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Le Monde Gourmand(ル・モンド・グルマン) / 目黒区緑が丘 [そとごはん、そとワイン]

2023年05月04日(木曜
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 4月生まれの友人の誕生日祝いで、久し振りに自由が丘のル・モンド・グルマンhttp://lemondegourmand.com/)にてディナー。コロナ前からそうだったのですが、週末などはなかなか予約の取れない人気店です。ここ何回か、行きたいと思った日に席が取れずに断念と云うパターンが続き、フラれ続けているみたいで悲しくなって、しばらくはもう電話もしたくない[もうやだ~(悲しい顔)]・・・みたいな心地がずっとしていたので、今回の予約が取れた時は嬉しかったなぁ~[わーい(嬉しい顔)]





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 この日はボトルでワインを貰わず、それぞれの料理に合わせて、接客を担当されるマダムお薦めのワインを出して貰う、所謂バイ・ザ・グラスを選択。ただ、スタートは特に銘柄指定はしなかったものの、スパークリングでとはリクエスト。そうして運ばれて来たはラングロワ・シャトーのクレマン・ド・ロワールだった。あらら、コヤツは自宅に家呑み用として今もストックを複数本持ってるクレマンですわ(^^;。

 メインの品種がシュナンブラン(+カベルネフラン混醸)のキュヴェなので、白い花系の香りにグレープフルーツ。シャルドネ主体のワインと比較すると酸味が穏やかで甘みが有る。エレガント感は無い(※家でも飲んでるキュヴェだから、個人的に特別感がゼロなせいでしょう^^ゞ)けれど、明るい溌剌感の有る気さくなスパークリングで、食前酒には向いていると僕は思う。


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 料理は”本日のコース”にて。最初のお皿はスズキのタルタルふうサラダ仕立て(※尚、本頁に記す料理名は全てお店メニューに記載された正しい呼称ではありませんので悪しからず)。

 散らされている黄色はカラスミ。白身を薄造りとして引くのではなく小指の先くらいのサイズ感でダイス・カットしてあるのでプリプリした身の食感が残っている。味付けは繊細で、素材に対して出しゃばらない程度、調味料としてのカラスミも含めた塩味やヴィネガーでスズキの旨味が充分に引き出されている。僕はそもそもが白身魚大好きなので、この前菜としての最初の1皿、好きだわ~[黒ハート]


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 前菜2皿目は、この日の本来のコースには含まれていなかったカツオ。お酒呑みがバレているのでおつまみ増やして下さったのかしらん?(笑)。

 ニンニクを効かせたバジルソースでのカルパッチョふうだけど、鰹の表面には薄ら焼き色がついているのでフレンチ風の”カツオの叩き”(^^なのかな。だとしたら、ソース自体に酸味を加えない代わりに、添えてあるフルーツトマトがポン酢の代わりとして穏やかに酸味の役割を担う。これは家でも真似したいなぁ。ん?、今更乍ら(^^;気付いたんだけど、カツオもフルーツトマトも高知の名産だよね?。もしかしたらこの2つは産地が合わせてあったのかもしれません。


 さて、1杯目のクレマンが未だ残っていたなら、やや甘みを感じるこのキュヴェがそのままこの2皿目に合わない事も無かっただろうけど、既にグラスの泡は飲み干されてる(^^;。マダムはこの”カツオの叩き”にどんなワインを薦めて下さるんだろう?。

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◆Chantet Blanet Entre Deux Mers / Maison Raymond

 で、自分では多分頭に思い浮かべる事が全くないだろうボルドーのソービニオン・ブランがやって来た。僕が普段飲むソービニオン・ブランはほぼサン・セール一択で、ボルドー白は殆ど買わない。「選ばない」のではなく、シンプルによく知らないだけなんですけど、ね(^^;。

 僕がサン・セールの白を好む理由は、味が穏やかであること。それって、ちょっと日本酒の淡麗ってイメージとも重なってる。サン・セールのソービニオン・ブランなら和食に合わせても何の違和感も感じない。僕の中では、和食屋さんに行ってもなおワインが飲みたいのなら、先ずは甲州をリストに探して、無ければサン・セールと云う具合で選んでる。

