SSブログ

トーハクでお花見2014 [ART]

トーハク140413_top.JPG

 桜山公園で八重桜を愛でた後は、上野公園界隈の八重桜をチラ見した後、東京国立博物館恒例(?)の『博物館でお花見を』へ出向きました。この企画は2年前にも観ているのですが、例によって膨大なトーハク・コレクションの内から桜の季節に因んだ作品を集めて見せる常設展です(※勿論、ぜ~んぜん花と関係しない品も展示物されています)。

※参照過去記事 : 『トーハクでお花見2012』 → (http://ilsale-diary.blog.so-net.ne.jp/2012-04-18




 今回も例によってほとんど写真ばかりですが、心密かに(?)自分用トーハク収蔵品カタログを作らん!と数年前よりちょこちょこと写真を撮り溜めています。いろんなコトが長続きしない飽きっぽいワタクシ(^^;ですので、いつまで続くかは判りませんが、今のところは年に2~3回出掛けるトーハクの常設展が楽しくて仕方ない[わーい(嬉しい顔)]ので、しばし続けるつもりです。さてさて、この先、以前のものも含めて、一体何点の作品をこのblogにアップ出来るかな(^^。


トーハク140413_桜花文鐔.jpg
◆谷清兵衛(せいべい: ? ~1843) / 『桜花文鐔』 無銘 (江戸時代 19世紀)

 江戸時代後期に活動した肥後出身の装剣金工。
 
 幾ら江戸時代が戦国時代と違い、本格的かつ大規模な争乱が無かった平和な時代とはいえ、人を殺傷する武具の一部がこんなにも愛らしく装飾されているとは。まぁ、この鐔を持ち、花を愛でる様な人物ならば、余程のことが無い限り刀を抜くこともなかっただろうとは思いたいですが。


トーハク140413_桜花鳳凰図鐔.jpg
◆秀鏡(しゅうきょう) / 『桜花鳳凰図鐔』 銘・明治庚午初冬 (1870=明治3年)


トーハク140413_仁清梅花碗.JPG
◆野々村仁清(ののむら・にんせい) / 『色絵梅花文茶碗』 (江戸時代 17世紀)

 最近になって、ようやく自分の好きだと思う絵画については、その理由などに付き自己分析が出来る様になってきたのですが、相変わらず焼き物についてはとんと解りません(^^ゞ。この仁清の梅花文茶碗も見る度「きれいだなぁ、素敵だなぁ~」とうっとりしてしまうのですが、京焼って、新しい物であっても随分と立派に見えちゃいますからねぇ・・・(^^;。


トーハク140413_道八色絵桜樹図透鉢.JPG
◆仁阿弥道八(にんあみ・どうはち:1783~1855) / 『色絵桜樹図透鉢』(江戸時代 19世紀)

 江戸時代後期の京焼の名工と讃えられる道八は、その作風の一つとして乾山焼き風も得意としていて、これも乾山に倣った品なんだそう。日本美術は琳派系の展覧会に出掛けることが多い僕にとっては、比較的馴染みのある作風。ここでは優美と云うよりもおっとりとした味わいの光琳風桜樹図柄に加えて、いかにも乾山風に素朴に抜かれた透かし(木漏れ日を意識してる?)の組み合わせが、穏やかで、ほのぼの温かな肌合いに感じられます。


トーハク140413_色絵桜楓文鉢.JPG
◆仁阿弥道八 / 『色絵桜楓文鉢』(江戸時代 19世紀)


トーハク140413_色絵桜樹図皿.JPG
◆鍋島 『色絵桜樹図皿』(江戸時代 18世紀)


トーハク140413_色絵桜人物文大皿.JPG
◆伊万里 『色絵桜人物文大皿』(江戸時代 18世紀)


トーハク140413_色絵桜透文手鉢.JPG
◆京焼 『色絵桜透文手鉢』(江戸時代 18世紀)


トーハク140413_色絵蒲公英図皿.jpg
◆鍋島 『色絵蒲公英図皿』(江戸時代 17~18世紀)


トーハク140413_唐津銹絵菖蒲文皿.JPG
◆唐津『銹絵菖蒲文皿』(安土桃山~江戸時代 16~17世紀)

