出来ないのですが、確かナポリ風ジェノヴェーゼとか云っててラグー・ソースが出て来たので「へえ~~~」な皿でした。てっきりバジル・ペーストに絡まったパスタが出てくると思っていたもので。

 このパスタには、ヨーリオ モンテプルチアーノ・ダブルッツオ(写真top左)を合わせます。モンテプルチアーノ種100%のミディアム・ボディで、濃すぎずやや明るいルビーでソフトな喉越し。余談ですが某ワインなマンガ#11巻にもチラッと登場してます。こちらもお手軽だけどお値打ち、と云った印象のワイン。確かにラグー・ソースのパスタにはよく合いました。カポナータとかにも合うかもね。重くないのが好いのかな。



◆カサル・ディ・セッラ・ヴェッキエ・ヴィーニェ2004
 "CASAL DI SERRA VECCHIE VIGNE"
 Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore D.O.C.

 最初の白と同じD.O.C.ヴェルデッキオですが、こちらは単一畑で育てられた完熟ブドウを9月半ばに手摘みで収穫し搾汁したキュヴェをじっくり発酵させ、翌7月からボトリングさせ1年間熟成させるもの。色もより鮮やかな金色となり、パインの香りなどフルーティさも。こちらも後味の微かな苦み。味が濃い分、ナッツ的要素がより理解しやすいかな。

 そのヴェルデッキオに合わせるのは、青魚で相性を見て欲しいとの意図でサバ。それも一般にマサバより大衆魚(より漁獲量が多いので値段が安い)と云われるゴマサバを敢えて使ったソテーに付け合わせはタイム風味の野菜のペースト。家庭のテーブルに乗りやすいから、と云うチョイスでしょうか、かなり実験的なメニューの取り合わせですね・・・(^^;。トマトを効果的に使った調理法ならともかく、僕は青いサカナ(特にサバ)のグリルにワイン合わせるのはあんまり好きじゃないかなぁ。これは好みの問題で、決して合わないとは云いませんが、ベストな組み合わせじゃないって気がします(ナマイキ云ってごめんなさい・・・^^ゞ)。



◆“コスタモッロ” モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ 2003
"Costamorro" Montepulciano d'Abruzzo Colline Teramane D.O.C.G.
 
 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネはマルケ州では初めてDOCGに昇格した(2003年より)ワインで、規格として10%までならサンジョヴェーゼのブレンドが許されるそうですが、このコスタモッロはモンテプルチアーノ100%で作られています。ウマニ・ロンキ社はこのアブルッツォ州で作られる新たなワインにMONTPAGANO(モンティパガーノ)と云うブランド名を与え、これから1つの主柱として育てていく方針なんですって。先ほどのヨーリオに較べると、より熟成感の増した味わいのワイン。フルボディと云うものの、タンニンや飲み口はあくまでスムースで飲みやすいワインでした。

 赤い肉はもちろん、ラムの炭火焼きや豚とも相性が良いとのことで、その両方が用意されました。シンプルな味付けのラムのミルクっぽさをコスタモッロが爽やかに流してくれます。これは美味しかった(^^。野菜は地元神奈川は三浦の完熟野菜。

 デザートはフルーツいっぱいマルサラ酒風味のパルフェでサッパリと。

 この日のワインはウマニ・ロンキ社のラインナップの中では、家庭でも楽しめる比較的リーズナブルなもの中心でしたが、それでも生産者さんを交えて、それぞれのワインの特徴や食べ物との相性を聞きながら、1つ1つ確認しつつ楽しんで行くと云う経験はなかなかに面白いものでした。僕の場合は少しもワインの勉強をしてるって感じじゃなく、ただいろんな話を興味を持って聞きつつ、普段どおりに料理とワインを愉しんでるってだけだったけど、思いの外カジュアルで気楽だったし、こう言う会もたまには好いものですね。またこんな機会が有ったら出向いてみたいとも思いました。お誘い下さった方と、道連れさんに感謝です。

 それにしても、イタリア語が話せたら、もっともっと楽しかったんだろうになぁ。今度こそちゃんと勉強し始めよう!って、その場ではいつも思うんだけど・・・(苦笑)。


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shamon

こんばんは^^。楽しくて何よりです。

>普段どおりに料理とワインを愉しんでる
いいんじゃないでしょうか。楽しみ方は人それぞれですし、
私なんてひたすら飲んでるだけだもん(爆)。

>Jorio Montepulciano d'Abruzzo
あ、神の雫に出てたやつだ(笑)。
by shamon (2007-08-07 22:15) 

yk2

◆shamonさん :

こんばんは。
いや、そのですね、人それぞれと云いつつ実はここだけのハナシ、不謹慎にもワインサロンと全然関係ない映画やマルケ以外のイタリア旅行のハナシとかでみょーに盛り上がっちゃってたりしたので・・・(^^ゞ。