 実際、このボルドー白もサン・セールのそれとは全く印象が違って、パイナップルやパッションフルーツとまでは云わないけど、熱帯のフルーツの味わいに寄った、元気の良いハッキリした味のワイン。バランス的には最初に飲んだクレマンの印象とは遠からず、なワインかな。それでも、チョイスして下さったマダムに別にお世辞を云うわけじゃないけど、このワインがカツオの一皿ととても良く合っていた。素直に美味しかった。これもきっとカジュアルなワインなんだろうけど、料理と合わせることでワンランクもツーランクも満足感の上がる典型例だったなぁ。


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 3皿目は新タマネギの冷製ポタージュ。写真に影が出来てしまって判りにくいかもしれませんが、カップの右に添えてあるのはホタルイカ。食感で想像するに、ボイルしてある物を少し焼いているのかな?、これ。これをポタージュにインしても、別々に食しても良いとのこと。まぁ、新タマネギのポタージュの優しい甘さが素晴らしい!。これ以上何も足さなくても充分ではあるけれど、ホタルイカを具として足すとちょっとまた別の味わい。サイズは小さいながらも、ワタのコクが確実に加わる。


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 お次のグラスワインはこれ。ずっと以前から飲んでみたかったドメーヌ・ローヴのオレンジ[exclamation×2]。エチケットをご覧頂いてすぐにご理解頂けると思いますが、ビートルズの『ALL YOU NEED IS LOVE』の”LOVE”をもじって”LOEW”ってメゾンの名前に堂々変換。パロってます[わーい(嬉しい顔)]

 このオレンジワインね、存在は知っていたのですが小売りが殆ど為されていないワインのため店頭で購入するのは、知る限るほぼ不可能。インポーターがロウヴのセットをネット販売はしてくれているのでそちらからの購入は可能なのですが、そもそも輸入量が少ないらしく、僕が見た際には既に完売[もうやだ~(悲しい顔)]。これのクレマンもあるみたいなんですが、僕にとっては幻のワインだった、ってワケ。

 ですから、もしもこのワインがこの日グラス単位での提供じゃなかったら、僕は友人の誕生祝いの為にシャンパーニュを頼むか、それとも自分の興味と好奇心を満たす為だけに悪魔[ドコモポイント]に心を売り渡してこのオレンジを飲むか(笑)できっと長々と煩悶しなければならなかったでしょう。食中酒としてオレンジワインを2人で1本飽きずに飲めるのか?、コースの料理との相性は大丈夫なのか?・・・って、至極シンプルに思いもするしねえ(^^;。

 しかしこれが飲んでみると良い意味で拍子抜けするくらい、オレンジらしくなくて品の良いロウヴらしさ溢れるアルザス・ワイン。ブドウはピノ・グリ+ピノ・ビアンコで、見た色からしてフツーに白ワインのトーン(^^;。これって、ホントにオレンジ・ワインとしてのリリースだったの?って、狐につままれた様な・・・[たらーっ(汗)]。まぁ、大好きなロウヴの、それも念願だったワインを飲ませて頂いて、文句は別になーんにも有りませんけどね(笑)。


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 そのロウヴのワインに合わせたのはこちらの料理。
 エスプーマ仕立てのクリーミーなソースの中に浮かんでいるふうなのは、春キャベツに包まれたタラバガニ。この料理もカニ、キャベツは素材自体の味を活かしたシンプルな味付け。

 ワインを選ぶ方法の一つに、その産地と同じ場所で育った食材を合わせるってやり方がある。土地の人が自分たちが作った物を食べる際には、やっぱり土地の酒を合わせる。それに倣おう、って考え方だよね。ヨーロッパでは、特にワイン生産が盛んな土地では、余程の事がないと他の生産地のワイン、ましてや他国のなんか全く売られていないのが普通の事なんだってね。

 これを踏まえて、昔、僕にワインのあれこれを教えてくれていた知人曰く、「ブルゴーニュには海なんて無いんですから、ブルゴーニュの地場の人にはシーフードだから必ず白ワインを選ぶだなんて硬直的なルール感覚は全く有りませんよ。そもそもシーフード、ほとんど食べないし」ですって。最後の部分は多少ご当人の「好き嫌い」が反映されているおハナシでしたが(笑)、確かに、全ての魚介料理と彼の地のシャルドネが相性ぴったりなワケじゃないよね。それでも、同じ様に山のそばに位置して海が遠いハズの地で造られるアルザスの白ワインの多く(リースリングにしろゲヴェルツにしろ含め)が、魚介類の料理の多くと抜群に相性が良いのはどうしてなんだろうな~?って、ずっとずっと不思議に思うのです。まぁ、それを云ったら山梨だって海が無いのに、甲州はお刺身でだってイケちゃうか。単純に、地の物同士じゃなくても相性が良い物たちは確実に存在する、って事だな(^^。


