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VERY BERRIES Live at JZ Brat [jazzっぽいの、好き?]

2023年05月30日(火曜日)
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 ほんとに久し振りに、本格的なジャズ・クラブへとライブを観に出掛けた。
 
 正直、この3年と云うコロナ禍でのブランクの影響が大き過ぎて、それ以前までと全く同じ様な、ひたすら浮き立つ様なワクワク感を持って音楽を楽しみに行くと云う気持ちは、僕の中では未だ完全には戻って来ていない。ムリも無いよね。閉ざされた空間の中で、沢山の人が集まって・・・って環境を、徹底的に避け続けて来た3年間だったわけだもの。そうそうお気軽には切り替えが出来ないんだな。それでもこの日、渋谷セルリアンタワーに在るJZ Bratへと出向く気になったのは、もう20年越しの都内某BARのカウンター友だち、ジャズ・ヴォーカリストの斉田佳子ちゃんが出演するステージだったから。




 2019年の12月、ジャズ・トランペッターのティル・ブレナーのクリスマス公演をBluenote TOKYOに観に行って以来の、所謂ジャズ・クラブにてのライブ。この日のステージは佳子ちゃんのソロステージではなく、彼女が所属する、結成されて未だ間もない女性だけのジャズグループ、Very Berries(ヴェリー・ベリーズ)の第2回目となるライブで、なおかつ佳子ちゃんと双頭でヴォーカルを分け合う平賀マリカ(!)のバースデー・ライブ。なので、この日に関しては間違いなくマリカさんが主役。まぁ、そもそもが実質的にマリカさんがリーダーみたいなグループですけどね、歳の順的には・・・なんて書いちゃうと怒られちゃうかな(^^ゞ。

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 ステージは先ずヴォーカリスト抜きにて、このバンドに於けるバン・マス的な立ち位置のピアニスト・福井ともみ、ドラムス・利光玲奈、Wベース・伊東佑季と云うメンバーのピアノ・トリオにて、軽快にスタンダードの『BROADWAY』でスタート。

 因みに申し訳ないくらいハナシが脱線しますが(^^;、伊東さんのお名前を最初に目にした時は、まさか『鎌倉殿の13人』にも登場する伊豆国の豪族・伊東祐親(すけちか)のご子孫かしらん?。日本史好きなら、女性と知っていながら尚、伊東佑季(いとう・すけとき)だとか、まるで鎌倉時代の武将かの様に読んでしまいそうなお名前ですこと・・・などと考えてしまったのはここだけのハナシ(笑)。実際のお名前はYUKIさんね^^ゞ→ https://yukibass.com/about/


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 インストでスタートした後、いよいよ平賀マリカと斉田佳子の二人のヴォーカリストが登場。基本的にはマリカさんが高音担当、佳子ちゃんが低音と役割を分担してハーモニーを奏でるワケなんですが、先ず初っ端いきなりに演奏されたのはなんとマイケル・ジャクソン!(^^;の『Off the Wall』。マリカさんって、モロにDISCO世代っぽいもんな~(笑)。この曲をジャズ的アレンジで聴くと、何だかジョージ・ベンソン聴いてるみたいだな~と思えちゃったのは、クインシー・ジョーンズ繋がりで当たり前?(^^;。

 続いてはイーグルスの『Hotel California』が演奏されるなど、ややポップ寄りの親しみやすい選曲の後に、斉田佳子、平賀マリカの順で2曲ずつソロ(その間一方はお休み^^;)で歌う構成。ポール・マッカートニーの『My Love』や古いスタンダードの『Stompin' at the Savoy』、ドゥービー・ブラザースの『What A Fool Believes』などが次々披露されたのだが、僕が「おっ!」と思わず声を上げてしまったのはマリカさんのレアなチョイス。セルジオ・メンデス&ブラジル'66の『The Joker』が歌われたこと。最近、ちょっとした切っ掛けで偶々古い時代のセルメンをよく聴いていて、中でもこの『The Joker』をプレイリストに入れて繰り返し聴いていたので嬉しくなってしまった。この曲がジャズ・ミュージシャンに採り上げられるのって、かなり珍しいのだ。因みに僕がHDDに保存しているCD音源は相当量有るハズだけど、それをituneにて検索してみても、セルメン以外はウェス・モンゴメリーのアルバム『A DAY IN THE LIFE』(1967)に収録されたたった1ヴァージョンのみしか出て来ない。本当にレアなチョイスだと思う。そんなニッチな曲を採り上げて歌い上げる平賀マリカ、おそるべし[わーい(嬉しい顔)]。でも、どうせならソロじゃなくって、折角低音ヴォイスが魅力(笑)の佳子ちゃんがいるんだから男性ヴォーカルのコーラスパートを彼女に任せて、よりセルメンのアレンジに近づけて一緒に歌ってくれたなら、もっともっと面白かったのに(^^。


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 約1時間の演奏の後休憩を挟んで、後半もインストでのトリオ演奏からスタート。曲は『The Way You Look Tonight』。僕にとっては歌物、それもケニー・ランキンのヴァージョンが一番にお気に入りの楽曲だ。まぁ、本格派ジャズ好きの皆さんはECM時代のキース・ジャレットのスタンダード・ライブのアルバム、ゲーリー・ピーコック、ジャック・デジョネットとのトリオ辺りの演奏などを思い出すのが順当なんでしょうけど(^^ゞ。

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 『Tea For Two』などのスタンダードの他、1曲アレサ・フランクリンだったか、スタイリスティックスの『YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW』だったか??記憶曖昧な[あせあせ(飛び散る汗)]甘めのソウル系バラッドなどを挟み、ショーはクライマックスへと向かいます。写真&ムービー撮影OK(+SNSにて拡散希望ですって[わーい(嬉しい顔)])にてノリ良く『STAND BY ME』、最後はしっとりと『Moonglow』にてエンディング。約2時間のライヴでした。


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<メンバー左から、福井ともみ(p)、平賀マリカ(vo)、斉田佳子(vo)、利光玲奈(dr,cho)、伊東佑季(b)>

 この先、このグループの活動が軌道に乗って、アルバムがリリース出来たらいいね~。応援するよ、佳子ちゃん(^^。



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 やっぱりライブって楽しいね。こんな時間が、以前と同じ様に何も変わらずに取り戻せていけたら、嬉しいよね。

 丸々3年半もの間、僕にとっての音楽がとっても孤独で内向きだった淋しい時間を過ごして来たワケで、1つの場所に集って演奏を聴く、観る楽しみを誰かと共有出来るって、こんなにも有り難いことなんだって、改めて感じてしまった。そうして勿論、ジャズ・クラブでは食事もお酒も同時に楽しめるしさ[るんるん]



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