ま、根本は結局好きか嫌いかだけなので、僕もひたすら飲めりゃーいーんですけどね(笑)。

>あ、神の雫に出てたやつだ(笑)。

そーそー。なんで気が付いたかって云うと、shamonさんの記事のお陰で甘栗ワイン(爆)のトコ読み直してたら、あ、ヨーリオだ、って・・・(笑)。

◆てんとうむしさん :

niceありがとー♪。
by yk2 (2007-08-08 00:28) 

newyork

お久しぶりです!こういう会って良いですね。私はワインは好きで良く飲んでいますが、勉強不足で、というか飲んでお話する方に集中してしまって、毎回何を飲んだのか、名前を覚えていないというとってもlazyな性格なんです。。。もっと詳しく知っていたら、もっと楽しめるのになあっていつも思っています。でもyk2さんのブログを読んで、ちょっと賢くなった気分(笑)!
by newyork (2007-08-10 04:20) 

noriko

生産者さんと、料理人がそれぞれの思い入れを聞きながらの会というのも、たまにはよいですよね♡

でもやっぱりね、フランス語とかイタリア語とかわかったらもっと楽しいのでしょうね~・・・と私も思います。
by noriko (2007-08-11 00:28) 

yk2

newyorkさん、おかえりなさい。
ヨーロッパに行ってらしたんですね、うらやましいです~。

>毎回何を飲んだのか、名前を覚えていない

意識しなければ、覚えてないですよねー。僕も同じですよ、覚える気も無い時は好きが嫌いかだけで終わっちゃいます。特に会話に夢中になってると、ワインの細かい味の印象を頭に留めておくのって、すごくムズカシイ。翌日にはぜーんぜん覚えてないですね。blogにするときは写真撮ってたりするから、なんとか思い出すんですが(苦笑)。
by yk2 (2007-08-11 00:33) 

yk2

てんとうむしさん、こんばんは。

このワイン・サロンは面白い体験でした。こんな機会でもないと、普通は同じ作り手のワインを4種もいっぺんに飲めることないですもんね。それもほんのグラス1杯とかじゃなくって、おかわり自由だったし(笑)。

今回はたまたまマルケだったけど、こんなふうに出会うとワインってやっぱり地酒なんだよなぁ、ってつくづく感じました。イタリアは土地それぞれのワインが本当にいっぱい存在するもんねぇ。DOCGだけでも幾つあるんだろう?。
by yk2 (2007-08-11 00:58) 

noriko

ヴェルデッキオの苦味は、小粒品種ゆえ皮からくるんですって。
モンテプルチアーノは大粒だから、スムースな口当たりになるのかな。

今認定されているDOCGは35ですが、申請中のものがひとつあるので近々36になりそう。
それぞれ土着品種を主としているので、イタリアワインは地酒っぽさも魅力ですよね♪

そして、おかわり自由も大きな魅力(笑)
生産者さんも同席の機会というのは、なかなかないのですが、またあればお知らせいたしまする^^
by noriko (2007-08-11 17:21) 

yk2

てんとうむしさん、すごい!。DOCG35種+1件申請中まで知ってるんだ~。

苦みは小粒種だから、ね。なーるほど。

ついこないだ読み終えたイタリアの歴史紀行の本に、キリスト教とその土地土地のワインの話が結構出て来てさ。マルケって知らない土地のワインを飲んだせいもあって今、自分の中で「地酒」って言葉がキーワードみたいになってるんだ。ヴェルデッキオもまさに地酒ってワインなんだろうね。
by yk2 (2007-08-12 03:00) 

pistacci

暑いですねー。
いぃな、いぃな、こういうの。
おいしいもの食べられて(すみません、まだコッチ優先で^^;;)
ワインのおべんきょうもできて♪♪
少しアンテナぴぴっと、立てて、探してみようかな。
by pistacci (2007-08-15 09:38) 

yk2

pistacciさん、こんばんは。
ほんと、毎日暑くてイヤになっちゃいますねぇ・・・。

>まだコッチ優先で^^;;)

あはは、僕だって大して変わりませんから大丈夫(笑)。
この時の会は特にカジュアルみたいだったから僕も安心して居られたのですもん^^。因みに一番上の写真の2本のワインなんて、両方とも1000円前半で買えるはずのワインなんですよ。安いでしょ。でも、両方とも結構美味しいんですよ。

おべんきょうなんて云わないで、気軽にワインを飲んじゃえばいーだけですよ。いろいろな国のビールを楽しむのと何も変わらないんですから。
by yk2 (2007-08-16 00:36) 

バニラ

いいなぁ、こんなお勉強だったら毎日でもしたいかも~
でもyk2さんが試飲するんなら、相応なお値段するものばかりかと
思っていたら、そんなにリーズナブルなの?
わたしでも飲めちゃうじゃん~♪
by バニラ (2007-08-17 23:29) 

yk2

バニラさん、そう。そんなにリーズナブルなワインなのですよ(^^。

僕が家飲みにお薦めしたいのは変形ボトルの白ワインの方かな。
これ、家庭でごく普通に食されるような馴染みの中華、例えば春巻きとかシウマイ、エビチリなんかにも合いそうだな、なんて思ったのですヨ。喉越しにほんのり微かな苦みを感じるので、これがウーロン茶とかのタンニンと共通するニュアンスもあるな、なんて発想なのですが、この価格だったら気軽に試せるでしょ?。
by yk2 (2007-08-19 11:14) 

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