× × ×


 そろそろ、本日のコースもメインの登場が近づいて来て、僕も友人も選択したのは同じ肉料理。と云う事で、合わせるワインはこの日にグラス提供されていた3つの生産地の赤ワイン(ローヌ、ボルドー、ブルゴーニュ)の中から、それぞれが好みで選ぶと云う事に。

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◆ Côtes-du-Rhône-Villages 'Plan de Dieu' 2019 / Domaine Les Ondines

 友人は赤に関しては、もうハッキリとした好みが有って、カリフォルニア系のパワフルかつフルーティなワインが好き。どうしたってそれとは違うだろうけど、この3つの選択肢ならこれでしょう(^^。グルナッシュ80+シラー20%。僕も一口味を見させて貰ったけど、なかなかにチャーミングなワインで、友人の好むほどにはこってりしていない(笑)ので僕が飲んでも全然問題なし。赤いフルーツ系。グルナッシュはたまにしか飲まないけど、このワインはしつこくないので、ワインバーなんかで選べば気軽にグビグビ飽きずに飲めそう。 


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◆Irancy 2019 / Domaine Grand Roche

 僕はブルゴーニュが飲みたかったので迷うこと無くこれを選んだけど、スミマセン、不勉強なものでイランシーっって村はこれまで全く知りませんでした[たらーっ(汗)]。ミディアムボディに程よい酸味。ただ、ブルゴーニュも温暖化が進んで、正直これならチリだとかアルゼンチンのピノと並べて僕なんかじゃ区別も付かない気も。ワインを飲み始めた頃に嫌っていた、薄くて酸っぱいブルピノが何だか近頃懐かしくさえ思えちゃうなぁ。


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 そしてメインのバベット・ステーキ。

 タマネギの甘さが効いたソースだったので、2つの赤ワインを飲み比べると、僕としては意外やローヌのグルナッシュの方がこの料理には相性としてより良く、美味しく感じた。比較することなど無かったら、特にこのピノ・ノワールに異論は無かったと思いますが、甘めのソースにワインの酸がややですが、ぶつかってるなと。甘いソースだから、逆に酸でキリッと引き締めてくれるって考え方も有るでしょうけどね。


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 序でなので、残されたもう1種のメドックも貰ってみたりして(^^;。

 クリュ・ブルジョワのシャトー・マレイユ2017はお肉を食べ終わってから飲んだんですが、意外や美味しいボルドーでした。正直、最近は進んでボルドーを飲んでいないのであんまり期待してなかったんだけど(^^ゞ。細かいセパージュは解りませんが、穏やかなメルロー感が有りながらも味わいがボケていないバランスの良いワイン。半分以上空いているボトルだったのでそこそこ抜栓してから時間も良い具合に経過しているのでしょう。空気に触れて風味的にも馴染んで落ち着いているふう。


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 デセールはナッツを散らしたガトーショコラふうの、濃厚なチョコレートケーキとバニラのアイスクリーム。これに、メドックのクル・ブルジョワが合うんですわ~[ハートたち(複数ハート)]

 チョコレートとワインの相性には一部否定的な意見をお持ちの方もいらっしゃいますが、僕は好き。逆に、専門家がピッタリだと薦めることもあるヴァニュルスとチョコレートの取り合わせがちっとも相性好いと思えなかったりします。結局は食べる本人の好みなんだよなぁ(^^;。

 ボルドータイプのワインとチョコレートケーキに関しては、過去に何回か、自分の好みにぴったりハマることがあって、そんな時は目の前で突然ピカッと大きな電球が明るく光るみたいな心地。「これ、大正解[ひらめき]」みたいな。今回がまさにそんな具合でした。それがとてもとても久し振りの感覚だったので、一人、ニヤニヤしながら楽しみました。美味しかったなぁ[わーい(嬉しい顔)]



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