 銹絵とは、鉄分を含んだ絵の具で文様を描く技法。これにより装飾された唐津焼を絵唐津と呼ぶそう。
 この菖蒲文の渋い皿は一昨年の『博物館でお花見を』でも見ていたのですが、あまりに簡略な菖蒲の姿についつい笑ってしまいました。それと云うのも、しべの立っていないこの絵はきっとカキツバタではなく、ハナショウブがモデルなのかと思うのですが、ハナショウブの花って、僕には時として紋甲烏賊などコウイカの仲間みたいな姿に思えちゃう時がありまして※、この描かれた菖蒲も、どことなく、少し眠そうなイカっぽい・・・(苦笑)。

けして、ハナショウブをけなしているのではありません(^^;。過去記事(→ 一例)を見て下さればご理解頂けるとは思いますが、ワタクシはハナショウブを溺愛しておりますので、あしからず(^^。


トーハク140413_色絵紫陽花文水注.JPG
◆明石 『色絵紫陽花文水注』(江戸時代 19世紀)


トーハク140413_色絵紫陽花文鉢.JPG
◆讃窯 『色絵紫陽花文鉢』(江戸時代 19世紀)

 讃釜(さんがま)は高松藩の御庭焼。仁阿弥道八とその弟子を招いて天保3年(1832)に開かれた。この作品が乾山焼き風なのは道八譲りなのだそう。
 数多の宝物ひしめくトーハク・コレクションに在って、この紫陽花文鉢がどれほどの重要性を持つ焼き物であるのか、僕にはまるで判断がつきません。ですが、「いいなぁ~、欲しいなぁ~」と強く強く心を惹かれた作品です。大事に飾っておくんじゃなくって、日々の暮らしの中にこんな器が有ったらなぁ・・・ってね。


トーハク140413_色絵瓢文瓢形徳利.JPG
◆久谷民山 『色絵瓢文瓢形徳利』(江戸時代 19世紀)


トーハク140413_瓢形酒入.JPG
◆船田一琴(ふなだ・いっきん:1812~63) / 『瓢形酒入』(江戸時代 19世紀)


トーハク140413_色絵露草図台鉢.JPG
◆久谷吉田屋 『色絵露草図台鉢』(江戸時代 19世紀)




 ここからは花以外が主要モチーフの作品を何点か。

トーハク140413_蒔絵硯箱.JPG
◆すみません、今回は記録し忘れで作品データなしです。


トーハク140413_芦舟蒔絵硯箱.JPG
◆伝 本阿弥光悦(1558~1637) / 『芦舟蒔絵硯箱』(江戸時代 17世紀)※重要文化財


トーハク140413_色絵孔雀香合.JPG
◆京焼 『孔雀図香合』(江戸時代 18世紀)


トーハク140413_鼠志野鶺鴒文鉢.JPG
◆美濃 『鼠志野鶺鴒文鉢(ねずみしのせきれいもんばち)』(安土桃山~江戸時代 16~17世紀)※重要文化財

 鼠志野とは、志野特有の白い土に酸化鉄の泥漿(でいしょう)をかけ、文様を掻き落とし、全面に長石釉を掛ける。すると、鼠地に白掻き文様の鼠志野が出来上がる。


トーハク140413_織部獅子鈕香炉02.JPG

トーハク140413_織部獅子鈕香炉.JPG
◆美濃 『織部獅子鈕香炉』(江戸時代 1612年)


トーハク140413_面_烏天狗.JPG

トーハク140413_面_烏天狗02.JPG
◆面

 スミマセン、こちらも作品データ記録忘れました(汗)。
 勝手に烏天狗乗せ面と呼んでいますが(^^;、この面を見て僕が思い出したのは『皇室の名品展』で観た海野勝珉(うんの・しょうみん)作の蘭陵王の置物(参照→http://www.kunaicho.go.jp/culture/sannomaru/syuzou-19.html)が被っていた面。ひょっとして、同じ意匠?。でも、うろ覚えだったものですから、家へ戻って図録で確認したら全く似て非なる物でございましたが(^^;。


トーハク140413_面_鬼.JPG
◆追儺面(ついなめん) 『鬼』(鎌倉時代 正和2=1313年)


トーハク140413_行道面_五部浄居天.JPG
◆行道面 『五部浄居天』(鎌倉時代 14世紀) 

 高野山天野社伝来という、この得体の知れない謎の生き物みたいな面(友人は鳥だと思ったそう^^;)については博物館の解説をそのまま引用して記しておきましょう。
 かつて面裏にあったという墨書銘により焔魔天とよばれているが、二十八部衆の彫刻や絵画には五部浄居天(ごぶじょうごてん)という象頭の冠をかぶる神将像があらわされており、本来その面であった可能性もあるが、頭にのせる形状ではない。



トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

トラックバック 0